「沙羅もすごくいいジャンプをしていましたし」 そんな小林は同い年で傷心の高梨を励まそうとハグするなど、優しさを見せた。 「2本目、沙羅もすごくいいジャンプをしていましたし。本当に強いなと思いました」 このように語る小林にも、不調の時期があった。 新型コロナウイルス禍によって2019-20シーズンは終盤で打ち切られ、W杯で3勝を挙げたものの総合連覇に届かず。さらに翌20-21シーズンは調整不足のまま冬のシーズンを迎えると、20年11月の個人第2戦で38位に終わり、3シーズンぶりに本戦2回目に進めないほどの不調だった。 本人いわく「絶望」の時を過ごしたというが……そこから巻き返し、日本人男子最多となるW杯通算18勝を挙げるなど、総合4位に。そして北京五輪イヤーとなる21-22シーズンはスキージャンプ週間で3シーズンぶりの総合優勝、W杯でも勝利を積み重ねていった。苦しい時期を乗り越え、世界No.