やあ、まさりんだよ。 今回も恒例企画「短編小説の集い」に参加します。ぜろすけさん。よろしくお願いします。いつもながらギリギリになってしまってすいません。 novelcluster.hatenablog.jp 「九月一日」 台風一過の涼しい日だった。 郷土史家を目指すことに決めたケンジに付き添って、図書館まで来た。なんでも研究をするうえで重要な史料があるらしく、郷里から車で小一時間は走ったであろうこの地へやって来た。三人は分かれてボクはDVD、シホはキッズコーナーで児童文学を、ケンジは史料を見ていた。はずだった。夢中になって「人形劇三国志」を見ていると、メインカウンターの前を何かを抱えたシホが走り去っていったのが見えた。嫌な予感がしたが、初めは無視した。が、ケンジに呼ばれて、図書館の一番奥にある社会人専用席にやってきた。図書館はまずまずの混み具合で、低い本棚、高い本棚、そして人々を縫うように