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ブックマーク / book.asahi.com (97)

  • 一穂ミチさん「ツミデミック」インタビュー コロナ禍の犯罪描いた短編集「あの3年間を書いておいてよかった」|好書好日

    一穂ミチ(いちほ・みち) 大阪在住。2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。劇場版アニメ化もされた『イエスかノーか半分か』など、BL作品を中心に執筆。21年、一般文芸作品としては自身初となる単行『スモールワールズ』で、吉川英治文学新人賞を受賞。同作と22年『光のとこにいてね』がともに屋大賞第3位、直木賞候補作に選ばれる。 あの不安を書かざるを得なかった ――今作はコロナ禍を背景とした短篇集。給付金詐欺やフードデリバリーサービスなどパンデミック以降のトピックスが織り込まれています。なぜこのテーマを選ばれたのでしょうか。 最初からそう狙っていたわけではなく、「小説宝石」から依頼されたのが2021年でパンデミック真っ只中だったんですよね。当時は私自身、この先どうなるんだろうという不安がすごく強くて、この状況を書かざるを得なかったんです。「小説宝石」は毎号お題があるのですが、最初のお題は

    一穂ミチさん「ツミデミック」インタビュー コロナ禍の犯罪描いた短編集「あの3年間を書いておいてよかった」|好書好日
    maturi
    maturi 2024/10/16
  • 映画「箱男」主演・永瀬正敏さんインタビュー スマホにとらわれた現代「誰もが『箱男』になる可能性」|好書好日

    永瀬正敏さん=松嶋愛撮影 段ボールを頭からすっぽりとかぶり、都市を徘徊し、のぞき窓から一方的に世界をのぞき、ひたすら妄想をノートに記述する「箱男」。カメラマンである「わたし」(永瀬正敏)は、街で偶然目にした箱男に心を奪われ、自らも段ボールをかぶり、その一歩を踏み出すことに。そんな「わたし」の前に、箱男の存在を乗っ取ろうとするニセ医者(浅野忠信)や、箱男を完全犯罪に利用しようと企む軍医(佐藤浩市)、「わたし」を誘惑する謎の女・葉子(白彩奈)らが現れる。 時代が原作に追いついた ――この作品は27年前の1997年に永瀬さん主演で映画の制作が決定したものの、クランクイン直前に撮影が頓挫してしまった「幻の企画」でした。 あまりにも歴史が深いので、ちょっと他にはない作品だと思います。27年後に同じ原作を同じ監督、同じ俳優が作ることはそうそうないと思うし、今後も出てこないと思う。頓挫していた27年の

    映画「箱男」主演・永瀬正敏さんインタビュー スマホにとらわれた現代「誰もが『箱男』になる可能性」|好書好日
  • 山崎元「経済評論家の父から息子への手紙」 真実を突く経済論と人生論|好書好日

    お金人生、幸せ、これらは生きる上で誰しも欠かすことができない。書は大学生の息子に宛てた著者の手紙の内容を起点にした、著者の日経済論・人生論である。 書の特徴は大きく二つある。一つ目の特徴はいかに働き・稼ぐかという個人レベルのミクロの経済活動から、現代の経済社会において稼いだお金をいかに効率的に増やしていくべきかというマクロの経済活動を含む著者の日経済論が語られている点だ。「安定した職を得て労働を高くかつ長く売る」という働き方は崩壊し、これからは適度にリスクを取り他人と異なることを恐れずうまく稼ぐのが重要だと著者は言う。これは12回の転職を繰り返しながら自身のキャリアを磨いてきた著者だからこそ言える話だ。 そして適度にリスクを取るというのは株式で、もしくは株式に連動する形で報酬を得るということである。また効率的に稼ぐには、リスクを取りたくない人からリスクを取っても良い人が利益を吸い

    山崎元「経済評論家の父から息子への手紙」 真実を突く経済論と人生論|好書好日
    maturi
    maturi 2024/03/19
    片岡剛士さんの
  • 「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日

    藤巻一保さん=撮影・北原千恵美 藤巻一保(ふじまき・かずほ)作家・宗教研究家 1952年、北海道生まれ。中央大学文学部卒。編集者を経て著述活動に入る。東洋の神秘思想、近代新宗教に関する著作を数多く手がけている。主な著書に『密教仏神印明・象徴大全』『役小角読』『秘説 陰陽道』『愛と呪法の博物誌』『偽史の帝国 “天皇の日”はいかにして創られたか』など。 異常な時代の正体を明らかにしたかった ――藤巻さんの『戦争とオカルティズム 現人神天皇と神憑り軍人』は、陰謀論や超古代史などのオカルトに魅了された旧日軍の軍人たちを通して、日を〈聖戦〉へと導いたイデオロギーに迫った異色の戦争裏面史です。執筆のきっかけを教えてください。 若い頃から秘教的な世界に興味があって、長年その分野のを書いたり編集したりしてきましたが、一方で日は神の国であるという信仰に支えられた明治から昭和までの日についてもず

    「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日
    maturi
    maturi 2023/04/15
    神狩り軍人ではない
  • 和嶋慎治さんに染みこんでいる渡辺宙明のスキャット 「人造人間キカイダー」「マジンガーZ」にシビれた|好書好日

    アルバム『新青年』制作時のこと。「屋根裏の散歩者」のデモテープをスタジオに持って行ったところ、鈴木君が開口一番「あれ、このイントロ、何かにそっくりだよ」と言う。「えー、そんなはずは」「ほら、何だっけ。『仮面ライダー』の悪者の音」「あっ。確かに」 正確には「仮面ライダー」ではなく、「人造人間キカイダー」の悪役、プロフェッサー・ギルの笛の音だったというオチだが、それにしても、自身の潜在意識における昭和のヒーローものの影響力に、愕然とした。 親御さんがよほどの洋楽かぶれでもない限り、どなたも子供時分にまず親しむ音楽は邦楽であろう。平成生まれならばJ-POP、昭和の子供ならば歌謡曲、もしくはテレビ番組の主題歌といったところか。ご多分にもれず、僕とてもそうだった。 「仮面ライダー」シリーズの主題歌にシビれた。遠からず作曲者が同郷の菊池俊輔先生であると知り、いっそう親近感が湧いたものである。 戦慄が走

    和嶋慎治さんに染みこんでいる渡辺宙明のスキャット 「人造人間キカイダー」「マジンガーZ」にシビれた|好書好日
    maturi
    maturi 2023/01/09
  • 「アウシュヴィッツを志願した男」書評 権力の非人間性、捨て身で証明|好書好日

    アウシュヴィッツを志願した男 ポーランド軍大尉、ヴィトルト・ピレツキは三度死ぬ 著者:小林 公二 出版社:講談社 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション アウシュヴィッツを志願した男 ポーランド軍大尉、ヴィトルト・ピレツキは三度死ぬ [著]小林公二 著者によれば、アウシュヴィッツ収容所がポーランド南部に設けられたのが1940年6月。45年1月に連合国軍に解放されるまでに110万人がここで殺害された。生き残った収容者はわずか7千人。当初はポーランド軍、ソ連軍の捕虜、やがてユダヤ人の絶滅収容所と化していった。 ポーランド軍の大尉ヴィトルト・ピレツキは、第2次世界大戦開始時のドイツの侵略、ソ連の軍事的侵出で国家が解体したあと、地下組織に入り活動を続ける。ナチスの収容所がいかに残酷か、その確認にアウシュヴィッツに潜入する。40年9月21日から948日間、ピレツキは収容所内の現実の全てを目撃した

    「アウシュヴィッツを志願した男」書評 権力の非人間性、捨て身で証明|好書好日
    maturi
    maturi 2023/01/04
    勝てば官軍 ”共産党政権の拷問は、アウシュヴィッツよりも過酷とのピレツキのつぶやきに驚かされる。”
  • なぜ他者を“叩く”のか?――政治的正しさと「叱る依存」 紀伊國屋書店員さんおすすめの本|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 Getty Images 書籍情報はこちら 「感情の道徳」と「理性の道徳」 ベンジャミン・クリッツァー『21世紀の道徳 学問・功利主義・ジェンダー・幸福を考える』(晶文社)は、動物の倫理、寄付、ジェンダーといった「ポリティカル・コレクトネス」をめぐる様々な争点について、豊富な視座を提供している。例えば寄付。「遠くの見知らぬ人よりも、身近で苦しむ隣人にこそ手を差し伸べるべき」と言われると、直感的にはもっともらしく思える。しかし、手持ちの資源で最大限の影響を及ぼすことを目指す「効果的な利他主義」の立場であれば、距離の遠近は関係なく、最貧困の人達へ手を差し伸べるべきという異なる見解が導き出される。 こうした立場の違いは、道徳を主に感情で捉えるか、理性で捉えるかの違いであることが多い。著者は、ダニエル・カーネマンが唱道する「オートモードの道徳」(感情に基づく道徳)と、その対

    なぜ他者を“叩く”のか?――政治的正しさと「叱る依存」 紀伊國屋書店員さんおすすめの本|じんぶん堂
  • 「犠牲者意識ナショナリズム」 各国の歪んだ自意識と向き合う 朝日新聞書評から|好書好日

    犠牲者意識ナショナリズム 国境を超える「記憶」の戦争 著者:イム・ジヒョン 出版社:東洋経済新報社 ジャンル:社会思想・政治思想 「犠牲者意識ナショナリズム」 [著]林志弦 「犠牲者意識ナショナリズム」とは著者の造語で、自分の国の一体性や正当性を主張するために、自分たちの英雄的な行動ではなく、他国から受けた被害を過剰に強調し、自分たちの加害を過剰に小さく見せようとする態度のことをいう。 慰安婦問題が欧州の女性に対する犯罪の記憶を呼び起こしたり、ホロコーストの記憶とイスラエルによるパレスチナでの暴力の記憶が重ねられたりする記憶のグローバル化を背景に、ポーランド、ドイツ、イスラエル、日韓国、旧ユーゴなどの犠牲者意識ナショナリズムを縦横無尽に論じる快著の翻訳を寿(ことほ)ぎたい。 私が初めて著者の報告で犠牲者意識ナショナリズムという言葉を聞いたとき、なんて恐ろしい概念だと驚愕(きょうがく)し

    「犠牲者意識ナショナリズム」 各国の歪んだ自意識と向き合う 朝日新聞書評から|好書好日
  • 「神になった武士」書評 2千人超が祀られるのはなぜか|好書好日

    「神になった武士」 [著]高野信治 副題にすっかり騙(だま)された。「平将門から西郷隆盛まで」――ふむふむ、その他の神になった武士といえば徳川家康に豊臣秀吉、源為朝もいたっけと考えながら読み始め、己の浅学に打ちのめされた。なにせ書によれば、古代から現在までに神格化された武士の総人数は二四三一人、うち一カ所のみで祀(まつ)られている者は二一一二人と、私の予想をはるかに超える武士祭神が紹介されていたからだ。 書は全国に存在する武士祭神を統計化し、そのデータを元に神格化の歴史を読み解いた書籍。作中にも言及がある通り、そもそも武士祭神は地域色が強い存在である。それを悉(ことごと)く調査した筆者の意欲には、つくづく感服させられた。 武士はなぜ神とされるのか。平将門、徳川家康といった著名な者ばかりではなく、実に二千人を超える武士が全国各地で祀られる理由は何か。筆者はその背景を分析するとともに、彼ら

    「神になった武士」書評 2千人超が祀られるのはなぜか|好書好日
    maturi
    maturi 2022/05/30
    明治の「軍神」(廣瀬中尉)、乃木東郷、あとは?(爆弾三勇士?)
  • 「丁寧な暮らしをする餓鬼」塵芥居士さんインタビュー 承認欲求強いけど自分らしく生きる餓鬼が現代社会に|好書好日

    塵芥居士(ちりあくた・こじ) 日画を7年間学んだ後、伝統工芸品関連会社でECサイト運営を担当。Webデザイナー歴10年。作がコミックスデビュー作となる。 公式Twitter @gaki_teinei 人の目に振り回されず自由に生きる餓鬼 ――絵巻物のようなタッチのイラストが特徴的ですが、塵芥さんは元々日画を学んでいらっしゃったそうですね。 塵芥:日画にはあまり興味がなかったんですけど、高校で美術科を専攻していたので、進学のために専攻を選択する必要がありました。日画のデッサンのスタイルが線の美しさを追求する繊細なものが多かったことから、専攻を決意して毎日アトリエに通いました。もともと漫画家を目指していましたが、大学の間に芽が出なかったので一旦諦めてwebデザイナーとして就職しました。しばらくして独立し、フリーランス歴は10年です。漫画家は諦めていましたが、オリジナル同人漫画の即売会

    「丁寧な暮らしをする餓鬼」塵芥居士さんインタビュー 承認欲求強いけど自分らしく生きる餓鬼が現代社会に|好書好日
    maturi
    maturi 2022/05/15
  • 「建国神話の社会史」書評 押しつけられた教育現場の本音|好書好日

    建国神話の社会史 史実と虚偽の境界 (中公選書) 著者:古川隆久 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 建国神話の社会史 史実と虚偽の境界 [著]古川隆久 天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、葦原中国(あしはらのなかつくに=日)に降り(天孫降臨)、その曽孫である彦火火出見(ひこほほでみ)が紀元前660年に橿原宮で初代天皇(神武天皇)に即位した――『日書紀』は以上のように建国の由来を語っている。王政復古の大号令から始まった明治政府、そして大日帝国は『古事記』・『日書紀』の建国神話を正統性の根拠とした。 もちろん天孫降臨うんぬんがあくまで神話であることは、当時の日人も理解していた。神話を歴史の教科書に載せるべきではないという意見が教育現場で公然と語られた。神武天皇の即位年や欠史八代の天皇の異様な長寿は、中国の史書の記述や考古学・人類学の成果と矛盾すると

    「建国神話の社会史」書評 押しつけられた教育現場の本音|好書好日
    maturi
    maturi 2022/04/25
  • 「差別はたいてい悪意のない人がする」著者インタビュー 無自覚に他人を踏みつけないためにできること|好書好日

    キム・ジヘ 韓国・江陵原州大学校多文化学科教授(マイノリティ、人権、差別論)。移民、セクシュアル・マイノリティ、子ども・若者、ホームレスなどさまざまな差別問題に関心を持ち、当事者へのリサーチや政策提言に携わっている。ソウル特別市立児童相談治療センター、韓国憲法裁判所などの公的機関にも勤務経験を持っている。 平等はみんなのためのもの ――このでは韓国における女性やマイノリティ、外国人労働者や障がい者に対する「普通の人がしてしまう差別」について触れています。何がきっかけで、にまとめようと思ったのですか? 韓国では女性や移住労働者の存在感が社会に目に見える形で増してきて、「彼らに対する差別をなくしていかないと」いう声が高まりつつありました。一方でマイノリティの権利を保障しろという意見が目立ち始めると、「マジョリティに対する逆差別だ」という主張も大きくなりました。 集団同士の対立に発展していく

    「差別はたいてい悪意のない人がする」著者インタビュー 無自覚に他人を踏みつけないためにできること|好書好日
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    maturi 2022/02/08
  • 読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(前編)|じんぶん堂

    記事:幻戯書房 『もう一つ上の日史』と『日国紀』単行・文庫版 書籍情報はこちら 2021年11月17日、百田尚樹著『[新版]日国紀』(幻冬舎文庫)という(全二冊)が出版されました。三年前に出た同著者による『日国紀』というの文庫版で、カバーや帯、版元の公式サイトには「当代一のストーリーテラーによる日通史の決定版」「知られざる史実と感動の歴史秘話が満載」「満を持して、待望の文庫化!」「大増量150ページ!! 著者こだわりの超大幅加筆により新しく生まれ変わった、令和完全版!」などという、思わず胸が高鳴るような文言が並んでいます。 今年に入り、この文庫(以下「文庫版」)の刊行予告がアナウンスされて以来、私にはずっとその存在が気にかかってきました。というのは昨年(2020)、『もう一つ上の日史 『日国紀』読書ノート 古代~近世篇』『近代~現代篇』という、『日国紀』(以下「元版

    読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(前編)|じんぶん堂
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    maturi 2022/01/18
  • 読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(後編)|じんぶん堂

    記事:幻戯書房 『もう一つ上の日史』と『日国紀』単行・文庫版 書籍情報はこちら 前回の続きです。 「前編」の最後で、私は、『もう一つ上の日史』に対する『[新版]日国紀』の反応を数え上げ、次のように書きました。 採用:300箇所以上 無視:100箇所以上 反論:50箇所以上 (……)(「採用」のカウントについては)助言の他、データの誤りの訂正、込み入ったニュアンスの反映、「〜である」という断言から「〜という説もある」といったトーンダウン、デマエピソードの完全削除、などを含んでいます。 今回はまず、「採用」の具体例をいくつか紹介しましょう。引用文による比較が続くので、記事として平板な印象を与えるかもしれませんが、よーく読んでいただければ、その影響がおわかりになると思います。 実際、どのように「修正」されているのか? さて、「助言」は前回挙げたので、「データの誤りの訂正」から。(以下、

    読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(後編)|じんぶん堂
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    maturi 2022/01/18
  • 南紀白浜「三段壁」で900人超す自殺志願者を救った牧師が伝えたいこと 藤藪庸一さん「あなたを諦めない」|好書好日

    文:志賀佳織 写真:タナカヨシトモ 藤藪庸一(ふじやぶ・よういち)牧師・NPO理事長 1972年和歌山県生まれ。東京基督教大学神学部卒業後の99年、白浜バプテスト基督教会牧師に。2006年からNPO法人白浜レスキューネットワーク理事長。「いのちの電話」での相談とともに、自殺志願者との共同生活を始め、自立を目指す支援活動を行うほか、子どもたちへの支援活動など、さまざまな角度から自殺予防活動に取り組む。NPO白浜レスキューネットワークhttp://www.srnw.or.jp/ 牧師とともに「いのちの電話」も引き継ぐ ――藤藪さんは、20年前の1999年、白浜バプテスト基督教会の牧師の職を前任の江見太郎牧師から引き継がれたときに、「いのちの電話」の活動も引き継がれました。これまでに900人以上の自殺志願者を救ってこられたそうですが、最初に後任に、というお話があったときはどんな気持ちでいらっしゃ

    南紀白浜「三段壁」で900人超す自殺志願者を救った牧師が伝えたいこと 藤藪庸一さん「あなたを諦めない」|好書好日
    maturi
    maturi 2021/12/23
    2019.02.26
  • ナチズム研究の世界的権威が「断末魔の10カ月間」に迫る イアン・カーショー『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』|じんぶん堂

    記事:白水社 ナチズム研究の世界的権威が、第三帝国末期の「断末魔の10カ月間」に迫る! イアン・カーショー著『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』(宮下嶺夫訳・小原淳解説、白水社刊)は、学術性と物語性が融合した傑作巨編。 【地図9点、カラー口絵16頁収録】 書籍情報はこちら 【著者インタビュー動画:DAS ENDE von Ian Kershaw】 初めに 1945年初頭、惨憺たる敗戦が迫りつつあったころ、ドイツではしばしば、「終焉なき恐怖よりは、恐怖ある終焉」の方がましだという言葉が聞かれた。結局彼らが経験したのは、「恐怖ある終焉」だった。それは、歴史上前例のない方法と規模とで彼らを襲い、巨大な破壊と膨大な人命の喪失をもたらした。この災厄のほとんどは、ドイツが連合国の要求する降伏条件に屈していたならば避け得たはずのものだった。それゆえ、1945年5月以前、ドイツが降伏を拒否し続けていたこ

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  • 「差別はたいてい悪意のない人がする」書評 思考の死角で足をどけるために|好書好日

    差別はたいてい悪意のない人がする 見えない排除に気づくための10章 著者:キム ジヘ 出版社:大月書店 ジャンル:社会・時事 「差別はたいてい悪意のない人がする」 [著]キム・ジヘ タイトルを見た瞬間「私にも気づかずやっちゃってる差別があるんだろうな」と予感する。その予感は、悲しいかな見事に的中した。 書は、差別はよくないと考えている人ですら差別をすることがある、という少々つらい事実を、様々な文献・データを横断しつつ丁寧に教えてくれる。著者は、マイノリティー、人権、差別論を専門とする韓国人研究者だが、書はあくまで一般書。徹頭徹尾リーダブルなのがありがたい。 プロローグは著者自身の失敗談。彼女はとあるシンポジウムで「決定障害」という言葉を何の気なしに使ってしまう。「ぐずぐずと何ごとも深く考えすぎてしまう」傾向を意味する言葉だが、そうした傾向を言い表したいばっかりに「障害」と使ってよかった

    「差別はたいてい悪意のない人がする」書評 思考の死角で足をどけるために|好書好日
    maturi
    maturi 2021/11/15
     差別は「ひとつの軸」ではできておらず「多重性」を持つ
  • MMT(現代貨幣理論)の源流 ランダル・レイが語る「はじめてのミンスキー経済学」|じんぶん堂

    記事:白水社 なぜ、ミンスキーは、重要なのか? L・ランダル・レイ著『ミンスキーと〈不安定性〉の経済学──MMTの源流へ』(白水社刊)は、革新的なミンスキー理論の全貌をわかりやすく解説した入門書。 書籍情報はこちら Hyman Philip Minsky(1919─1996)。アメリカ合衆国の経済学者。 はじめに ミンスキーは重要である。書(『ミンスキーと〈不安定性〉の経済学 MMTの源流へ』)は、ミンスキーがなぜ重要なのかを明らかにする。 書はハイマン・P・ミンスキーの伝記でもなければ、「ミンスキーの思想史」の講義でもない。ミンスキーの思想をより多くの人たちに分かりやすく説明しようとするものである。ミンスキーの文章は不明瞭なことで有名だ。経済学者を含め、ミンスキーに関心があって理解しようとする者にとってさえ、彼の著作は難解である。 書では、ミンスキーの最も重要な貢献を、専門用語を使

    MMT(現代貨幣理論)の源流 ランダル・レイが語る「はじめてのミンスキー経済学」|じんぶん堂
    maturi
    maturi 2021/06/27
  • ホロコーストは近代文明の産物か ジグムント・バウマン『近代とホロコースト』から読み解く近現代社会|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 "File:Re-publica 2015 - Tag 3 (17404674595) (cropped).jpg" by re:publica from Germany is licensed with CC BY 2.0. To view a copy of this license, visit https://creativecommons.org/licenses/by/2.0 書籍情報はこちら ホロコーストはなぜ起こったのか。600万人にもおよぶユダヤ人の大量殺戮はどうして可能になったのか。この問題に社会学の立場から取り組んだのが、ジグムント・バウマンの手になる書『近代とホロコースト』である。彼の回答はきわめて明確である。ホロコーストは近代文明の所産であり、近代官僚制の働きがなければ生じえなかったというのだ。「『最終的解決』はいかなる段階においても、効率的・効

    ホロコーストは近代文明の産物か ジグムント・バウマン『近代とホロコースト』から読み解く近現代社会|じんぶん堂
    maturi
    maturi 2021/06/18
    計画立案や書類上の数字など、隠滅したくてもする証拠が最初からない「南京」は「ホロコースト」よりはるかに、官僚的合理性の欠片がない「水晶の夜」に近い
  • 「福島原発事故とこころの健康」書評 被災者の痛みを癒やす政策とは|好書好日

    「福島原発事故とこころの健康」 [著]岩崎敬子 起こった災害を、無かったことにはできない。被災で受けた傷を、ゼロにすることもできない。それでも心の痛みを、減らすことならできるだろう。では、どうすればうまく減らせるのか。効果的な政策とはいかなるものか。著者はこの問いに実証経済学をベースとした学際的手法で挑む。 調査には、被災で避難を余儀なくされた、福島県双葉町の人々が多く協力している。著者が示した結果の一つはこうだ。避難先で同郷の隣人を多くもつ人は、信頼感の高まりによって、心の健康が良くなる傾向をもつ。この結果の政策的含意は、仮設住宅の入居先を決める際には、被災前のつながりに配慮すべきだというものだ。これはあくまで一例であって、著者は「こころの減災」に有効な様々なすべを明らかにする。 直感的に言えそうなことでも、実際に証明するのは大変だ。隣人の分析でいうと、まず著者は、避難先での同郷の隣人数

    「福島原発事故とこころの健康」書評 被災者の痛みを癒やす政策とは|好書好日