内需の回復が冴えない 2017年7-9月期のGDP統計の内容はあまり良くなかった。実質GDP成長率は、季節調整済みの前期比年率換算で+1.4%にとどまった。各メディアは、実質GDP成長率が7四半期連続でプラスであった点を強調していたが、GDP統計をみる限り、日本経済の回復は一進一退である。 実質GDP成長率がプラスに転じた2016年1-3月期以降の平均的成長率は年率で1.7%弱であった。これは、このところ回復ペースを早めてきた米国やユーロ圏の主要国と比較してもいかにもこころもとない数字である(ちなみに名目成長率で計算しても同期間の平均成長率は1.6%程度である)。 また、GDP統計の内訳をみると、純輸出(輸出マイナス輸入)の寄与度が2%となっており、内需はマイナス寄与となっている。内需では、設備投資は増加したものの、その他の項目は前期比で軒並み減少した。確かに公共投資要因の剥落など致し方な