『半沢直樹』の近藤役で大ブレイクを果たした滝藤賢一(37)。映画の世界を夢見ていた滝藤は、22歳で仲代達矢主宰の「無名塾」に入るが、待っていたのは想像とは違う日々だった――。 「無名塾は役所広司さんがいらしたところという認識だったので、これで映画の世界で生きていけるんだって思ったら舞台ばかりで。だって、役所さんっていえば映画のイメージじゃないですか。舞台は観たことがなかったし、とても焦りました」(滝藤・以下同) しかも、無名塾は稽古の厳しさでつとに有名。何度もやめようと思ったという。 「毎日、吐きそうでしたから。でも親に仕送りしてもらってたし、せっかく入った以上はという気持ちがあって。『やりたくて続けている』というよりは『逃げちゃいけない』という気持ちが強かったですね。同年代の人たちが日々遊び倒している20代にひたすら“修行”。それを10年ですよ(笑)」 そのころ、耐えに耐えてきた