手根管症候群を発症する部分、手根管とは 手の平のつけ根部分を医学的には「手根部」と言います。目で見ても、母指(親指)側の舟状骨、大菱形骨と小指側の豆状骨、有鈎骨が高くなっているのがわかると思います。これらの骨の間は、屈筋支帯(もしくは横手根靭帯)と呼ばれる靭帯で覆われています。この骨と靭帯で覆われた狭いスペースを手根管と呼びます。 手根管はスペース的には狭いですが、この中を、正中神経と長母指屈筋腱、浅指屈筋腱(示指、中指、薬指、小指)、深指屈筋腱(示指、中指、薬指、小指)の合計9本の腱が通過しています。いろいろな原因、また時に原因不明の正中神経の圧迫により、麻痺が発生してしまうのが、手根管症候群です。 手根管症候群の症状……指の痛み、しびれ、筋力低下など Aさん「右手の親指、示指、中指の痛みとしびれが生じました。この経験はいままでなかったので近くにある整形外科のクリニックを受診しました。」