腸の「ミニ臓器」移植について説明する岡本隆一・東京医科歯科大教授(中央)ら=7日夜、東京都文京区(伊藤壽一郎撮影) 潰瘍性大腸炎という難病の患者から採取した細胞を使って、大腸のような働きを持つ「ミニ臓器」を作り、患者自身に移植して治療する世界初の手術を臨床研究として実施したと東京医科歯科大のチームが7日、発表した。薬では治療が難しい潰瘍部分を修復できる可能性があり、再生医療による新たな治療法として実用化が期待される。 手術は今月5日、難治性の潰瘍を伴う潰瘍性大腸炎の患者を対象に同大病院で実施した。大腸の健康な粘膜付近から、組織をつくる細胞のもとになる幹細胞を採取して培養。直径0・1~0・2ミリの球状のミニ臓器を大量に作り、潰瘍部分に内視鏡で移植した。 手術は成功し、患者は翌日退院。今後は1年間にわたって経過を観察し、安全性と有効性を確認する。岡本隆一教授は同日の記者会見で「新たな医療のスタ