今日の市場は、黒田東彦日銀総裁の衆議院財務金融委員会での「さらなる円安はありそうにない」との発言を受け、円高株安の黒田逆バズーカショックに見舞われました。 今のところ黒田総裁の発言の真意は分かりませんが、一部では金融緩和による円安政策を米国が嫌っていて、その意を受けた発言という解釈や、最近の物価上昇傾向を踏まえて、出口戦略を意識したものという解釈もなされているようです。 確かに速報性の高い東大日次物価指数でも直近では0.75%の上昇(6月8日時点)とアベノミクス開始以来最高の物価水準を記録しています。 これをみる限り、黒田総裁がそう遠くない将来の出口戦略に向けた布石を打ち始めた、という解釈が有力のようにも思えます。 ただ東大物価指数の内訳も見てみると、また別の解釈があることが分かります。 図表1は東大物価指数プロジェクトで公表されている品目別の物価寄与度から作成したものです。 図表1 東大