ホーム 論文 「心の理論」においてGPT-3は人間の3歳、GPT-4は人間の7歳(基本の概念を理解しているレベル)に相当するとの研究報告 スタンフォード大学の研究者による最新の研究が、大規模言語モデル(LLM)における「心の理論(Theory of Mind, ToM)」の能力について注目を集めています。この研究によれば、GPT-3は人間の3歳児に、そして驚くべきことにGPT-4は人間の7歳児に匹敵する「心の理論」の能力を持っているとされています。 この研究は、LLMが「心の理論」の能力を自然に獲得している可能性を示しています。GPT-4は90%の「偽信念タスク(詳細は後述)」で成功したと報告されています。 「心の理論」は、他者の心の状態、つまり信念や意図、欲望などを理解する能力です。この能力は人間の社会的相互作用やコミュニケーションに不可欠であり、AIがこの能力を持つかどうかは長らくの疑
※写真はイメージです(Getty Images) 最近、よく耳にする「自己実現」という言葉。しかし、心理学者の榎本博明氏は「だれもが知っているつもりになっているかもしれないが、誤解が多いよう」だという。新著『60歳からめきめき元気になる人 「退職不安」を吹き飛ばす秘訣』(朝日新書)から一部抜粋、再編集し、解説する。 【図】退職後の生活をより充実させるには * * * 自己実現の15の要素 私は若い頃に、心理学者・マズローの自己実現理論に基づいて、自己実現傾向を測定する心理尺度を開発し、各種学会で発表したりしてきた。だが、そのような立場からすると、このところ世間で言われている自己実現という言葉は、本来の意味とはまったく違ったニュアンスで用いられているように思われてならない。 自己実現している人の例として、メディアで取り上げられる著名人をイメージする人が多いようである。しかし、仕事で活躍し
誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy「精神科医Tomyきょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる! ● 「目的」と「手段」が逆? 気がつくと、「目的」と「手段」が逆になってしまうことはありませんか? 何か目的があって、その目的を達成するために手段を選ぶのが普通なのですが、気がつくと、これが逆になっていることがあるわけです。 目的と手段を履き違えてしまうのは、本末転倒ともいえます。目的と手段が逆転して、手段を得ることが
いつの時代も部下への接し方に悩む上司は多いもの。とりわけ「Z世代」を部下に持つ上司はいろいろ試行錯誤しながら指導してみるものの、手応えがなかなか感じられないのだとか。 YouTube「大愚和尚の一問一答」が人気の禅僧で、新刊『自分という壁』も好評な大愚元勝さんが考える「真に尊敬される上司」の条件とは……。 上司がZ世代の部下への接し方に悩むワケ 私はYouTube上で『大愚和尚の一問一答』というお悩み相談番組を配信しているのですが、そこには、 「年下の部下との接し方が分かりません」という相談が多く寄せられます。 なかでも、特に「Z世代」の部下との接し方について悩んでおられる上司が多いようです。 上司が「何を考えているかがわからない」と嘆くZ世代には、一体どのような特徴があるのでしょうか。 Z世代とは、明確な定義はありませんが、1990年代後半から2010年代序盤に生まれた世代を指すことが多
職場の「いじめ」「嫌がらせ」相談は年8万件 「人」という字は、親しき人同士が寄り添っている姿をかたどった象形文字です。 「人間」という言葉は、人が人の間でしか生きられない存在であることを端的にあらわしています。 これらの文字や言葉が示す通り、私たち人間は一人では生きられません。家庭でも職場でも、皆が互いに思いやり、支え合って生きていくことが理想です。 けれども現実は、なかなか理想通りにはいきません。 2020年6月1日、改正労働施策総合推進法が施行されました。通称パワハラ防止法と呼ばれるこの法律は、職場におけるパワーハラスメントの防止措置を義務付けたものです。 その背景には、厚生労働省に寄せられる、いじめや嫌がらせの相談件数が年々増加の一途をたどっていたことがあるようです。 厚生労働省の総合労働相談コーナーに寄せられる件数は年間130万件。そのうち「いじめ」や「嫌がらせ」の相談件数は、8万
精神科クリニックに併設のカウンセリングルームで10年以上、心理カウンセラーとして勤務した後、独立。現在は人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動。メールでのカウンセリング、対面カウンセリングともにいつも予約がいっぱいで、現在も数か月待ちの超人気カウンセラー。著書に『あなたはもう、自分のために生きていい』(ダイヤモンド社)などがある。 X(旧Twitter) @Poche77085714 あなたはもう、自分のために生きていい Twitterで人気の人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーが、生きづらさを抱え、すべての原因は自分にあると思い込んで生きてきた人たちに、傷ついた心をラクにする考え方を伝えます。 バックナンバー一覧 Twitterで大人気のPoche(ポッシュ)さんは、人間関係、親子問題、アダルトチルドレン(AC)専門のカウン
「孤立したくない」 そう思って周りに合わせていることは本当に「順調」なのでしょうか? 『嫌われる勇気』をはじめアドラー心理学についての著作で知られる岸見一郎さんが、17歳のときに出会い大きな影響を受けた、『愛するということ』などで知られるエーリッヒ・フロムの思想を通して、「孤独でいること」について語ります。 *本記事は、岸見さんがエーリッヒ・フロムの思想をわかりやすく伝える『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』の刊行を記念した、岸見さんによる特別補講の一部を抜粋・編集したものです。聞き手は本書の担当編集者クロサワです。 「自立」して生きなさい 岸見 私が書いた『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』では、エーリッヒ・フロムはどんなことを考えていたのかを明らかにしました。 フロムは、いくつかはっきりしたことを言っています。ひとつは、「自立」し
福井県坂井市にある観光名所・東尋坊の岩場を毎日のように自殺企図者がいないかパトロールしていますが、人工知能と言われているAIに人生が狂わされてしまったという、これまでにはない恐ろしい事案が二件ありました。 今年6月19日の午後6時ごろのことです。某芸術学科の大学1年生で10代後半の女性が東尋坊の岩場最先端に座り込み考え事をしていたのです。そこは場所が場所だけに不審に思い声を掛けたところ、急に泣き出したため抱きかかえて相談所まで来てもらいました。 そして話を聴いたところ、こう打ち明けてくれました。「高校時代にイラストの絵を描いて全国表彰を受けたことがあり、高校時代の先生に推奨されて芸術大学に入学しました。しかし大学生活を送って3カ月、授業にAIが導入されており、そのすごさと恐ろしさを体験しました」。 それは、描こうと思ったテーマを入力するだけで簡単に素晴らしい絵が描かれてしまうのと、授業の研
お笑いコンビ、サンドウィッチマンが15日、ニッポン放送「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土曜後1・0)に出演。12日に急死したタレント、ryuchell(りゅうちぇる、本名・比嘉龍二)さんについて語った。 伊達みきお(48)は、ネット上での誹謗中傷が原因ではないかという見方に触れ、「僕の意見なんだけど、表に出る人間はSNSとかやめた方がいいよ。気になるんだったら」と持論を展開。サンドウィッチマンはコメント欄が整理されるブログしかしておらず、「俺らやってないじゃん。もし気になるような方はそういう発信とかSNSは控えた方がいいんじゃないのかな」と伝えた。 富澤たけし(49)が「(SNSは)いろんな告知だったり便利だけど」と言うと、伊達は「やらなくてもニコニコしてられるけどね。僕は本当気にしないので。わざわざ探しにいったりしないので。自分に対してのコメントとか。何の苦でもないし。もしかし
(本記事は、クレイグ・アダムス氏(著)、池田真弥子(翻訳)の『賢い人の秘密 天才アリストテレスが史上最も偉大な王に教えた「6つの知恵」』=文響社、2022年12月8日刊=の中から一部を抜粋・編集しています) 「後部座席」の思考 人の心が事例から法則へ、いとも 容易(たやす) く飛躍する様子から、事例とは説得力ある論証の一形態だということがわかる。 しかし、わたしたちは、すべての事例を満遍なく考慮することが苦手だ。めったなことでは反証を探したりしないし、全事例の何パーセントくらいを検証して結論に至ったか考えることもない。 アリストテレスは当時から、帰納的飛躍が起こりやすいこと、それがいかにも本当らしく見えることに気づき、頭を悩ませていた。『トピカ』では次のように書いている。演繹に比べると、帰納は「より説得力がある」し、「感覚的に理解しやすく」「広く大勢の人に当てはまる」。 なお、アリストテレ
気鋭の心理学者ジェイ・ヴァン・バヴェルと、哲学者・柳澤田実。「社会的アイデンティティ」という概念から読み解く、「豊かな社会」への道筋とは。 イノベーション創出や社会変革、はたまた陰謀論や排外主義まで、現代社会で論点となる多くの事象を読み解くカギとなる概念のひとつが「社会的アイデンティティ(集団への帰属意識)」だ。家族や企業、国家といった集団に対する帰属意識が、自意識や、周囲の認識や理解の仕方、意思決定の仕方にいかなる影響を及ぼすのか。「社会的アイデンティティ」の正体と影響について、社会心理学や神経科学を横断しながら研究しているのが、心理学者のジェイ・ヴァン・バヴェル(ニューヨーク大学教授)だ。 本特集では、共著『私たちは同調する』を上梓したヴァン・バヴェルに、インタビューを敢行。インタビュアーを務めたのは、哲学者、関西学院大学准教授の柳澤田実だ。「社会的アイデンティティ」という概念は、「い
OpenAIのGPT-4やMetaのLLaMAなどの大規模言語モデルは、ChatGPTなどのチャットAIに用いられるなど、世界的に大きな評価を受けています。しかし、これらの大規模言語モデルには、学習時に使用されたデータやアルゴリズムを特定するためのソリューションが存在しないことが問題視されています。モデルのトレーニングを行う際に、誤った情報をトレーニングしてしまうと、フェイクニュースの拡散などにつながります。AIに関するセキュリティ関連企業のMithril Securityが、既存の大規模言語モデルに誤った情報を加え、フェイクニュースを生成するチャットAI「PoisonGPT」を公開しました。 PoisonGPT: How we hid a lobotomized LLM on Hugging Face to spread fake news https://blog.mithrilsec
資本主義社会が拡大すれば、感覚が鈍化すると考えたマルクス 「君が食べたり飲んだりを少なくすればするほど、そして、本を買ったり劇場や舞踏会や居酒屋に行くのを控えれば控えるほど、また考え、愛し、理論化し、歌い、描き、詩作するのを抑えれば抑えるほど、それだけ君の節約度は高まり、虫にも埃にも侵されない君の宝が、君の資本が、大きくなる。」 これは、カール・マルクスによる『経済学・哲学草稿』(1844年)からの一節である。マルクスといえば言わずと知れた『資本論』等の共著者で、資本主義システムの構造の解明に努めた。そのマルクスにとって、人々(特に労働者)の身体、感覚や感性のあり方は、資本主義社会を分析するにあたり重要な要素の一つであった。マルクスによれば、19世紀半ば以降、資本主義社会が拡大していく中で、人々は資本を増やすために、感性を満たす、または磨くこと—例えば外食や読書、観劇など—をしなくなる。マ
エイブラハム・マズローの欲求五段階説については、すでにご存知の方が多いと思います。あらためて確認しておけば、マズローは人間の欲求を次の五段階に分けて構造化しました。 第一段階:生理の欲求 (Physiological needs) 第二段階安全の欲求 (Safety needs) 第三段階:社会欲求と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging) 第四段階:承認(尊重)の欲求 (Esteem) 第五段階:自己実現の欲求 (Self-actualization) マズローの欲求五段階説は、皮膚感覚にとても馴染むこともあって、爆発的と言っていいほどに浸透したのですが、実証実験ではこの仮説を説明できるような結果が出ず、未だにアカデミックな心理学の世界では扱いの難しい概念のようです。マズロー自身は、これらの欲求が段階的なものであり、より低次の欲求が満たされることで
今日紹介する論文は、deep learningに物理法則を組み入れることの重要性を様々な例で論じた総説で、Nature Machine Intelligence にオンライン掲載された。 この分野は全くの素人なので、今日は論文の解説というより、この総説を自分の理解の範囲で読んでいくうちに感じた感想を書くことにしたので、お許しいただきたい。 まず簡単にこの総説を紹介すると、deep learningでは原理的に物理法則とは無関係だが、実際には様々な形で物理法則を取り入れる方法があり、それにより新しいAIが現実に生まれているという話だ。 特に自動操縦や、動きのシミュレーションなどは、物理法則をdeep learningと合体させて成功を収めており、おそらくGPSが妨害されてもミサイルが命中するのもこの例だと思う。 この総説ではこういった例から、deep learningが物理法則を取り入れる状
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