買収手続き中だった東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)の海外競争法規制当局の承認手続きが完了し、19日に子会社化したキヤノン。同日の会見でキヤノンの御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO)は「子会社化で巨大な橋頭堡(ほ)を築ける。今後の成長に大きく前進できる」と語った。 キヤノンは2016年から始めた新5カ年計画「グローバル優良企業グループ構想」フェーズVで、重要戦略とする「新規事業の強化拡大と将来事業の創出」に向け、ヘルスケア事業を次世代の柱の一つに位置づけている。御手洗会長は「(既存事業の)成長力が鈍ってきた。成長力のある事業に転換していきたい」という。 買収額は約6655億円。キヤノンの医療機器事業の売上高は1000億円未満と国内では中堅規模だったが、買収により一躍上位メーカーに肩を並べることになる。 キヤノンは眼底カメラや網膜疾患の診断に使う光干渉断層計(OCT)といった眼