米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で、米政府が日米合意に基づくキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)移設案(現行案)の履行を求める方針を固めたことを受け、鳩山由紀夫首相が月内とりまとめを目指す政府案は暗礁に乗り上げた。首相はなお米政府の歩み寄りに期待感を示すが、事態打開の見通しは立っていない。(大谷次郎) ◇ 「米側は頑固に現行案がベストだと思っているとは思うが、決してそれだけにはとらわれない幅広い考え方を持ち合わせている」 首相は21日昼、東京・上野公園の東京国立博物館で「長谷川等伯展」を鑑賞後、記者団の質問にこう答えた。「これからわれわれの考え方をまとめ、米国に理解が得られるよう努力する。まだスタートもしていない状況だ」とも述べたが、困惑の色は隠せない。 首相は23日、平野博文官房長官と岡田克也外相、北沢俊美防衛相らと政府案の最終