終戦から68年を迎えた15日、安倍晋三内閣の閣僚や自民党幹部が、東京・九段の靖国神社を参拝した。これに対し、中国と韓国はさっそく批判を始めている。お盆の恒例行事と化しつつあるが、両国は戦後一貫して反発してきたわけではない。背景には、国内事情や理解不足によって「歴史カード」を使う、ご都合主義が透けてみえる。 中国は事前にけん制していた。李源潮国家副主席は今月3日、訪中した鳩山由紀夫元首相と会談した際、「日本側が過去のことを忘れず、後々の戒めとするよう希望する」と、首相や閣僚らの靖国参拝にクギをさした。 日本で相手にされなくなった「史上最低の宰相」にメッセージを託す効果は疑問だが、11日付のニューヨーク・タイムズには、中国の実業家が安倍首相の参拝に反対する意見広告を掲載した。 中国が靖国参拝を批判するのは、A級戦犯が合祀(ごうし)されているからだが、これはつじつまが合わない。 A級戦犯