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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (54)

  • ゲーム好きにはたまらんゲームSF傑作選──『スタートボタンを押してください』 - 基本読書

    スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫) 作者: ケン・リュウ,桜坂洋,アンディ・ウィアー,アーネスト・クライン,ヒュー・ハウイー,コリイ・ドクトロウ,チャールズ・ユウ,ダニエル・H・ウィルソン,チャーリー・ジェーン・アンダース,ホリー・ブラック,ショーナン・マグワイア,デヴィッド・バー・カートリー,ミッキー・ニールソン,ジョン・ジョゼフ・アダムズ,緒賀岳志,米光一成,中原尚哉,古沢嘉通出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/03/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る小説を読むのも好きだがゲームをやるのも大好きだ。受動的に一の道を読み進めていくのと、自分自身の手で操作し、分岐なしの一道であっても自分が思うままに進めていくのとではその体験は大きく違ったものになる(別にゲームは物語があるものだけではないが)。というわけで『スター

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  • もし太陽フレアによって、全世界が長期の停電に陥ったら──『赤いオーロラの街で』 - 基本読書

    赤いオーロラの街で (ハヤカワ文庫JA) 作者: 伊藤瑞彦,富安健一郎出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/12/19メディア: 文庫この商品を含むブログを見る書は、第五回SFコンテストで受賞はのがしたものの最終選考に残った長篇作品である。受賞した『コルヌトピア』、『構造素子』共に、違った方向へと目を向けた素晴らしい作品だっただけに、受賞は逃したとは言え刊行された書にも期待しながら読み始めたのだけど、これがおそろしく地味な作品ながらもめっぽうおもしろいanond.hatelabo.jp ちなみにはてなの人には上の記事を書いた人のといったほうが伝わりやすいかもしれない(僕は物なのかどうかはしらないが、小川一水さんも下記のようにツイッタで反応していたし物なのではないだろうか。MIZさん、なんで増田で書いてんですかw— 小川一水 (@ogawaissui) 2017年12

    もし太陽フレアによって、全世界が長期の停電に陥ったら──『赤いオーロラの街で』 - 基本読書
    maturi
    maturi 2018/01/06
    太陽がもしも ○ったら
  • 史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - 基本読書

    最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜 作者: マイケル・ウィットワー,加藤諒,柳田真坂樹,桂令夫出版社/メーカー: ボーンデジタル発売日: 2016/06/30メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る君は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons&Dragons:D&D)を知っているか。 D&Dは紙と鉛筆とサイコロ、世界観や数値が記載されたルールブック、それに自身の想像力/対話を駆使して複数人で行うテーブルトークアールピージー(以下TRPG)である。1974年に発売された作は世界中で流行し、プレイヤーが冒険者になりきってファンタジー世界を探索する世界初のロールプレイングゲームと呼ばれる。数えきれないほど多くのクリエイターが作から受けた影響を表明しており、TRPGをやったことがなくともD&Dの名は知っている人も多いだろう。 ゲイリー・ガイギャ

    史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - 基本読書
    maturi
    maturi 2017/11/01
  • なぜ、地球に巨大人型ロボットが埋められていたのか?──『巨神計画』 - 基本読書

    巨神計画〈上〉 (創元SF文庫) 作者: シルヴァン・ヌーヴェル,加藤直之,渡邊利道,佐田千織出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/05/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る巨神計画〈下〉 (創元SF文庫) 作者: シルヴァン・ヌーヴェル,加藤直之,渡邊利道,佐田千織出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/05/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るある時、アメリカで全長約6.9メートルの巨大な手と、謎の記号が記されたパネルが発見される。16枚からなるパネルは、縱橫の長さは3メートル×9.8メートル。それらは、放射線炭素年代測定によると3000年前に作られた物だと考えられる。 そのうえ"手"はイリジウムという特別密度が高く、地球ではほとんど手に入らない(年間の採掘量はわずか4トンしかないレアメタル)珍しい金属で構成されている。

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  • 経済はごまかしに満ちている──『不道徳な見えざる手』 - 基本読書

    不道徳な見えざる手 作者: ジョージ・A.アカロフ,ロバート・J.シラー,George A. Akerlof,Robert J. Shiller,山形浩生出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2017/05/12メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る書はあまりまとまっては指摘されることのない、"市場で行われる釣り/詐術"の手口についての一冊である。わかりやすい例から紹介すると、"ジムに来場一回ごとに金を支払う"か"月次の自動更新払い"か"年額払い"かといった選択肢がある時に、ほとんどの顧客は月次契約を選ぶが、八割の人は一回ごとの方が安上がりとなる。 つまり、ほとんどのジム会員は"月次で支払っても元がとれるぐらい来る"という思い込みに釣られて無駄な金を支払っているのである(心当たりがある人も多いのではなかろうか)。ジムだけでなく、似たような事例は世の中に溢れている。

    経済はごまかしに満ちている──『不道徳な見えざる手』 - 基本読書
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    maturi 2017/05/20
  • トマ・ピケティ絶賛の"長篇小説"──『貧困の発明 経済学者の哀れな生活』 - 基本読書

    貧困の発明 経済学者の哀れな生活タンクレード ヴォワチュリエ,Tancrede Voituriez 早川書房 2017-02-23 AmazonKindle ピケティ絶賛と煽り文句のついている「貧困の発明」っておもしろそうな経済ノンフィクションだな〜〜と思ってよくみたら"長篇小説"であった。とはいえピケティが帯でファンタジィを絶賛することもないだろうから──と読んでみたら、書は確かに経済に関連する小説作品ではあり、これがなかなかおもしろかった。 端的に紹介すれば、国連のプロジェクトにも関わる現役の経済学者が、貧困撲滅事業や国家的経済プロジェクトがいかにぐだぐだで、嘘と欲望にまみれ適当に運営されているのかを暴き出すブラック・ユーモアに満ちた風刺小説である。あくまでも"フィクション"であるとはいえ、著者の経歴を考えれば見聞きしてきたことが大いに反映されているのは間違いない。いわゆる普通の

    トマ・ピケティ絶賛の"長篇小説"──『貧困の発明 経済学者の哀れな生活』 - 基本読書
  • 人間が他の動物に与えてきた危害の歴史──『動物・人間・暴虐史: “飼い貶し”の大罪、世界紛争と資本主義』 - 基本読書

    動物・人間・暴虐史: “飼い貶し”の大罪、世界紛争と資主義 作者: デビッド・A.ナイバート,David A. Nibert,井上太一出版社/メーカー: 新評論発売日: 2016/07/29メディア: 単行この商品を含むブログを見る疑問点もいくつか湧くが、指摘/主張としては興味深い一冊だ。 『動物・人間・暴虐史』という書名から、最初『暴力の人類史』的なを想像していたが、その方向性を"動物と人類"の関係に絞った内容といえる。たとえば人類が牛、羊、豚、馬、山羊といった動物に対して、時代ごとにどんな暴力をふるってきたのかを語る"加害者"としての歴史と、動物たちを飼い貶すことによって人類が自身らに対していかに暴力を生み出してきたのかあたりが主な論点となる。 牛、羊、ぶた、馬、山羊、およびその他の社会性の大型動物を、人間が利用するために捕獲、抑圧する行ないは、シェーラーのいうごとく「人間が発展

    人間が他の動物に与えてきた危害の歴史──『動物・人間・暴虐史: “飼い貶し”の大罪、世界紛争と資本主義』 - 基本読書
    maturi
    maturi 2016/12/17
  • 見せかけの繁栄に潜む空前絶後の社会矛盾──『「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄』 - 基本読書

    「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄 (文春新書) 作者: 顔伯鈞,安田峰俊出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/06/20メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る書は著者である顔伯鈞さんの当局から逃げ続ける逃亡記を元に、編訳者である安田峰俊さんが日の読者用に編集しなおした特殊な形式の新書である。 著者は元々中国体制内のエリートであり、北京工商大学の副教授だ。しかしある時「公盟」と呼称される、体制民主化などの実現を目指す社会改革団体に参加し、活動を続けるうちに国家から追われる身となってしまう。そこまで危険な組織活動を行っていたのかといえば少なくともはたから観ている限りはそんなことはない。公盟の主な活動は全国各地で参加者を集め、社会問題を話し合う事会を開き、体制における自由化を目指すデモを行う法律に則った比較的に穏健な組織である。 ところが、中国

    見せかけの繁栄に潜む空前絶後の社会矛盾──『「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄』 - 基本読書
    maturi
    maturi 2016/08/20
    民主化や自由と経済的繁栄は関係ないことが証明されたので、日本も人権をもっと抑圧すべきでは?()
  • 語り合いたくなる映画──『シン・ゴジラ』 - 基本読書

    ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ 作者: カラー、東宝,庵野秀明出版社/メーカー: グラウンドワークス発売日: 2016/09/20メディア: 大型この商品を含むブログ (15件) を見る『シン・ゴジラ』は実に語りたくなる映画だ。セリフは聞き取れないほど早く展開し、それを別の誰かが全ての人間がわかるように解説したりしないから情報量が多いし、1カット1カットにおもしろさと意味不明な部分が込められていてあれはなんだったんだ? あれはめちゃくちゃおもしろかった! と誰かと分かち合いたくなる。 予想を遥かに超えてきた映画でもあった。予想とはいっても、事前情報が絞られていたので予告篇ぐらいしかその材料はなかったのだが。予告篇を見る限りでは、CGゴジラには微妙に違和感があるし、会議のシーンばかりできちんと映画として成り立つのか不安に思う。それ以前の問題として、「邦画の予算規模」という絶対的な限界があり

    語り合いたくなる映画──『シン・ゴジラ』 - 基本読書
  • 異質なものとの遭遇──『翻訳問答2 創作のヒミツ』 - 基本読書

    翻訳問答2 創作のヒミツ 作者: 鴻巣友季子出版社/メーカー: 左右社発売日: 2016/01/20メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る鴻巣友季子さんと片岡義男さんの、言わば翻訳の達人二人によって行われた『翻訳問答』に続き、今作では小説家としても活躍する人々五人と鴻巣友季子さんの問答アンソロジーである。登場する人物は奥泉光さん、円城塔さん、角田光代さん、水村美苗さん、星野智幸さんとそうそうたるメンバー。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 前作はプロ同士の解釈のせめぎ合い、技法の交わし合いが面白かった。一方、今作では鴻巣さんがどちらかといえば教授するようなになるのではないかとちょっとだけ心配していたのだが、そのような一方的な展開にはならずに、ちゃんと独特の面白さが出ている。作家ならではの解釈というか葛藤が存在しており、翻訳される作家側の思いが

    異質なものとの遭遇──『翻訳問答2 創作のヒミツ』 - 基本読書
  • 生者たちの遊び場──『NOVA+:屍者たちの帝国』 - 基本読書

    書き下ろし日SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国 (河出文庫) 作者: 大森望出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/10/03メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るProject Itohの映画化企画に合わせて雑誌にムックにと活況を見せている伊藤計劃作品であるが、書は『屍者の帝国』世界を元にして8人の作家が短篇を寄せたテーマ・アンソロジーの一冊である。同時期に出た『伊藤計劃トリビュート』がど真ん中ストレートの豪速球だとするならば、こちらは各人がそれぞれの色を出しながらゆるめに、世界観をそれぞれが押し広げるようにして構築された作品集であるように思う。その分気を抜いて楽しめるが、決して作品の出来が劣っているわけではない。 そうなったのも、元々作の元になった伊藤計劃さんの試し書き、原稿用紙にして30枚ほどのわずかな物しかなかった=各人がそれぞれふくらま

    生者たちの遊び場──『NOVA+:屍者たちの帝国』 - 基本読書
    maturi
    maturi 2015/10/09
  • 日本経済はなぜ浮上しないのか アベノミクス第2ステージへの論点 by 片岡剛士 - 基本読書

    アベノミクスも始まってから2年が経とうとしており、その成果もある程度見えてきたところだ。ただ、インフレターゲットを設定しての金融政策、財政政策を行っていくと断言したとはいっても魔法でもなんでもないのだから影響が出てくるのには時間がかかる。特に雇用への影響など何年かがかりで企業が動向をみながら変化していく部分で、まだまだアベノミクスの正誤を判定するような段階にはないが、数字ももろもろ上がってきたし、増税イベントも終わって影響がある程度見えてきた現在、いったん検討を入れる分には良いタイミングだろう。現状日経済は増税が間に挟まってくれやがりましたせいでアベノミクスがどのように機能しているかわかりづらい側面があり、一つ一つ数字をおって丁寧に検討していってくれる片岡剛士さんの仕事には頭が下がるばかりだ。 ざっくりと書の概要を提示すると、第一章でアベノミクスが最初の一年目でどんな成果をあげたのかを

    日本経済はなぜ浮上しないのか アベノミクス第2ステージへの論点 by 片岡剛士 - 基本読書
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    maturi 2014/12/03
    リフレ派と鈴木亘氏の相性
  • 歴史は繰り返す。だが、科学は反響する。『病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘』 by シッダールタ・ムカジー - 基本読書

    男の4人に1人はがんで死ぬ。ずいぶんエンカウント率の高い敵だ。彼を知り己を知れば百戦して殆うからずと孫子はいったが、いずれ自分を殺す可能性が高い敵であるならば、突然目の前にやってきて強制的に対峙させられるその前に、敵のことを知っておくにこしたことはない。そんなようなことを考えながら「がん」についてのを時たま読んでいるけれど、上下巻で4000年以上に及ぶ人類とがん治療における歴史をたどっていく書はその中でも一番の傑作であった。 著者はインド系アメリカ人。コロンビア大学でおそらくは臨床もする助教授として血液及び腫瘍医学研究に携わっている。その為単なるがん研究者、あるいはサイエンス・ライターには書けない生身の人間との関わり合い、実感が書には通底している。目の前で多くのがん患者を亡くしてきたであろうし、打つ手がもうないのだと、助からないことを伝えなければいけないこともある。書を書くことにき

    歴史は繰り返す。だが、科学は反響する。『病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘』 by シッダールタ・ムカジー - 基本読書
    maturi
    maturi 2013/10/16
    ”テミンは改装する。”  回想ね
  • 『ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q』ネタバレ - 基本読書

    感想を特に書くつもりもなかったのだけど⇒間違いない。エヴァだ――『ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q』(ネタバレ) - シロクマの屑籠ここで『『まごころを、君に』をリアルタイムには体験していない若い人達が、この、問題作の呈をなしてきたエヴァンゲリオンをどう受け止めるのか、観たり読んだりしてみたいなとも思った。』と書いてあるので考えてみようかと思った。 といってもリアルタイムに体験していない(見ていない)だけであって世代論的なしっかりとした価値観を自分の中に意識して確立させているわけではないので、書いてみて思ったがご期待に添えるものではなかった。何より燃え上がるような思い入れがまったくない。 まあいいか。感想を書いていこう。そうした何の思い入れもない立場からみると第一印象はしょうもない話だなと思い、また一方で歪に歪みまくっていてそこは綺麗だなと思った。こうしたひどく抽象的な印象を、以下で具体的にし

    『ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q』ネタバレ - 基本読書
    maturi
    maturi 2012/11/21
    "世界には職場が2つしかないように見える"