タグ

ブックマーク / morningrain.hatenablog.com (73)

  • 須田努・清水克行『現代を生きる日本史』 - 西東京日記 IN はてな

    『幕末社会』(岩波新書)の須田努と、『喧嘩両成敗の誕生』(講談社選書メチエ)や『戦国大名と分国法』(岩波新書)などの清水克行の2人が、縄文から現代に至るまでの「日史」を語ったになります。 もともとは明治大学の文学部史学科以外の学生を対象にした「教養史」的な授業のテキストブックという形でつくられたものになります。 ですから、「歴史とはなんぞや?」「中世とはいかなる時代か?」といった大きな問いから入るのではなく、まずは歴史上の面白い事象を紹介し、そこから時代の特徴を探るような構成になっています。 歴史というと古い時代から順番に学んで、その変化を見ていくといった形になりやすいですが、書では「流れ」よりも、当時の人々が生きた社会を直接つかみにいくようなスタイルです。 目次は以下の通り。 第0講〜第6講までを清水克行が、第7講〜第13講を須田努が担当しており、第14講が2人の手によるものに

    須田努・清水克行『現代を生きる日本史』 - 西東京日記 IN はてな
  • 平野克己『人口革命 アフリカ化する人類』 - 西東京日記 IN はてな

    去年の夏に出たときに読もうと思いつつも読み逃していたのですが、これは読み逃したままにしないでおいて正解でした。 著者が2013年に出した『経済大陸アフリカ』(中公新書)は、アフリカの現実から既存の開発理論に再考を迫るめっぽう面白いでしたが、今作も人口について基的な理論を抑えつつ、それに当てはまらないアフリカの動きを分析していくことで、未来の世界が垣間見えるような面白いです。 目次は以下の通り。 第1章 人口革命と人口転換 第2章 グローバル人口転換 第3章 アフリカの人口動向 第4章 人口と糧 第5章 人口と経済 18世紀後半からイギリスで1%を上回る人口増加が持続的につづいたことが人口革命の始まりと言われています。その結果、イギリスの人口は1801年の約1600万人から1920年には約4682万人まで3倍近くになりました。 これがアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド

    平野克己『人口革命 アフリカ化する人類』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2023/03/05
  •  清田耕造『日本の比較優位』 - 西東京日記 IN はてな

    「比較優位」は高校の政治経済の教科書などにも登場する経済学の理論であり、提唱者のリカードとともにそれなりの知名度はあると思います。 しかし、一方で教科書の知識としては普及していても実際には理解されていない(現実の世界に当てはめられてない)理論だとも言えるでしょう。 このの冒頭にはサミュエルソンが「社会科学の中で真実であり、自明でない命題を一つ挙げてみたまえ」と言われ、しばらく後に「リカードの比較優位」を思いついたエピソードが紹介されています。サミュエルソンが言うには「比較優位は論理的には数学者の前で議論をするまでもなく正しい。しかし、何千もの知的な要人たちが理解できず、また説明されても信じることができない命題である」とのことなのです(2p)。 そんな比較優位が実際に成り立っているとのかということを日を事例として実証的に分析したになります。 具体的にはヘクシャー=オリーン・モデルを使っ

     清田耕造『日本の比較優位』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2023/03/05
    2018 比較優位
  •  おそるべし!昭和天皇(山田朗『大元帥・昭和天皇』) - 西東京日記 IN はてな

    山田朗『大元帥・昭和天皇』は軍のトップとして昭和天皇がいかに戦争に関わったかということを明らかにした。実は著者の山田朗先生は僕の大学時代のゼミの先生でして、この『大元帥・昭和天皇』も大学時代にパラパラと読みました。で、最近また興味が出てきちんと再読してみたわけですが、昭和天皇すげえ! アジア・太平洋戦争の日軍において、一番的確な戦略眼を持っていたんじゃない? 対米開戦時において「三ヶ月位にて片付ける」と言った杉山参謀総長に対して、支那事変は一ヶ月位にて片付くと言ったではないかと指摘し、さらに「支那は奥地が開けており」と弁解を始めた杉山参謀総長に対し、「支那の奥地が広いといふなら、太平洋はなほ広いではないか」と行ったケース(142ー143p)など、昭和天皇が開戦時において比較的冷静な見方をし、対米戦に不安を抱いていたことなどはそこそこ知られていることだと思いますが、実は昭和天皇は実に細か

     おそるべし!昭和天皇(山田朗『大元帥・昭和天皇』) - 西東京日記 IN はてな
  • 善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近、「ポピュリズム」という言葉が、政治を語る上で頻出するキーワードとなっています。アメリカトランプ大統領に、イギリスのBrexit、イタリアの五つ星運動にドイツのAfDと、「ポピュリズム」というキーワードで語られる政治勢力は数多くいるわけですが、では、日における「ポピュリズム」といえば、どんな勢力がそれに当てはまるでしょうか? そこで、小泉純一郎や都民ファーストの会と並んで、多くの人の頭に浮かぶのが、おおさか維新の会でしょう。特に代表を務めていた橋下徹は多くの論者によって代表的な「ポピュリスト」と考えられていました。 「橋下徹という稀代のポピュリストによって率いられ、主に政治的な知識が乏しい層から支持を調達したのが維新である」というイメージは幅広く流通していたと思います。 しかし、このはそうしたイメージに対し、実証的な分析を通じて正面から異を唱えるものとなっています。 目次は以

    善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2022/01/26
    橋下徹の能力/カリスマ性に注目する議論もありますが、府知事時代も市長時代も橋下は一貫してその支持を低下させています。マスメディアをコントロールし、露出をはかったにもかかわらず、支持は伸びていないのです
  • 善教将大『大阪の選択』 - 西東京日記 IN はてな

    今年10月の総選挙で躍進を遂げた維新の会、特に大阪では候補者を立てた選挙区を全勝するなど圧倒的な強さを見せました。結成された当初は「稀代のポピュリスト」橋下徹の人気に引っ張られた政党という見方もあったと思いますが、橋下徹が政界を引退してもその勢力は衰えていません。 しかし、その維新の会も大阪都構想をめぐる住民投票では2015年、2020年と2回続けて敗北しました。維新の人気が下り坂になっているわけではないのに、看板政策で2度にわたって躓いたのです。 この1回目の住民投票を中心に分析したのがサントリー学芸賞も受賞した著者の前著の『維新支持の分析』でした。 前著では維新への支持は「弱い支持」であると位置づけた上で、住民投票の否決に関して、「すなわち態度変容を生じさせやすい維新を支持していた大阪市民が、特別区設置住民投票の特異な情報環境下で、自らの批判的な志向性に基づき熟慮した結果、賛成への投票

    善教将大『大阪の選択』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2022/01/26
    アピール力や存在感は他の政治家にはないものでした。  ただし、橋下徹個人への支持率は2010年頃から下がり続けており、大阪市長時代の2015年頃には50%を割り込んでいます(33p図2−1参照)。
  • 谷口将紀『現代日本の代表制民主政治』 - 西東京日記 IN はてな

    書では1ページ目にいきなり下のようなグラフが掲げられており、「この図が、書の到達点、そして出発点である」(2p)と述べられています。 グラフのちょうど真ん中の山が有権者の左右イデオロギーの分布、少し右にある山が衆議院議員の分布、そしてその頂点より右に引かれた縦の点線が安倍首相のイデオロギー的な位置です。 これをみると、国民の代表である衆議院議員は、国民のスタンスよりもやや右に位置しており、衆議院議員から選出された安倍首相はさらに右に位置しています。 どうしてこのようなズレがあるにもかかわらず、安倍政権は安定しているのか? それが書が答えようとする問いです。 書は、著者と朝日新聞社が衆議院選挙や参議院選挙のたびに共同で行っている「東京大学谷口研究室・朝日新聞社共同調査」をもとに、各政党、各議員のイデオロギー位置を推定し、さらに有権者への調査を重ねていくことで、「小泉以降」の日政治

    谷口将紀『現代日本の代表制民主政治』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2021/10/15
    日本では、右寄りの人ほど「公共事業による雇用確保」に賛成となっており、欧米の標準から見るとねじれた関係になっています。
  • よりよい床屋政談のために〜2021年衆院選のためのブックガイド〜 - 西東京日記 IN はてな

    岸田内閣が成立し、衆議院の総選挙が10月31日に決まりました。政治好きとしては「総選挙」と聞くだけでなんとなく盛り上がってしまうのですが、ここ数回の国政選挙に関してはその結果に不満を持っている野党支持者、あるいは無党派の人も少なくないと思います。 「なぜ自民が勝ってしまうのか?」、「毎回野党に勝ち目がなさそうなのはなぜなのか?」と思う人もいるでしょうが、その理由を何冊かのと考えてみたいというのがこのエントリーの狙いです。 まず、出発点となるのは谷口将紀『現代日の代表制民主政治』(東京大学出版会)の2pに載っているこのグラフです。 グラフのちょうど真ん中の山が有権者の左右イデオロギーの分布、少し右にある山が衆議院議員の分布、そしてその頂点より右に引かれた縦の点線が安倍首相のイデオロギー的な位置です。 有権者のイデオロギーよりも、衆議院議員のイデオロギーが右側にずれており、さらに安倍元首相

    よりよい床屋政談のために〜2021年衆院選のためのブックガイド〜 - 西東京日記 IN はてな
  • 宮本太郎『貧困・介護・育児の政治』 - 西東京日記 IN はてな

    社会保障に関する政府のさまざまな会議の委員を務め、民主党政権では内閣参与になるなど、近年の日の社会保障政策の形成にも携わってきた著者が、ここ30年ほどの日の社会保障の歴史を振り返り、「なぜこうなっているのか?」ということを読み解き、今後目指すべき新たな方向性を模索した。 なんと言っても書で面白いのは日の福祉政治についての現状分析。基的に自民党が強い中で、その体制が揺らぐ事態が生じると「例外状況の社会民主主義」とも言える方向性が打ち出されます。これに増税を目指す財務省(大蔵省)が乗っかることが介護保険などの新しい社会保障制度が生まれます。 ところが、財務省の目的は財政再建ということもあって、「磁力としての新自由主義」ともいうべき考えが制度の発展を制約します。なるべく公費の投入を抑え、民間企業を参入させるような福祉が目指されるのです。 さらに地域では「日常的現実としての保守主義」が

    宮本太郎『貧困・介護・育児の政治』 - 西東京日記 IN はてな
  • 『竜とそばかすの姫』 - 西東京日記 IN はてな

    いろいろと脚の穴もあって批判も多いのだろうけど、個人的にはこの映画のゴージャスさを買いたい。実写を含めて、ここ最近の日映画の中だと一番ゴージャスな映画と言えるんじゃないでしょうか? まず、誰もが認めるであろうことは音楽と中村佳穂の歌の良さ。 もちろんプロの歌手なので歌がうまいのは当然なのですが、声に特徴があって、なおかつスケール感がある。しかも、意外にアフレコも良く、この映画がうまくいっている最大の要因は中村佳穂の起用ということになるでしょう。 また、その中村佳穂のスケール感を活かすための映像も良くできていて、仮想空間のUの中ですずの姿で歌うシーンはアニメにおける歌唱シーンの中でも屈指の出来ではないでしょうか。 次に画面の美しさ。仮想世界U、そしてその中の竜の住む城、「新海誠には負けない!」という対抗意識をひしひしと感じさせる高知の田舎の風景の描写、どれも力が入っていて隙がないです。

    『竜とそばかすの姫』 - 西東京日記 IN はてな
  • ブランコ・ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』 - 西東京日記 IN はてな

    世界の不平等について論じた『不平等について』や、「エレファント・カーブ」を示して先進国の中間層の没落を示した『大不平等』などの著作で知られる経済学者による資主義論。 現在の世界を「リベラル能力資主義」(アメリカ)と「政治的資主義」(中国)の2つの資主義の争いと見た上で、その問題点と今後について論じ、さらに「資主義だけ残った」世界の今後について考察しています。 著者のミラノヴィッチはユーゴスラビア出身なのですが(ベオグラード大学の卒業で、アメリカ国籍を取得)、そのせいもあって社会主義とそこから発展した中国政治的資主義の分析は冴えており、「社会主義が資主義を準備した」という、挑戦的なテーゼを掲げています。 アセモグル&ロビンソンは『国家はなぜ衰退するのか』や『自由の命運』の中で、中国の発展はあくまでも一時的なものであり、民主化や法の支配の確立がなされないかぎり行き詰まると見てい

    ブランコ・ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2021/07/30
  • エリカ・フランツ『権威主義』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近、民主主義をテーマにしたが数多く出版されていますが、民主主義ではない政治というのは一体どんなものでしょう? 書は、その「民主主義ではない政治」である権威主義について語ったものになります。オックスフォード大学出版局の「What Everyone Needs to Know(みなが知る必要のあること)」シリーズの1冊で、「権威主義とはどんなもので、どんな特徴があるのか」ということを総合的に論じています。 一口に権威主義といっても、プーチンやエルドアンのようにわかりやすい「強いリーダー」がいるタイプもあれば、クーデターによって軍政となったタイやミャンマーのようにトップの姿が見えにくいタイプもあります。 書は「こういった違いをどう考えればいいのか?」という問いだけでなく、「民主主義はどうやって権威主義体制に移行するのか?」、「権威主義体制はどのように崩壊するのか?」といったさまざまな

    エリカ・フランツ『権威主義』 - 西東京日記 IN はてな
  • アン・ケース/アンガス・ディートン『絶望死のアメリカ』 - 西東京日記 IN はてな

    『大脱出』の著者でもあり、2015年にノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートンとそので医療経済学を専攻するアン・ケースが、アメリカの大卒未満の中年白人男性を襲う「絶望死」の現状を告発し、その問題の原因を探った。 この絶望しに関しては、アビジット・V・バナジー& エステル・デュフロ『絶望を希望に変える経済学』でもとり上げられていますし、大卒未満の中年白人男性の苦境に関しては、例えば、ジャスティン・ゲスト『新たなマイノリティの誕生』でもとり上げられています。学歴によるアメリカ社会の分断に関しては、ピーター・テミン『なぜ中間層は没落したのか』も警鐘を鳴らしています。 そうした中で、書の特徴は、絶望死についてより詳細に分析しつつ、対処すべき問題としてアメリカの医療制度の問題を指摘している点です。 例えば、ピーター・テミンはアメリカ社会の分断に対する処方箋として、公教育の充実、大量投獄か

    アン・ケース/アンガス・ディートン『絶望死のアメリカ』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2021/04/05
    黒人の死亡率は常に白人を上回ってきましが、近年、その差は縮まりつつあります(68p図5−1参照)。しかし、やはり黒人においても2013年頃から大卒未満の死亡率が上昇しています(69p図5−2参照)。
  • スーパークレイジー君の当選によせて - 西東京日記 IN はてな

    2021年1月31日の埼玉県戸田市の市議会議員選挙(定数26)において、2020年の都知事選でもそのパフォーマンスが話題なったスーパークレイジー君こと西誠氏が25番目の912票の得票で初当選しました(政治家としてもスーパークレイジー君として活動するとのことなので、以下もスーパークレイジー君で)。 都知事選では「百合子か、俺か」のキャッチフレーズやそのパフォーマンスからイロモノ候補かと思っていたのですが、政見放送を見たら非常に真面目な主張をしていて驚いた記憶があります。 今回の当選を受けて、マスコミでも話題を集めていますが、今回のスーパークレイジー君の当選には「驚いた」「ウケる」といった要素だけではなく、日の選挙や民主主義を考える上での重要な問題が含まれていると考えるので、以下、2つの面から考えてみたいと思います。 1. 日の地方議会の選挙制度の問題 今回の戸田市議会議員選挙の結果は以

    スーパークレイジー君の当選によせて - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2021/02/05
    ”幅広い指示”
  • エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』 - 西東京日記 IN はてな

    ピケティの共同研究者でもあるサエズとズックマンのこのは、格差の原因を探るのではなく、格差を是正するための税制を探る内容になっています。序のタイトルが「民主的な税制を再建する」となっていますが、このタイトルがまさに書の内容を示していると言えるでしょう。 富裕層への最高税率が引き下げられたこと、法人税が引き下げられたことなどが格差の拡大に寄与しているということは多くの人が感じていることだと思いますが、同時に、富裕層への最高税率が引き上げられたら富裕層海外へ逃げてしまう、法人税を引き上げたら企業が海外に逃げてします、経済成長にブレーキが掛かってしまうという考えも広がっています。そして、こうしたことを考えると結局は消費税(付加価値税)をあげていくしかないという議論の見られます。 こうした考えに対して、書は富裕層や企業からもっと税金を取るべきであり、それは可能であるという主張をしています。

    エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2020/11/22
    戦争や革命でも起こらない限り実現は難しい http://blog.livedoor.jp/yamasitayu/archives/52231472.html 井手氏の主張に比べれば、全世界各国が富裕層の抵抗に打ち勝って協調することなど朝飯前
  • 藤田覚『日本の開国と多摩』 - 西東京日記 IN はてな

    『勘定奉行の江戸時代』(ちくま新書)など、江戸時代の政治史を中心に数々の著作を発表してきた著者が開国が東京の多摩地域に与えた影響をまとめた。「あとがき」によると、八王子市の市史編纂事業に関わるようになったことがきっかけで書をまとめたとのことです。 吉川弘文館の「歴史文化ライブラリー」の1冊で比較的コンパクトなですが、開国が多摩の人々の生活や経済にどのような影響を与えたのかが分かりますし、当時の村の様子も見えてきて興味深いです。 もちろん、多摩地域に住んでいる人におすすめですが、生糸関係を中心に埼玉や群馬への言及もあり、開国が日の養蚕に与えた影響なども知ることができます。 目次は以下の通り。 幕末の多摩―プロローグ 幕末の歴史と多摩 際限のない負担増 治安の悪化 開港と地域社会の変容 慶応二年武州一揆と多摩 幕末の変革期に生きた多摩の人びと―エピローグ 多摩地域は特定の大名が治めてい

    藤田覚『日本の開国と多摩』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2020/08/22
    リフレ早くしてくれ ”米の価格だけでなく、さまざまなもの、例えば薪や日雇いの労賃なども上がったことで、高い米を買うことができたのです。”
  • 酒井正『日本のセーフティーネット格差』 - 西東京日記 IN はてな

    副題は「労働市場の変容と社会保険」。この書名と副題から「非正規雇用が増える中で社会保険がセーフティーネットの役割を果たせなくなってきたことを指摘しているなのだな」と想像する人も多いでしょう。 これは間違いではないのですが、書は多くの人の想像とは少し違っています。「日の社会保険の不備を告発する」とも言えませんし(不備は指摘している)、「非正規雇用の格差を問題視し日的雇用の打破を目指す」といったでもありません。 書はさまざまな実証分析を積み重ねることで、この問題の難しさと、改革の方向性を探ったものであり、単純明快さはないものの非常に丁寧な議論がなされています。特に仕事と子育ての両立支援を扱った第3章と、若年層への就労支援などを論じた第6章、最近流行のEBPMについて語った第7章は読み応えがあります。 目次は以下の通り 序章 日の労働市場と社会保険制度との関係 第1章 雇用の流動

    酒井正『日本のセーフティーネット格差』 - 西東京日記 IN はてな
  • 『名もなき生涯』 - 西東京日記 IN はてな

    テレンス・マリックがオーストリア出身で第二次世界大戦中に良心的兵役拒否を行ったフランツ・イエーガーシュテッターについて描いた映画。自分はこの映画までイエーガーシュテッターのことを知りませんでしたけど、殉教者としてカトリック教会から列福された有名な人なのですね。 テレンス・マリックの戦争をテーマとして映画といえば、何と言っても『シン・レッド・ライン』なわけですが、『シン・レッド・ライン』のような戦場は描かれませんし、映画としてもあまり似てはいません(ヒトラーを写したフィルムが使われているんだけど、ヒトラーと山荘から見える自然の風景が交互に流される部分とかは『シン・レッド・ライン』っぽかったですが)。 似ているのは『ツリー・オブ・ライフ』ですね。 『ツリー・オブ・ライフ』は、神の許可を受けたサタンによって財産を奪われ重い病気にもされたヨブについて書かれた旧約聖書の「ヨブ記」をモチーフにした映画

    『名もなき生涯』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2020/03/12
    エリ・エリ・レマ・サバクタニ||  予告みたとき面白そうと思ったが長すぎるので敬遠 Based on a true storyだったの
  • エリック・A・ポズナー/E・グレン・ワイル『ラディカル・マーケット』 - 西東京日記 IN はてな

    「市場こそが社会を効率化するもので、できるだけ市場原理を導入すべきだ」という考えは、いわゆる新自由主義の潮流の中でたびたび主張されており、特に目新しい提案ではないです。 では、このは何が目新しいのか、何がラディカルなのかというと、私有財産を一種の独占とみなして、その市場における特権的な地位を再検討していることです。資主義というと市場経済+私有財産制がその柱となっていますので、資主義自体を問い直そうとする思い切った試みになります。 こちらのページの安田洋祐の解説によると、E・グレン・ワイルは学部生時代から大学院生たちを(ティーチング・アシスタントとして)教える、スーパーな学部生で、平均で5、6年はかかる経済学の博士号(Ph.D.)を、たった1年でゲットしてしまう天才的な人物だそうです。 もう1人の著者はゲイリー・ベッカーと共著のある人かと思ったら、そちらはリチャード・アレン・ポズナーで

    エリック・A・ポズナー/E・グレン・ワイル『ラディカル・マーケット』 - 西東京日記 IN はてな
  • 『天気の子』 - 西東京日記 IN はてな

    なかなかいいんじゃないでしょうか。 さすがにエンタメのとしての完成度は『君の名は。』に劣ると思いますが、新海誠作品で「世界か君」かどちらを選ぶとすれば、「君」の一択であってストーリーの大筋は見えるているんですけど、あのラストは力強い。まさにポスト東日大震災の想像力だと思います。 『君の名は。』と同じくボーイ・ミーツ・ガールもので、少年は少女を救おうとし、少女は世界を救う力を持っている、このあたりも同じです。 ただし、都会、田舎の違いはあれど、そこそこ豊かな生活を送っていた瀧と三葉に比べると、今作の二人の帆高と陽菜は、事情はあれども貧しい。そんな貧しさの中でも、帆高と陽菜、さらに陽菜の弟の凪がジャンクフードを囲むの風景は、作では幸福の1つのシンボルとして描かれており、不況(雨)の中を生きる若者の幸福の肯定なのではないかと思います。 こうした、への注目とか疑似家族とかは『万引き家族』に

    『天気の子』 - 西東京日記 IN はてな
    maturi
    maturi 2019/07/27