手の指の腱(けん)鞘(しょう)炎は、悪化すると指がひっかかるような「ばね指」と呼ばれる現象が起こる。腱鞘の一部を切開する手術で治療するが、医療機器メーカーの奈良精工(奈良県桜井市)は手のひらの切開部分が従来の10分の1ほどの小さな穴で済む機器を開発した。 指の使いすぎで腱が肥大化し、腱鞘とひっかかることで起こるばね指は、仕事や家事だけでなく、ゴルフやテニスなど手を酷使するスポーツに取り組む人に起こりやすい。一般的な手術は、手のひらを2センチほど切開して内部を肉眼で確認しながら行う。 同社が新開発した「ダブルガイド式腱鞘切開器」は整形外科に普及しつつある超音波診断装置を活用して内部を観察しながら使用する。2ミリほどの穴を開けて腱鞘の下側に細い金具をすべり込ませ、炎症を起こした腱鞘を持ち上げて留め具で固定。留め具に腱鞘を切開する針を差し込んで固定する溝が設けてあり、正確に手術できるという。 同