寒くて目が覚めた。 僕は手足をぎゅっと縮めて身体を丸くした。 鼻先に何か当たる。むずがゆい。 背中もチクチクする。 誰かが突っついているみたいだ。 まったく。ひとがせっかくいい気分で寝てるって言うのに・・・。 悪戯するのだれ? でも、目を開けないぞ。まだまだ眠いんだから。 このまま瞼を閉じていれば、またすぐに眠れるさ。 でも、背中がなにか変な感じ。気持ち悪い。 背中で何か踏んづけてるのかな? ゆっくりと身体をずらして、変な感じがする辺りに手を伸ばしてみた。 なんだ? これ。 チクリとしたその感触に、身体中に電気が走ったみたいになって僕は飛び起きた。 毛布だと思っていたのは、ギザギザの葉っぱやツンツンした茎なんかが丸まった草むらだった。 それと、さっきから僕の鼻を突っついていたのは、へし折れて倒れてきたススキの穂先だった。 僕はじっと目を凝らして辺りを見渡した。 薄暗くて、何があるのかよく分