欧州合同原子核研究機関(CERN)は12日、大型加速器LHCを従来の2倍近くのエネルギーで3月中にも再稼働する、と発表した。宇宙の至るところにあるとされながら観測されていない暗黒物質(ダークマター)を見つけることが目標だ。 LHCはスイスのジュネーブ郊外にある加速器、2013年のノーベル物理学賞の対象になったヒッグス粒子を発見している。これまで8兆電子ボルトで陽子同士をぶつけて新粒子探しをしてきたが、2013年2月に停止して2年かけて改良してきた。13兆電子ボルトで再稼働するという。 実験に参加する高エネルギー加速器研究機構(KEK)の徳宿克夫教授(素粒子物理学実験)は「エネルギーが上がったことで、暗黒物質の仲間の粒子を見つけられるかもしれない」と期待している。(木村俊介)