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ブックマーク / econ101.jp (1,427)

  • タイラー・コーエン 「バーター・クラブと貨幣理論」(2004年2月3日)

    私がまだ小さかった頃の話だが、父親が「バーター・クラブ」――会員同士で物々交換(バーター)をし合う団体――に所属していた。父親は、商工会議所向けに販売している雑誌を作っていたが、その雑誌に広告を載せるのと引き換えに、レストランで無料で事にありついていた。そのネットワークは州全域に張り巡らされていて、クラブの会員の間で通用するクーポン券や約束証書(商品との交換を約束する証書)も発行されていた。(ジャージー牛ならぬ)ジャージー・ボーイだった私は、父親と一緒に仔牛肉のピカタを無料で何度もご馳走になったものだ。 バーター・クラブは、デフレになるとその数が増える傾向にある。1930年代の大恐慌期にもかなり目立った存在だったし、2001~2002年の金融危機後のアルゼンチンでも蔓延(はびこ)った。 バーター・クラブが結成されるのは、なぜなのだろうか? 少なくとも3つの理由が頭に浮かぶ。 節税になるか

    タイラー・コーエン 「バーター・クラブと貨幣理論」(2004年2月3日)
    maturi
    maturi 2023/05/15
    ebayとかのおかげでモノを転売するのが容易になるにつれて、会員同士で物々交換をし合うバーター・クラブが結成されるケースは減っていくだろう。(2004)
  • マーク・ソーマ 「この貝殻も貨幣なんです ~大恐慌下のアメリカで流通した臨時通貨~」(2011年8月27日)

    ニューヨーク連銀のブログ――Liberty Street Economics――より。 “These ‘Clams’ Really Were Money” by New York Fed Research Library: 貨幣は、ありとあらゆる形態をとり得る。例えば、貴金属が貨幣として使われたことがある。他には、ビーズ、貝殻のネックレスなんかも。ヤップ島では巨大な石 [1]訳注;リンク先の記事は、サイトで訳出されている(227thday氏が訳者)。以下がそれ。 … Continue readingが貨幣として使われている。とは言え、どれもこれも遠い昔の話かどこか遠くの国の話と思われがちだ。しかしながら、カリフォルニアでは1933年(!)の段階でもハマグリの貝殻が貨幣として使われていたのだ。 時は、大恐慌真っ只中の1933年。国中が銀行パニックで揺れていた。銀行が倒産する前に預金を引き出

    マーク・ソーマ 「この貝殻も貨幣なんです ~大恐慌下のアメリカで流通した臨時通貨~」(2011年8月27日)
    maturi
    maturi 2023/05/15
    MMT
  • アレックス・タバロック 「失業、不況、物々交換」(2011年3月21日)

    ニック・ロウ(Nick Rowe)によると、「貨幣に対する超過需要」が不況の原因というのがニューケインジアン流/マネタリスト流の不況理論のエッセンスだという――ポール・クルーグマン(Paul Krugman)がちょくちょく持ち出すおかげで有名になったベビーシッター協同組合のエピソードも実は(「貨幣に対する超過需要」が不況を生む原因という)同じ教訓を伝えているお話の一つだ――。ロウ曰く、 失業中の美容師は、爪にマニキュアを塗ってもらいたいと思っている。失業中のネイリストは、マッサージをしてもらいたいと思っている。失業中のマッサージ師は、髪を切ってもらいたいと思っている。三者間での物々交換を難なく成り立たせるような仕組みがあるようなら、全員がその案に乗るだろうし、誰も失業しないで済むだろう[1] … Continue reading。しかしながら、全員が得をする機会が目の前にあるにもかかわらず

    アレックス・タバロック 「失業、不況、物々交換」(2011年3月21日)
    maturi
    maturi 2023/05/15
    MMT「債務ヒエラルキー」
  • タイラー・コーエン 「お金をかけずに贅沢を」(2009年5月6日)/「倹約志向と景気循環」(2015年9月8日)

    画像の出典:https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=23857125 「買う」という行為それ自体を楽しんだり、折にふれて贅沢気分を味わってウットリしたいというのが人の性(さが)なんだろう。 消費者がお金をかけずに楽しもうとしている結果として、お手頃な価格帯の屋外用テーブルセットやバーベキューコンロがよく売れているという。不景気の最中に売り上げを伸ばしている商品の中には、(ウォルマートで店長を務めている)スプレーグ氏もなぜ売れているのか理解に苦しむものもあるという。例えば、5ドルの白い便座がそれだ。「奇妙に思われるかもしれませんが、在庫を確保できないほど売れてるんです」とスプレーグ氏は語る。失業して家に籠(こも)りがちな人たちが自宅のトイレを飾るための一環として買っているのではないかというのがスプレーグ氏なりの推測だ。お金をかけずにトイレを飾

    タイラー・コーエン 「お金をかけずに贅沢を」(2009年5月6日)/「倹約志向と景気循環」(2015年9月8日)
    maturi
    maturi 2023/05/15
    ”景気後退局面で生じた雇用の減少のかなりの部分が「消費者の倹約志向」によって引き起こされている” 何もかも日銀のせいであり、USAの消費者の倹約志向は日銀がマネタリーベースを増やさなかった結果!
  • タイラー・コーエン 「経済危機の渦中にあるギリシャでよく読まれている本と言えば?」(2012年6月15日)/ デビッド・ベックワース 「不況が誘発する予想外の帰結 ~過酷な時期は、創造性が迸(ほとばし)る時期?~」(2009年2月27日)

    経済危機の渦中にあるギリシャの書店で働く店員によると、経済学がテーマのだとか日曜大工のガイドブックだとかの売れ行きが好調だという。スリラー(ホラー)小説や哲学ので現実逃避させてくれる類(たぐい)も同じくらい人気だという。哲学のでいうと、アーサー・ショーペンハウアー(Arthur Schopenhauer)の作品が特に人気だという。ショーペンハウアーと言えば、独自の悲観主義で知られており、人間の経験は合理的でもなければ理解可能でもないという信条の持ち主として有名だ。 全文はこちら。情報を寄せてくれたアッシャー・メイヤー(Asher Meir)に感謝。 ————————————————- タイラー・コーエン(Tyler Cowen)[1]訳注;コーエンの指摘については、サイトで訳出されている以下の記事で概要が読める。 ●タイラー・コーエン … Continue readingとダニエル

    タイラー・コーエン 「経済危機の渦中にあるギリシャでよく読まれている本と言えば?」(2012年6月15日)/ デビッド・ベックワース 「不況が誘発する予想外の帰結 ~過酷な時期は、創造性が迸(ほとばし)る時期?~」(2009年2月27日)
    maturi
    maturi 2023/05/15
    経済危機なので高みの見物していて下品なんだが  ”(どう転ぶか楽しみにしたいところだ。”
  • ポール・クルーグマン 「サミュエルソン ~比類なき経済学者~」(2009年12月15日)

    ●Paul Krugman, “Paul Samuelson: The incomparable economist”(VOX, December 15, 2009) 論説は、ポール・サミュエルソン(Paul Samuelson)の生涯と業績に関する回顧記事である。 ハリネズミがいて、キツネがいて、そして・・・ポール・サミュエルソンがいる。 ご存知だとは思うが、ここで私は、アイザイア・バーリン(Isaiah Berlin)が思想家を類別するために使った、かの有名なたとえ話を持ち出しているのである。キツネは多くのことを知っている(foxes who know many things)。一方で、ハリネズミはたった一つのことしか知らない、ただし、非常に重要なアイデア(=ビッグ・アイデア)を一つ(hedgehogs who know one big thing)・・・というお馴染みのアレである。

    ポール・クルーグマン 「サミュエルソン ~比類なき経済学者~」(2009年12月15日)
    maturi
    maturi 2023/05/14
    ”金融政策に限界はない”(原田泰先生)ので、このサミュエルソンとかいう人はまちがっているし、それを褒め称えるクルーグマンとかいうコラムニストは我々リフレ派の敵、こみんてるんだな
  • タイラー・コーエン 「ハンサムな男性にとってお金は邪魔?」(2007年4月22日)

    男性の顔写真――顔写真に添えられているプロフィールには、その男性がどんな職業に就いているかが記されている――を女子大学生に見せて、長く付き合う相手としてどのくらい魅力を感じるかを評価してもらった。結果はというと、見た目がいい男性ほど、評価が高い傾向にあったし、年収が高い男性(年収が高い職業に就いている男性)ほど、評価が高い傾向にあった。大事なのは、ここからだ。見た目の魅力と年収の間に思いもよらない結びつきが見出されたのだ。見た目がよくて年収が高い男性は、見た目がよくてそこそこの年収の男性よりも、低く評価されたのである。 全文はこちら。文脈は違うが、「あんなに混んでるところには、誰も行かんよ」というヨギ・ベラ(Yogi Berra)の発言が思い出されるところだ。 お金持ちでハンサムな男性たちにとって、魅力の評価で劣っているのが異性と肉体関係を結ぶ上で不利に働くかどうかはわからない。彼らに同情

    タイラー・コーエン 「ハンサムな男性にとってお金は邪魔?」(2007年4月22日)
    maturi
    maturi 2023/05/11
    見た目がよくて年収が高い男性は、見た目がよくてそこそこの年収の男性よりも、低く評価されたのである。
  • アレックス・タバロック 「プレイメイト指標 ~社会経済情勢が変わると、男性が好きな女性のタイプも変わる?~」(2008年10月16日)

    環境安全性仮説(Environmental Security Hypothesis)によると、社会経済情勢――環境――が変わると、男性が好きな女性のタイプも変わるという。不景気だったりで生活が厳しくなると、生産(production)が得意な――稼ぐのが得意な――女性を好(す)くようになるという。言い換えると、年齢が高めで、身長が高めで、体重がそこそこあって、胸やくびれはそこまでなくても体脂肪が少ない女性を好く傾向にあるという。その一方で、景気が良かったりで生活にゆとりがあると、生殖(reproduction)が得意な女性を好くようになるという。言い換えると、年齢が若めで、身長が低めで、体重が軽めで、胸もくびれもある女性を好く傾向にあるという。ところで、ペティジョン(Terry F. Pettijohn)&ユンゲンバーグ(Brian J. Jungeberg)の二人が1960年から2000

    アレックス・タバロック 「プレイメイト指標 ~社会経済情勢が変わると、男性が好きな女性のタイプも変わる?~」(2008年10月16日)
    maturi
    maturi 2023/05/11
    景気が良かったりで生活にゆとりがあると、年齢が若めで、身長が低めで、体重が軽めで、胸もくびれもある女性を好く傾向にあるという。1960年から2000年までの『プレイボーイ』に登場した女性モデルの特徴
  • アレックス・タバロック 「美しいと感じるのはどんな顔?」(2006年5月11日)/ タイラー・コーエン 「『第一印象の科学』 ~信頼できるのはどんな顔?~」(2017年5月25日)

    数年前に知った実験結果によると、「平均顔」の方がそうじゃない顔よりも美しい(美男/美女)と判断される傾向にあるらしい。ジュディス・リッチ・ハリス(Judith Rich Harris)の『No Two Alike』(『同じ人なんていない』)に、そのことをまざまざと知らしめる画像が掲載されている。ネットでちょっと検索したら、まったく同じ画像を見つけた。以下の画像がそれだ。 一番上の1段目の画像は、2人の顔(左側は2人の男性の顔、右側は2人の女性の顔)を合成した平均顔。2段目の画像は、4人の顔を合成した平均顔。3段目の画像は、8人の顔を合成した平均顔。4段目の画像は、16人の顔を合成した平均顔。一番下の5段目の画像は、32人の顔を合成した平均顔。下にいくほど、平均顔を作成するために使われている顔の数が多いわけだ。 わ~お! 誰かに「君って平均的な見た目だね」って言われても、腹を立てることはもう

    アレックス・タバロック 「美しいと感じるのはどんな顔?」(2006年5月11日)/ タイラー・コーエン 「『第一印象の科学』 ~信頼できるのはどんな顔?~」(2017年5月25日)
    maturi
    maturi 2023/05/10
    我々は、同胞っぽさを備えた顔の持ち主を信頼する傾向にあるのだ。
  • タイラー・コーエン 「運勢を変える簡単な方法」(2013年7月12日)/「威厳を身にまとう簡単な方法」(2012年12月4日)

    では、手相占いが運勢(未来)を占う手段の一つとして今でも高い人気を誇っているが、運勢を変えるための意外な方法が見つけ出されてもいる。実にシンプルな方法だ。手のひらに刻まれている線を書き換えるのだ。そうすれば、手相が変わるから、運勢も変わるというわけだ。 やるべきことと言えば、手相術の基礎知識を身につけている腕利きの形成外科医を探し出すことくらいだ。後は、その医者にすべてを委ねればいい。あるいは、自分好みの魔法をかけてもらいたければ、自分で手のひらにペンで線を引いて、電気メスでその線をなぞってもらえばいい。 全文はこちら。ロバート・マリティネス(Robert Martinez)から教えてもらった記事だ。他にも興味深い話がいくつか語られているが、引用するのは控えておこう。 —————————————————– ・・・(略)・・・しかしながら、口ひげは全員に平等に生えてくるわけではない。その

    タイラー・コーエン 「運勢を変える簡単な方法」(2013年7月12日)/「威厳を身にまとう簡単な方法」(2012年12月4日)
    maturi
    maturi 2023/05/10
  • ラルス・クリステンセン 「『ベルリンの壁の崩壊』と『極度の貧困の終わり』」(2014年11月9日)

    ベルリンの壁が崩壊したのは、ちょうど25年前の今日(1989年11月9日)のことだ。ベルリンの壁の崩壊は、共産主義の終わりを告げる象徴的な出来事と見なされている。疑いもなく祝うべき出来事だ。 共産主義および冷戦が終わりを迎えると、人類の歴史で最良の時期の一つが到来することになった。グローバリゼーション――あるいは、グローバル資主義(資主義のグローバル化)――の時代がやって来たのだ。共産主義は、貧困の撲滅を目的に掲げていたが、その目的を叶えることはできず、むしろ数十億の民を抑圧したのだった。 それとは対照的に、グローバリゼーションは、途轍(とてつ)もなく強力な貧困撲滅プログラムの一つであるようだ。いつもキレキレのダグラス・アーウィン(Douglas Irwin)がウォール・ストリート・ジャーナル紙で次のように語っている。 世界銀行が(2014年)10月9日に発表した報告書によると、極度の

    ラルス・クリステンセン 「『ベルリンの壁の崩壊』と『極度の貧困の終わり』」(2014年11月9日)
    maturi
    maturi 2023/05/10
  • タイラー・コーエン 「社会正義のために闘う『正義の味方』のどこがダメ?」(2019年3月22日)

    (人種差別に向き合えない「白人の脆さ」がテーマになっている)以下の論文 [1]訳注;論文の著者は、ロビン・ディアンジェロ(Robin DiAngelo)。 … Continue readingは、既にお読みになったでしょうか? http://libjournal.uncg.edu/ijcp/article/view/249 この論文はダメでしょうか? ダメなのだとしたら、どこがどうダメでしょうか? 経済学にも批判的人種理論にも同じくらい興味を持っていて、どちらも突っ込んで勉強しようと思っている大学新入生の知的好奇心を掻き立てるように説明するとしたら、この論文のどこがどうダメなのかをどんなふうにして語って聞かせるでしょうか? この問いは、 「社会正義を志向する学術研究全般のどこがどう望ましくないのか?」というもっと大きな問いにもつながってきます。貴殿がこの件についてどっちとも取れる曖昧な感じ

    タイラー・コーエン 「社会正義のために闘う『正義の味方』のどこがダメ?」(2019年3月22日)
    maturi
    maturi 2023/05/07
  • アレックス・タバロック 「ヨーロッパの有給休暇事情」(2012年6月22日)

    ニューヨーク・タイムズ紙より。 大半のヨーロッパ人にとって、法律によって定められている4~6週間の年次有給休暇よりも尊いものは皆無と言っていい。しかし、その真の神聖さが明らかになったのは、去る木曜日のことだった。有給休暇を取得中に病気になったとしたら、病気の療養に費やした日数に関しては有給休暇としてカウントするなかれ [1] … Continue readingとの判決が欧州司法裁判所によって下されたのだ。 有給休暇を取得中に病気になる人が増えるんじゃなかろうかね。 訴訟が起こされたのはスペインにおいてだが、判決はEU加盟国すべてで効力を持つという。 記事の執筆者であるポール・ガイトナー(Paul Geitner)に敬礼。ちなみに、記事の締め括りは、以下のようになっている。「今回の判決は、スペインの労働力人口の25%には効力を持たない。失業中だからだ」。 〔原文:“European Vac

    アレックス・タバロック 「ヨーロッパの有給休暇事情」(2012年6月22日)
    maturi
    maturi 2023/05/05
    定義にもよるのだろうが、スペインの失業者って25%もいるのか
  • マーク・ソーマ 「働きすぎのアメリカ人」(2007年7月15日)

    GDPが一国の厚生を測る指標として不完全である理由――それゆえ、国別比較の指標として使うには適当じゃないかもしれない理由――はたくさんあるが、余暇の価値が考慮されていないというのもそのうちの一つだ。エズラ・クライン(Ezra Klein)が次のように指摘している。 “Land of the overworked and tired” by Ezra Klein, Commentary, LA Times: ・・・(略)・・・アメリカ経済政策研究センター(CEPR)に所属するレベッカ・レイ(Rebecca Ray)&ジョン・シュミット(John Schmitt)の二人がまとめている報告書によると、・・・(略)・・・「アメリカは、・・・(略)・・・先進国の中で、有給休暇の付与が法律で義務付けられていない唯一の国」とのこと。「唯一」というところに注目だ。「アメリカを除くと、どの先進国でも有給休暇

    マーク・ソーマ 「働きすぎのアメリカ人」(2007年7月15日)
    maturi
    maturi 2023/05/05
    支出カスケード それはそれとして、地位財としての海外旅行はUSAにはないのか?
  • ダイアン・コイル 「『経済』と『社会』はどのように絡み合っているか ~マーク・グラノヴェッター(著)『社会と経済』を読んで~」(2017年2月6日)

    「平均的な」経済学者は、社会学者の仕事にそこまで注意を払わないと言ってしまっても間違いじゃないと思うが、社会学者の仕事に注意を払う「平均的じゃない」経済学者であれば、マーク・グラノヴェッター(Mark Granovetter)という名前に馴染みがあるだろう。「強い紐帯」と「弱い紐帯」が果たす異なる役割をめぐるグラノヴェッターの業績は、経済学の分野でも広く引用されている。グラノヴェッターは、現在スタンフォード大学社会学部教授の地位にあるが、「経済」と「社会」の絡み合いについての彼なりの考えをまとめ上げようと試みた意欲作――二巻のうちの上巻――がこのたび出版されたばかりだ。 『Society and Economy:Framework and Principles』(邦訳『社会と経済:枠組みと原則』)を開くと、抽象度の高い議論がまず目に入ってくる。「信頼」、「権力」、「規範(社会規範)」、「

    ダイアン・コイル 「『経済』と『社会』はどのように絡み合っているか ~マーク・グラノヴェッター(著)『社会と経済』を読んで~」(2017年2月6日)
    maturi
    maturi 2023/05/05
    信頼について
  • アレックス・タバロック 「食の戦略」(2007年6月28日)

    好きなものは最初にべる派? それとも、最後までとっておく派? 大抵の人はどちらかに属するが、ブライアン・ワンシンク(Brian Wansink)の『Mindless Eating』(邦訳『そのひとクチがブタのもと』)によると、の戦略が分かれる理由についてシンプルな説明があるという。 好きなものは最初にべる派という人は、末っ子か、家族が多かった傾向にあるという。その一方で、最後までとっておく派という人は、一人っ子か、第一子(長子)であることが多いという。なぜなら・・・って詳しく説明する必要はないよね? ところで、『Mindless Eating』(邦訳『そのひとクチがブタのもと』)は、に関する・・・と見せかけて、リサーチデザイン(研究・調査の方法論)が真のテーマになっているのだ! 激しくお薦めの一冊だ。 〔原文:“Eating Strategies”(Marginal Revolu

    アレックス・タバロック 「食の戦略」(2007年6月28日)
    maturi
    maturi 2023/05/04
    食の好き嫌いの強弱とも関係がありそう
  • マイルズ・キンボール 「J・S・ミルの休日論」(2015年2月28日)

    画像の出典:https://www.japan-guide.com/blog/sakura10/100505_hirosaki.html 宗教上のしきたりを信徒以外にも押し付けることに対して、ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mill)が異を唱えているとしても別に驚きはしないだろう。ところで、一部の宗教では、労働をしない休日が定められているが、働いている人に週に1日は休日をとるのを勧める社会のルールにミルがかなりの共感を示しているのを知って驚いた。とは言え、全員が同じ日に休まなくていいというのがミルの考えだ。なぜなら、休日に娯楽に興じるためには、彼女彼なりの職務を全(まっと)うして娯楽に興じる手助けをしてくれる誰かしらが必要だからだという。『自由論』の第4章「個人に対する社会の権威の限界」から引用しよう。 自由に対する個人の正当な権利への不当な干渉のもう一つの重要な例――

    マイルズ・キンボール 「J・S・ミルの休日論」(2015年2月28日)
    maturi
    maturi 2023/05/04
    しかし、ここでも「神が七日間で天地を創造した」という植え付けられた偽りの信念フレームから逃れられなかったというのは恐るべきアホらしさである
  • マーク・ソーマ 「賢くなっていく機械、ケインズ再訪、非効率的市場仮説」(2012年12月24日)

    まずは、サックス(Jeffrey Sachs)&コトリコフ(Laurence Kotlikoff)の共著論文(二人が財政赤字や累増する国債について何か意見を述べるのを妨げてくれるものは何であれ、社会にとってプラスになるんじゃないかと思う)。 ●“Smart Machines and Long-Term Misery” by Jeffrey D. Sachs&Laurence J. Kotlikoff(NBER Working Paper No. 18629, Issued in December 2012): どんどん賢くなっていく機械は、我々の子供たち(スキルが未熟な若い世代)の友なのだろうか? それとも、敵なのだろうか? 高いスキルを身につけた親たちを利する一方で、スキルが未熟な子供たちやそのまた子供たちに害を及ぼすんだろうか? 賢い機械が若い未熟練労働者の代わりとなる(代替する)一方

    マーク・ソーマ 「賢くなっていく機械、ケインズ再訪、非効率的市場仮説」(2012年12月24日)
    maturi
    maturi 2023/05/02
    機械が賢くなっていくと、若い世代(子の世代)の賃金が低迷し、そのせいで貯蓄する余裕が小さくなるのでスキルを身につけるための投資(人的資本への投資)も、物的資本への投資も抑えつけられることなる。す
  • タイラー・コーエン 「強い紐帯の弱さ ~強い紐帯は脳卒中に弱い?~」(2019年4月20日)

    ネイチャー・コミュニケーションズ誌に掲載されたばかりの論文によると、身近に家族がいるなどして「強い紐帯(ネットワーク)」に支えられていると、強い紐帯に支えられていない場合よりも、脳卒中の症状が現れてすぐにも治療が必要になった時に病院に遅れずに搬送される可能性が低いらしい。 その論文の執筆陣の一人であるアマール・ダンド(Amar Dhand)は、ハーバード大学医学大学院に籍を置く神経科医で、オックスフォード大学で社会学の博士号を取得している。社会的な繫(つな)がりと健康との関係について研究しているという。ダンドらは、ボストンおよびセントルイスの脳卒中患者175名を調査対象に選び、紐帯の強さと病院に搬送されるまでに要した時間との間にどんな関係があるかを探った。脳卒中の症状が現れてから病院に搬送されるまでに6時間を超える時間を要した67名の患者は、搬送されるまでに6時間かからなかった108名の患

    タイラー・コーエン 「強い紐帯の弱さ ~強い紐帯は脳卒中に弱い?~」(2019年4月20日)
    maturi
    maturi 2023/05/01
    正常性バイアス発露条件|日本語の特徴かもしれないが|”遅れずに搬送される可能性が低い”より ”遅れて搬送される可能性が高い”の方が読み易い(目を滑らせても意味が通りやすい)ように思われる
  • タイラー・コーエン 「『ゼロサム思考』と米国における政治的な分断の淵源」(2022年12月26日)

    稿では、「ゼロサム思考」という文化的・心理的な属性の原因(起源)と帰結を探る。人生をゼロサムゲームと捉える「ゼロサム思考」によると、誰かが得をすると他の誰かが損をすると見なされる。稿では、 米国で暮らしているおよそ15,000人に対して聞き取り調査を行い、各人の「ゼロサム思考度」、政治観および政策観、家系に関する膨大な量のデータを収集した。ゼロサム思考度の高さは、政府の重要性についての見方だったり、再分配政策の有用性についてだったり、移民の効果についての見方だったり、政治的な立ち位置(左派、右派)だったりと強い相関があることが見出された。さらには、各人のゼロサム思考度の高低は、その人の両親や祖父母がどんな経験をしたか――親が祖父母よりも高い地位にいけたかどうか、両親や祖父母が経済面でどのような苦労を味わったか、米国に移民としてやってきた家系かどうか、両親や祖父母が移民と交わる機会が多か

    タイラー・コーエン 「『ゼロサム思考』と米国における政治的な分断の淵源」(2022年12月26日)
    maturi
    maturi 2023/05/01
    ゼロサム思考度と政治的な立ち位置(左派、右派)との間に明確なつながりがあるわけではない。