藤野可織さんの『おはなしして子ちゃん』を読んだ。 2013年の本。ずっと図書館の書架にあって、かわったタイトルだから覚えていた。でも実は、手に取ってみたことは無かった。 なんていうか、読まず嫌いをしていたのだ。 藤野可織、という著者の名前が可憐で、タイトルも表紙も可愛らしくてちょっとオシャンティーで、女子力全開ロマンティック、ラブがフルスロットルな感じですね!はいはいすいません喪オタは50歩敗退させて頂きますよ…と読む前から負けていた。 でも先日穂村弘さんのエッセイを読んでいたら『おはなしして子ちゃん』に収録されている『ピエタとトランジ』は完璧な百合、みたいな話があり興味を惹かれてようやく手に取ってみた。 なんていうか、完璧に面白かった…!良い意味で敗退した。 なぜもっと早く、この本を読んでおかなかったのだ! 『おはなしして子ちゃん』は10編の物語が収録された短編集なのだが、どれも奇妙で面