北アルプス乗鞍岳の畳平(標高2702メートル)でここ数年、ライチョウの目撃数が急増している。すみかや餌となる高山植物が回復してきたことなどが要因とみられ、関係者は「ライチョウがすみやすい環境が整ってきた」と喜んでいる。 ライチョウは本州中部の高山帯にのみ生息する希少な鳥で、国の特別天然記念物や岐阜県の県鳥に指定されている。毎年6月ごろに平均6個の卵を産み、ひなは1年で産卵できるまで成長する。1980年代には国内で約3千羽いたが、天敵の侵入などで減少し、現在は推定で2千羽弱とされる。 乗鞍岳周辺の自然環境を監視している、飛騨県事務所環境課の乗鞍環境パトロール員のまとめによると、乗鞍岳でのライチョウの目撃数は、少なくとも2014年から17年まで毎年増加している。今年は昨年より4日早い6月25日にふ化が始まり、7月10日までに、過去4年間の同期の平均の11羽を大きく上回る23羽のひなが目撃されて