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ブックマーク / drpooh.hatenablog.jp (12)

  • 終の信託 - Dr.Poohの日記

    終の信託 (光文社文庫) 作者: 朔立木出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/06/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログを見る延命治療の中止をテーマとして取りあげた小説で,映画化もされるとのことで読んでみました。具体的に明示はされていませんし,登場人物の描写はフィクションとして脚色されていますが,ベースとなっているのが「川崎協同病院事件」であることはすぐに分かります。 川崎協同病院事件 - Wikipedia 決してスッキリできる結末ではありません。読み終えたあと,患者さん人の意志を尊重して延命治療を中断した「尊厳死」,という主治医から見た「事実」と,治療を継続していれば免れた死を招いた「殺人」という検事から見た「事実」のあいだにある断絶が重苦しく心に残ります。 主人公である医師は決して理想像ではなくむしろ,献身的な姿勢は伝わるものの職場での人

    終の信託 - Dr.Poohの日記
    maturi
    maturi 2012/10/04
     原作 役所 草刈
  • 外来自己負担の増額は医療費を抑制しない? - Dr.Poohの日記

    米国高齢者の外来自己負担の増額で、入院が増加。 - 疫学批評 米国の65歳以上が加入する連邦政府の医療保険メディケアを運用し、2001−2006年に外来診療の患者自己負担額を増額した18医療保険組合と、増額しなかった18医療保険組合を比べたところ、増額から1年後に加入者100人あたりの外来受診件数は減ったが、入院件数、入院日数、入院者の割合はかえって増えた。論文はNew England Journal of Medicine 2010年1月28日号に掲載された。 原著論文はこちらです。 Increased Ambulatory Care Copayments and Hospitalizations among the Elderly - New England Jounal of Medicine 外来患者の自己負担を増額することで利用を抑制することはできたけれども,入院数,特に低所得者

    外来自己負担の増額は医療費を抑制しない? - Dr.Poohの日記
    maturi
    maturi 2012/10/04
    みんな大好き楢山節
  • 医師と代替医療 - Dr.Poohの日記

    代替医療のトリック 作者: サイモンシン,エツァートエルンスト,Simon Singh,Edzard Ernst,青木薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/01メディア: 単行購入: 38人 クリック: 1,000回この商品を含むブログ (112件) を見る 各所で評判になっているので読んでみました。書で最も力点が置かれているのは,医療介入の有効性を公正に判定することがいかに重要なことかということでしょう。人類は長い歴史のなかで失敗を繰り返し数多くの犠牲の末に確立した「科学的根拠にもとづく医療」の解説に一章を費やし,数々の代替医療に対してあくまで予断を持たずに科学的根拠があるのかどうかを検討します。原題の"Trick or Treatmet?"(インチキなのか治療なのか)は,ハロウィンの"Trick or Treat”をもじっただけでなく,はじめからインチキと決めつけるのでは

    医師と代替医療 - Dr.Poohの日記
    maturi
    maturi 2012/04/12
    給料もらい過ぎてるからいかんのや。もっと給料を安くすれば、必死でサービスするようになるんや(開きぎみの瞳孔で
  • 医療過誤の定義とは? - Dr.Poohの日記

    もう数日前になりますが,山形大学病院で治療経過中に不幸な転機を辿った事例について報道されているようです。読んでいてどうにも違和感があったので少し調べてみたのですが,結局すっきりした答えは得られませんでした。それでも折角なのでエントリにまとめておきます。無駄に長文ですが御容赦ください。元記事は各紙ほぼ同内容のため,地元地方紙から引用します。 山形大医学部付属病院(久保田功院長)は23日、カテーテルを使った治療の後、ショック状態となって今年5月に死亡した70代男性患者の死因を調査した結果、医療過誤が認められたと発表した。男性の心臓壁にカテーテルの挿入作業でできたとみられる穴が確認されたという。同病院は遺族に経緯を説明し、謝罪した。 久保田院長が同日、山形市の山形医学交流会館で記者会見し、明らかにした。説明によると、男性は抗がん剤などを心臓に近い中心静脈に送るため、右鎖骨下からカテーテルを挿入。

    医療過誤の定義とは? - Dr.Poohの日記
  • 長谷川レポートの否定 - Dr.Poohの日記

    「医師需要予測は不可能、やるべきではなかった」:日経メディカル オンライン 2006年の厚生労働省「医師の需給に関する検討会」の論拠となった医師数の需要予測については,医師の必要数が過小に評価されていること,長期的には医師の需要は十分であることが強調される報道の根拠となっていたことから,当時相当な批判を浴びていたと思います(当方も批判的なエントリを書いています)。今回文部科学省の検討会において,長谷川氏自身が当該の報告を否定する発言を行ったとの記事です。 長谷川氏が2006年にまとめた推計はこれまで国が医師数を議論する際の重要な基礎データの一つとして位置付けられてきた。しかし長谷川氏はこの推計について「反省している」と発言。超高齢化社会で必要とされる医療が変わっていることや、高齢になるに従って管理者になったり開業するといった医師のキャリアパスを評価しきれていなかったと述べた。その上で、「世

    長谷川レポートの否定 - Dr.Poohの日記
  • 初診時の転送義務と後知恵鑑定 - Dr.Poohの日記

    報道によると,開業医が高次医療機関への転送を怠ったことによる損害賠償請求が認められたようです。 初診開業医に賠償命令 髄膜炎の症状を見過ごされ、治療の遅れから転院先で死亡したとして、境港市の男性会社員(当時40歳)の両親が同市内のたけのうち診療所(閉鎖)の50歳代の男性医師に慰謝料など約7500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、地裁米子支部であった。村田龍平裁判長は「十分な問診と、設備の整った医療機関への移送を怠った過失があった」として、医師に約5600万円の支払いを命じた。 判決によると、男性は2001年12月、高熱や嘔吐(おうと)の症状を訴えて初めて同診療所で受診。解熱剤などを処方されて帰宅したが、症状は悪化し、翌日に救急搬送された病院で細菌性髄膜炎と診断された。その後、意識が回復しないまま、転院先の病院で05年1月に多臓器不全で死亡した。 診療所では、感染症検査などを外部に委

    初診時の転送義務と後知恵鑑定 - Dr.Poohの日記
    maturi
    maturi 2010/09/15
    鳥取県内の100歳以上の高齢者が人口10万人あたり55.33人と全国7位になったのにはこういった厳しい取り組みがあってこそか(違
  • 胃瘻造設と意思決定 - Dr.Poohの日記

    昨夜のETV特集で胃瘻による経腸栄養の問題が取り上げられていました。 べなくても生きられる 〜胃ろうの功と罪〜 男女を合わせた平均寿命が80歳を越え、日は世界最高の長寿国になった。その理由の1つが、欧米とは異なり積極的な延命治療が行われていることにある。中でも、胃に直接栄養を送る経管栄養(胃ろう)は急激に普及し、現在およそ40万人に施されている。もともと胃ろうは、摂障害のある子どもたちのために開発された技術だが、患者への負担が少なく生存率が画期的に延びるため、高齢者にも応用されるようになった。現在の日では、嚥下の能力が衰え、ものをべられなくなると、ほぼ自動的に胃ろうが施されるまでになっている。 しかしいま、この現状を変えようという動きが医療現場で起きている。「ただ生かすことが、当に患者のための医療か」「自然な死を迎えられない現状が良いのか」という声が上がっているのだ。その動きの

    胃瘻造設と意思決定 - Dr.Poohの日記
  • 無過失補償制度への認識 - Dr.Poohの日記

    ロハスメディカルでの井上清成弁護士と元厚労相政務官の村重直子氏が無過失補償制度について対談されていますが,とても興味深い議論でした。 公平さまで含めた意味での適正さで、できるだけ多くの人が公平に救済できるようにするのが大切でしょう。同じ皆保険制の下で医療を受けて、それでハッピーな人が多いけれど、残念ながら不幸な結果が出てしまった人がいれば、それをできるだけ漏らさずに救済するというのが基的な理念です。ですから、あえて適正と公平と言葉を分けるとしたら、どちらかと言えば公平を重視して物事をまず考える。それが裁判風の適正に近づけば近づくほどいいけれど、そのために公平を崩してしまっては何にもなりません。 村重直子の眼6・井上清成弁護士 被害を受けた方が、つらい中で弁護士を頼んだり支援を受けながら必死で裁判をやって自分の被害を何とかカバーして行くというのは、その人個人を評価すれば偉いと思います。それ

    無過失補償制度への認識 - Dr.Poohの日記
    maturi
    maturi 2010/06/07
    ロハスメディカルの対談について
  • 財政健全化と社会保障政策 - Dr.Poohの日記

    社会保障政策に関する民主党のマニフェスト案がまとまったようです。 最終案は、財政健全化の重要性を強調。「財政健全化のため、成長戦略の具体化と推進、社会保障制度の再構築を図る」とする一方で、「抜的な税制改革(消費税を含む)などによる歳入改革」に取り組む姿勢も示した。新規政策の実施に必要な財源は既存予算の削減により捻出する、いわゆる「ペイアズユーゴールール」が原則だと明記した。 財政健全化と社会保障改革は密接不可分―民主研究会が公約案 社会保障政策の予算を増やすなら必要な財源を明記するべきということなので,前回のマニフェストに比べれば現実を踏まえたものとはいえます。現政権での既存予算の削減はそれほど成果が上がらなかったわけで,となると財源が確保できないから公的支出もそれなりですよ,という話なのか,必要な財源のためには増税しますよ,という話なのかが問題になるはずです。まあ「(消費税を含む)」と

    財政健全化と社会保障政策 - Dr.Poohの日記
    maturi
    maturi 2010/05/16
     ”建前上、現在の診療報酬には消費税分が既に上乗せされていることになっていました。小泉改革下の点数引き下げで、実質的な意味は既に失われていますが、タテマエは変わっていません。” へえ
  • 「かかりつけ医」政策への個人的見解 - Dr.Poohの日記

    患者さんが専門医を直接受診することで負担がかかっているので「かかりつけ医」「総合医」を育成してそちらを受診するようにすればいいという見識があって,確かにうまくいけばよさそうな話に聞こえるし,だからこそ厚生労働省も学術団体も日医師会も(それぞれ微妙に立ち位置が違うとはいえ)乗ってきているのでしょう。とはいえ,これがうまくいくためにはどこかで現状のフリーアクセスを制限しないとならないわけで,受け皿となる「かかりつけ医」を育成することは必要なことだとしても,お墨付きを与えれば患者さんがそちらを選択するようになるかどうかは疑問です。そしてフリーアクセス制限に言及すれば患者さんから反発を招くのは必至ですから,そこにはなるべく触れずに議論しているように思えます。 そこにコストの抑制が絡んでくることで話がなおいっそうややこしくなっているように見えます。考えてみれば,専門医とプライマリケアが分業してなお

    「かかりつけ医」政策への個人的見解 - Dr.Poohの日記
  • 公立病院改革ガイドラインの人柱 - Dr.Poohの日記

    総務庁が公立病院の赤字増大を踏まえて公立病院改革ガイドラインを策定したのが昨年12月のこと。東北ではそれに先んじて人柱として名乗りを上げた自治体があったようです。このガイドラインによれば地域病院の統合とネットワークにより経営の改善を目指す,とのことで,要は基幹病院を残して規模縮小し,支出を抑えれば赤字を減らせる目算です。しかし実際にどうなったかといえば… 伊関友伸のブログ - 診療所化の落とし穴/花巻の遠藤医師が県にも警鐘 東奥日報 隣県・岩手では、総務省の公立病院改革ガイドラインに先駆けて病院再編が進んでいる。その一環として、二十七ある県立病院のうち五つを有床診療所化することになり、二〇〇七年度までに四施設が移行した。しかし収益が病院時代より激減し、経営改善に必ずしもつながらなかったことを、四施設の一つ・大迫地域診療センター(花巻市)の遠藤忠雄・副センター長が分析し、明らかにした。「総

    公立病院改革ガイドラインの人柱 - Dr.Poohの日記
  • 自治体病院の「赤字」 - Dr.Poohの日記

    地域医療 ~再生への処方箋~ 作者: 伊関友伸出版社/メーカー: ぎょうせい発売日: 2009/12/16メディア: 単行購入: 4人 クリック: 34回この商品を含むブログ (12件) を見る 元自治体職員であり,現在は自治体病院のマネジメントを研究されている伊関先生の最新刊。これまで関わってきた銚子市,奈良県,沖縄県,夕張市,丹波市などの事例はそのまま地域医療崩壊の歴史でもあります。話題は自治体病院にほぼ限定されてはいますが,それだけに公務員から見た公務員の行動規範や限界が詳細に検討されていて,病院経営に限らず,官僚論としても興味深い内容となっています。 自治体病院経営が問題視される背景として,公務員ならではの横並び,縦割り,前例主義による非効率性が挙げられることが多いですが,一方では民間病院では診療報酬体系上「不採算」となる患者さんを引き受けざるを得ないことも経営を圧迫しているわけ

    自治体病院の「赤字」 - Dr.Poohの日記
    maturi
    maturi 2010/03/31
    "自治体病院では、病院の収益も、保険の収益も、病院の赤字補填も広い目で見れば同じ懐からの出費と見れるからです。""総務省が躍起になっていますが、病院単位の赤字を解消したところで、次のツケは保険に回ります。
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