ゲーム理論の最も基本となる均衡概念で、ゲームに参加するすべてのプレーヤーが相互に他者の戦略を考慮に入れつつ、自己の利益を最大化するような戦略を実行したときに成立する均衡状態のこと。 多数のプレーヤーが参加する非協力ゲームでは、あるプレーヤーがどのように戦略を変えても、自分以外のプレーヤーが戦略を変えない限り、それ以上には結果がよくならない混合戦略の組み合わせ(均衡点)が少なくとも1つ存在する。この均衡点では各プレーヤーが相互に最適戦略を取り合っている状況となり、すべてのプレーヤーが自分だけ戦略を変えても得にならないため、戦略の変更がない安定状態となる。このような均衡状態を「ナッシュ均衡」と呼ぶ。 ナッシュ均衡はすべてのゲームに1つ以上あるが、1つしかないとは限らず、複数のナッシュ均衡を持つゲームは珍しくない。一般に複雑なゲームは、多くのナッシュ均衡を持ち、そのうちどの均衡点に達するかを予測