図2●東証とシステム関連ベンダーの関係<BR>東証は2002年2月、東証コンピュータシステムの株式65%を譲渡。これを2004年9月に、富士ソフトABCが取得している 東京証券取引所で11月1日に発生したシステムダウンの根本的な原因は、運用体制の不備にあった。本来はシステムの本番機に触れない開発ベンダーである富士通が、東証が許可したとはいえ本番機上でバグを修整するなど、「あってはならない」運用がまかり通っていた。 東証におけるシステム障害の直接原因は、富士通が作成した手順書の記載ミスによるロード・モジュールの登録漏れ、つまり人的ミスである。だが、問題の本質は「手順書の記載ミス」で片付けられるものではなかった。本誌がトラブルに至る経緯を洗い出した結果、基幹システム運用の基本ルールを守っておらず、人的ミスが起きやすい状態で運用していたことが明らかになった(図1[拡大表示])。 東証は株取引の増