レイは'Understanding Modern Money' において、冒頭、一般均衡理論を要約して、ハーンの言葉を引用し、一般均衡論体系においては貨幣が不要であることを示している。レイ自身は自分で行った要約に対して「ひびが入っている」として簡単に片づけているが、いったいMMTの立場から見て何がどう壊れているのか、十分な説明がなされているようには思えない。それはこれから本書を通じて説明します、ということなのだろうが、しかし明確に伝わっているかどうか振り返ると、何とも心もとない。これは'Modern Money Theory'のストックとフローを説明している個所と似た印象なのだが、なんか説明が中途半端なのである。ストックとフローの説明においては、事実上、フロー変数間の説明にしかなっていなかった。本書全体を通じてフローはストック変数の変化として記述されている(経済現象の記述はB/S上の残高の
![MMT批判はなぜ「いつかはハイパーインフレーション」なのか。あるいはレイの一般理論批判の不徹底さ。ってか主流派とMMTが両立しない理由など。 - 断章、特に経済的なテーマ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df3a50c14b465108d37d0f484920317dd74971fb/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fu.xgoo.jp%2Fimg%2Fsns%2Fblog.png)