ブックマーク / photosyn.jp (6)

  • 光呼吸 - 光合成事典

    光呼吸[photorespiration]† 光呼吸とは、CO2の固定酵素Rubisco(ルビスコ)のオキシゲナーゼ活性で生成するホスホグリコール酸の代謝経路(グリコール酸回路)を言う。Rubiscoはカルボキシラーゼ活性とオキシゲナーゼ活性の両方を持ち、CO2のみならずO2も基質にする。O2分子はCO2分子とRubiscoの同一触媒部位に拮抗的に反応するため、両活性の比率はストロマ内でのCO2分圧とO2の分圧の比で決まる。現在の大気分圧下条件での両活性の比は約3:1から4:1である。Rubiscoは1分子のO2と1分子のRuBPから1分子のホスホグリセリン酸と1分子のホスホグリコール酸を生産する(図①)。ホスホグリセリン酸はそのまま還元的ペントースリン酸経路(カルビン回路)へ流れる。ホスホグリコール酸は直ちにグリコール酸となり、ペルオキシソームに移行しアミノ基転移を受けてグリシンとなる。

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    matsui899 2020/01/04
  • グリコール酸回路 - 光合成事典

    グリコール酸回路[glycolate cycle]† Rubisco(ルビスコ)のオキシゲナーゼ作用で生成したホスホグリコール酸が脱リン酸されて生ずるグリコール酸が代謝される回路. Tolbert (1963)により提唱された光呼吸の代謝回路である.葉緑体からペルオキシソームヘ移行したグリコール酸は,酸化されてグリオキシル酸となり,グリオキシル酸はアミノ基転移を受けてグリシンとなる.ミトコンドリアに移ったグリシンはグリシン脱炭酸複合体により分解し, CO2,アンモニア,C1化合物となる.C1化合物は別のグリシンと反応してセリンになる.セリンはペルオキシソームに移行し,アミノ基をグリオキシル酸に転移してヒドロキシピルビン酸に,さらに脱水素反応によりグリセリン酸となる.グリセリン酸は葉緑体に移行してリン酸化され,還元的ペントースリン酸回路(カルビン回路)に入る.ミトコンドリアで発生したCO2と

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    matsui899 2020/01/04
  • リンゴ酸-アスパラギン酸シャトル - 光合成事典

    リンゴ酸-アスパラギン酸シャトル[malate-aspartate shuttle]† 色素体のストロマあるいはミトコンドリアのマトリックスとサイトソルとの間で代謝中間体を交換輸送することにより,間接的に還元力を輸送するシャトル系の一つ.具体的には,色素体あるいはミトコンドリア内の還元力を用いてリンゴ酸デヒドロゲナーゼの作用によりオキサロ酢酸がリンゴ酸に変換される.生じたリンゴ酸はジカルボン酸トランスロケーターによりサイトソルのアスパラギン酸と交換輸送される.サイトソルに排出されたリンゴ酸はサイトソルのNAD-リンゴ酸デヒドロゲナーゼによりオキサロ酢酸に変換されるが,その際にNADHが生じる.次いでオキサロ酢酸はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによるアミノ基転移を受けてアスパラギン酸に変換された後,ジカルボン酸トランスロケーターによるリンゴ酸との交換により色素体あるいはミトコンドリア

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    matsui899 2018/10/11
  • 窒素転流 - 光合成事典

    窒素転流[nitrogen remobilization]† 植物は個体としての移動ができないため,体内成分を有効に再利用する機能がある.特に窒素は最も不足しやすい栄養素であることから,個体全体として有効利用をしている.植物の器官には生育段階の差があり,下位葉から順次枯れていく.その際に,老化器官では,それまでに機能していたタンパク質や核酸などの含窒素生体高分子が分解され,篩管を介して若い成長中の器官に輸送されて再利用されるが,この器官間を介した窒素の輸送を,特に窒素転流と呼ぶ.イネでの研究が最も進んでおり,穂を構成している全窒素の約80%はこの転流に由来している.約50%は葉身からの転流窒素であることから,葉身の多量タンパク質であるRubiscoは, CO2の固定以外に重要な窒素源とも考えることができる. 篩管を流れる窒素の主形態はグルタミンとアスパラギンなどのアミノ酸であることが純粋な

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    matsui899 2018/10/11
  • リンゴ酸-オキサロ酢酸シャトル - 光合成事典

    リンゴ酸-オキサロ酢酸シャトル[malate-oxaloacetate shuttle]† 色素体のストロマあるいはミトコンドリアのマトリックスとサイトソルとの間での還元力輸送シャトル.サイトソルとオルガネラ内に局在するリンゴ酸デヒドロゲナーゼのアイソザイムと,それぞれのオルガネラ膜のオキサロ酢酸/リンゴ酸トランスロケーターの働きにより,色素体あるいはミトコンドリアとサイトソルとの間で,リンゴ酸とオキサロ酢酸を交換することにより間接的に還元力を輸送する. リンゴ酸-アスパラギン酸シャトルと類似の代謝中間体シャトルの一つである. 細胞内の還元力は,還元力輸送シャトルを介して細胞内コンパートメント間を移動し,利用あるいは散逸される.葉緑体においては,光化学反応で生じた還元力の一部がサイトソルへ排出され,硝酸レダクターゼなどの酵素反応に利用される.また,ストロマ内の過剰還元力蓄積に伴う酸化傷害を

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    matsui899 2018/10/10
  • 発酵 - 光合成事典

    発酵[fermentation]† 嫌気条件下において,植物は主にピルビン酸を初期基質として用いる3つの経路(アルコール発酵系,乳酸発酵系,アラニン合成系)を働かせる. アルコール発酵では,ピルビン酸デカルボキシラーゼ(PDC)による触媒でピルビン酸をアセトアルデヒドへ変換,その後,アルコール脱水素酵素(ADH)による触媒でアセトアルデヒドがエタノールに変換され,同時にNADHからのNAD+の再生が起こる.酸化的リン酸化の不活化で生じるNADH/NAD+サイクルを維持できるため,アルコール発酵の最も重要な役割としてこのNAD+の再生があげられる.シロイヌナズナではPDC活性を4つの遺伝子がコードしており,PDC1はメインとなる遺伝子であり根で発現することが分かっている.一方,PDC2は葉と根の両方で発現することが分かっている.ADHにおいては,ADH1遺伝子が知られており,シロイヌナズナで

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    matsui899 2018/07/06
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