東京都の石原慎太郎知事は5日午前、自宅前で報道陣の取材に応じ、国の尖閣諸島購入について「地権者からじかに話を聞きたい」と述べる一方、都に集まった14億円超の寄付金を購入資金として国に渡す意向を示した。 石原知事によると、長島昭久首相補佐官が4日に自宅を訪れて国有化の意向を伝え、理解を求めた。知事は「国の購入は一向に構わない」としつつ、避難港や無線の中継基地の整備を改めて求めたが、了解は得られなかったという。価格への言及はなかったが「(20億5000万円は)私が地権者と交渉していた額よりも随分高くなっている」と報道陣に語った。 また、5日朝に地権者と親交のある山東昭子参院議員から「地権者は『まだ政府と合意してはいない』と話している」との電話があったことを明らかにした。【佐々木洋】