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ブックマーク / shiranenozorba.com (6)

  • ご当地 糖尿病治療事情【3】

    前回は,患者一人当たりの各県の糖尿病内服薬の年間処方錠剤数を比較しました. この内服薬錠剤の内訳を表示すると下の通りです. 薬を多く出す県,あまり出さない県という違いはありますが,その内訳をみると,どの県でもビグアナイド(=ほぼすべてがメトホルミン)と DPP4阻害剤(各社から種々の製品が出ています)とが,それぞれ30%強であり,この2種の薬だけで全体の7割近くになっています. 金額ベースで見るとしかし,以上は錠剤の個数ベースでの集計です. メトホルミンは1錠9.9円と非常に安い薬ですが,DPP4阻害剤は,安いものでも 50円/錠,高いものでは(配合錠) 250円/錠を越えます. またこのデータの集計時点(2016年4月~2017年3月)では まだあまり使われていなかった SGLT2阻害薬も 200円/錠 以上ですから,金額ベースで見ると様相は まったく変わります. 数量では3割以上を占め

    ご当地 糖尿病治療事情【3】
  • 第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 【食事療法関係】

    仙台で行われた学会に参加してきました. 今回の注目点は,学会の事療法に関するスタンスが変わるのかどうかでしたが,この点に関して,ご報告いたします. なお,グラフなどはスライドの手書きスケッチなので,正確ではありません. 【1】糖尿病治療ガイド 2019年改訂版の発行は延期 多くの方が,今回の学会でガイドライン,特に事療法のガイドラインが改訂されると予想していたのですが,まさにその事療法について学会内部で意見がまとまらなかったことが発行延期の原因のようです. 『決められない政治』はここにもあります. 大体,初日 5/23の朝に学会会場(仙台 国際センター)に着いた時,嫌な予感がしました. なぜかといえば,医学書販売コーナーで,どの書店のブースにも 旧版の治療ガイド(2018-2019)が山積みされていたからです. この学会で新ガイドラインが出るのなら,旧版はもう売れるはずのないものです

    第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 【食事療法関係】
  • インスリン感受性だって数字で評価したい[その2完]

    学会の症例報告を聞いていたら,インスリン感受性の指標として,SPISE指数というものがあることを知りました. 糖尿病関係の指標には 理論又は因果関係から演繹的に導き出しものと,多数のデータから経験的に導き出したものとがあります. 前者の代表例は HOMA-βやHOMA-Rで,理論的基盤はしっかりしているのですが,どの人にも当てはまるほどの精度がないのが弱点です. 一方後者は,理論的根拠は説明できないものの,多数のデータを基にしてもっともFitする式を求めたものです.元になった母集団に分類される人になら,よく当てはまります. もともとそういう人たちだけのデータを大量に集めたものなのですから当たり前です. このSPISE指数もそういうものの一つです. SPISEとは Single Point Insulin Sensitivity Estimatorのことです. 2016年に提案されたもの な

    インスリン感受性だって数字で評価したい[その2完]
  • 第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 【食事療法関係 その6完】

    今回の学会の目玉はなんといっても 【Featured Symposium 5】『ガイドラインからみた事療法の課題と展望』でした.来であれば,このシンポジウムで 治療ガイドランの改訂が発表され,その改訂点について詳しい説明が行われるはずだったのでしょう.そして シンポジウムが終わり,参加者が会場を出てみると,手際よく 医学書販売コーナーには新ガイドラインが並べられており,日で一番早くそれを買うことができる,そういう手はずだったはず. しかし,ガイドラン改訂に強硬に反対する人はいたようで,改訂版発行は延期となりました.(『夏頃まで延期』とも聞きましたが,どうなるかはわかりません) ただそれでも この学会に参加すべく遠路はるばる仙台に来た甲斐はありました. そこで,このシリーズ記事の最後として,新ガイドラインの事療法の部分だけに絞って感想を述べます. もはや従来の路線は維持できない 江部

    第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 【食事療法関係 その6完】
    maple_magician
    maple_magician 2019/05/31
    ほっといたら『学会が』訴えられるからな……そうなる前に梯子を持ち去ることにした、って事か。ってか、今後食品交換表に固執したままの医師と管理栄養士は、『市場』からどういう扱いを受ける事になるのだろうか。
  • 第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 【食事療法関係 その2】

    【FS5-3】フレイル予防を目指した事療法 名古屋大学 葛谷雅文先生 講演の3番目は,高齢者のフレイルを予防する事療法の考え方についてでした. 高齢者が要介護になるのは病気が原因か? 年寄りが転倒して骨折→入院,これがきっかけで寝たきりになり要介護…というのはたしかによく聞く話なので,高齢者の介護が必要になるのは病気・事故がきっかけというイメージが強い.しかし,実態を調査してみると,確かに60歳以下の若い人については,病気,特に脳卒中で障がい後遺症が残ったりして要介護になる原因の1位である. ところが高齢者では,必ずしも病気だけでなく,これといった病名はつけられないのだが衰弱状態(フレイル)となり,自力では日常生活もできなくなったというのもまた多い. フレイルは『病気』ではないが 脳卒中や骨折,肺炎といった病気は,治療しなければ悪化する. 自然治癒はもちろんありえるが,それは若い人の話

    第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 【食事療法関係 その2】
  • 糖尿病学会の食事療法は方針転換するか

    江部先生のブログでもとりあげていただきましたが ,次回の学会 では,日糖尿病学会の診療ガイドラインが改訂され,事療法の方針が変わるのではないかと予想(期待)しています. ガイドラインの改訂は全国の医師に影響します 糖尿病に限らず,学会が制定した各種の疾病診療ガイドラインが,いかに現場の医師を束縛しているのか,というテーマは別の記事でとりあげるつもりですが,学会が定めたガイドラインは,法定文書ではないにもかかわらず,全国の病院・開業医の診断に影響します.このガイドラインに従わないわけにはいかないのです. 学会の内容は現時点で未発表ですが 既にプログラム だけは公開されています.特に注目されるのは,毎回 学会で行われる 教育講演(=専門医更新 指定講演)です.糖尿病専門医を名乗り続けるためには,このような教育講演を受講して所用単位を取得することが義務付けられているからです. もしも事療法

    糖尿病学会の食事療法は方針転換するか
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