東京大学大学院総合文化研究科複雑系生命システム研究センターの菅原特任研究員らのグループが、人工細胞を有機化学的方法によって構築することに世界で初めて成功したそうだ (プレスリリース PDF、日本経済新聞の記事、doi:10.1038/nchem.1127より) 。 2009 年にノーベル賞生理学・医学賞を受賞したショスタックらが 2001 年に提唱した「生命活動」の要件を満たす細胞とのこと。生命活動の要件は「外界から内部を守る細胞膜 (境界) が存在し、その中に遺伝子 (情報) が存在し、さらに内部にある酵素 (触媒) が細胞を維持する代謝や細胞分裂による増殖を行う」というもので、今回作成された細胞はこれらを満たすものになるという。 同グループではすでに「境界」および「触媒」を持つ構造体の作成に成功しており、今回は単純な熱サイクルで DNA を増幅できる PCR (ポリメラーゼ連鎖反応)