文庫本だが、ずっしりサイズ。中身も濃くてちょっとびっくり。ああ、最近こういう密度の濃い本に当たってなかったなーとか思いつつ読んだ。 タイトルから推測されるとおり、メインは「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」共通の起源となるイスラエルの民の神、"ヤハウェ"に対する信仰の発生と発展なのだが、始まりはそこではない。まず「そもそも一神教ってなによ」という話から始まる。 世の中、一神教と多神教、と単純に二つに分けられがちだが、じつは一神教にもいろんなパターンがあるという。以下の5パターンだ。(5パターンめは哲学的概念なので厳密には一神教ではないと思うが) (1)拝一神教 他の神の存在は認めつつ、「でもウチの神様はこれだから。」と選択して崇める一神教。 実は旧約聖書の中で大部分を占めるのはこのタイプの一神教。 (2)単一神教 他の神々は認めながら、場面ごとに一神のみを選択して崇める一神教。「交替神