新連載の本コラム「ビジネスを考える目」は、コンサルタントの鈴木 貴博氏(百年コンサルティング 代表取締役)。鈴木氏が、日常生活 や仕事の場面で気づいたちょっとした「ビジネスのヒント」を毎週紹 介してもらう。携帯電話からユニクロまで、「消費者」と「ビジネス」 のちょうど中間に立った視点で、日本のビジネスをじっと見つめて、 考えるコラム。 日本史の教科書で近代のページを開くと、日本が先進国の仲間に入るための重要なキーワードが「殖産興業」にあったことが分かる。産業を育成することで国富を増大させていったのがこの時代だ。 明治時代の官営工場の発展を見ると、当初は富岡製糸場に代表される軽工業が中心だったものが、やがて八幡製鉄所のような重工業の資本投下へと進んでいく。 当時の日本は、欧米列強と比較すれば新興国である。日本に限らず、今でも新興国はまず軽工業から産業を興そうとする。重工業と比較して少ない投下