ちかごろ、古本屋へ足を運ぶことが増えた。引っ越し先の近くに大型書店がないこともあるが、昔の本の面白さに気づいたことが一番の理由だ。今日もママチャリをきこきこやりながら高速道路の近くにあるその書店へ行ってきた。わずかばかりのスペースにこれでもか!というほど本がぎっしり積まれている。僕は迷わず100円コーナーへ向い、古本たちの背表紙をじぃーと見つめる。彼らからビビットな信号を受け取るためだ。これは!と思うものがあると手にりざっとページをめくっていく。出るわ出るわ、わけのわからない言葉が。興奮して、「これくださいー」とレジまで持っていく。 最近の本は分かりやすすぎる。「分かりやすい〜」とか「初心者のための〜」と銘打って一般受けする本を販売する。でも僕は分けのわからない本に魅力を感じる。赤、黄、緑、などのカラフルな岩波新書を読みすすめると、「オブロモフ」「エンチクロペディー」「カターサリトサーガラ