遠藤 紘一 リコー 取締役副社長執行役員CSO兼全社構造改革担当 タイガー・ウッズが使うゴルフクラブを使えば、誰でもボールを300ヤード以上も飛ばせるかといえば、そうではない。むしろ普通のクラブよりますます飛ばなくなったり、球筋が定まらずに苦労したりする可能性もある。 1990年代後半から“魔法の杖”の経営改革ツールとして登場したERP(統合基幹業務)パッケージとは、そういうものではなかったかと私は考えている。ERPが登場した時、コンサルタントは一斉に「全社最適」を一般企業の経営者に説き始めた。別にERPパッケージ自体が悪い製品だと決めつけるつもりはない。グローバルな会計基準に合ったパッケージをいち早く導入することや、海外における導入・運用サポートを考えた時に、海外のERPパッケージを導入するのは有力な選択肢だったとは思う。 だが問題だったのは「一気に財務、物流、生産、販売管理など隅々まで
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