ほんのちょっと見方を変えれば、短所は長所になる。「ほめる達人」(ほめ達)に目覚めたきっかけは、あるアルバイト店員の変化だった。 覆面調査でダメ出し 一般社団法人「日本ほめる達人協会」理事長の西村貴好(たかよし)さん(47)は2005年、客を装って接客態度などを調べる覆面調査を請け負う会社を創業した。依頼は飲食店や美容室、車のディーラーなどから。20個良い点を見つけると、悪い点はその5倍見つかった。悪い点は証拠をつけて、「設備はきれいなのに接客は殿様商売」などとダメ出しをした。 正確に伝えれば喜んでもらえると思い、報告書には長所も短所もすべて記したが、反応は芳しくない。「ここまできついことを書くんか」と眉をひそめる依頼主も。報告書の効果は乏しく、歯がゆさが募った。 創業から2年半が過ぎたころ、焼き鳥チェーンの店舗の調査依頼が舞い込んだ。調査スタッフの評価は厳しい指摘が並んだ。自らもこの店舗を