フランス語では locution(成句)と同じ意味で expression(表現)という言葉もよく使われます。 「諺」と「成句」の区別に関しては、たとえば定番の文法事典 Grevisse, Le bon usage, 15e éd. でも「諺 proverbes は成句 locutions の一種だが、文をなしているものである」(ss 182 b)と定義されており、文になっているかどうかで「諺」と「成句」が区別されています(ただし、とくに日常レベルでは混同も見られます)。 日本では、このように区別することはあまりないかもしれません。フランス語の場合は「主語と動詞を備え、大文字で始まりピリオドで終わるもの」を「文」と呼びますが、日本語ではそのあたりは曖昧で、主語を明示しなくても文は成り立つからです。日本では、「二兎を追う者は一兎をも得ず」も「一石二鳥」も、どちらも「諺」と呼ぶのが当然とされて