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ブックマーク / note.kishidanami.com (5)

  • 弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら|岸田奈美|NamiKishida

    岸田家の歴史を揺るがす大事件が起きた。 わが弟が、莫大なお金を稼いだのである。 大金とは、彼が三十年働いて手にするはずの金額だ。 それを数時間で。 田舎の片隅にある剥がれたフローリングの我が家から、絶世の富豪が爆誕した。血統書のない梅吉(犬)も、高貴なチャウチャウに見えてくる。 弟は生まれつきダウン症なので、障害のある人が集まる福祉作業所で、平日の朝から夕方まで働いており、日給は500円だけど昼が450円なので、手取りは50円だということは、一旦、横に置いておく。 富豪が爆誕したのだ。 (※賃金は弟の障害の程度、作業所が受注できる業務の量、通っている人数などの兼ね合いがあり、弟も働くというよりは、みんなで喋ったり、散歩したりすることをなによりの目的にして通ってるので、ゆるく受け入れてくださる福祉作業所のみなさまにとても感謝しています) さて、その気になる稼ぎ方であるが。 手書きカレンダー

    弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら|岸田奈美|NamiKishida
    maturi
    maturi 2021/10/20
    https://twitter.com/rakkoannex/status/1445372811652976642 "「働く喜び」についてのインタビューを、「結局は他人からの承認欲求でしょ」に全て解釈・着地させ"る気が狂った作者の本を読んでしまったというツイート
  • ゆでたまごは、美しい人の美しい話なのか|岸田奈美|NamiKishida

    向田邦子さんのエッセイ「ゆでたまご」が、SNSで話題になっていた。嬉しい。声が裏返った。 好きで好きで好きすぎるがゆえに、SNS上の反応ではまだ誰も書いていない感情がわたしのなかにあるので、いてもたってもいられず、恥も外聞もなく乗っかってみる。あとから恥ずかしくなってくると思うので、気が済んだらこのページは跡形もなく爆散する。 ゆでたまごは、向田邦子さんが「愛」について語る、文庫なら3ページに満たないエッセイだ。 「男どき女どき」に収録されているので、詳しくはおのおの手にとってほしい。 ざっとしたあらすじは、 小学校四年生の向田さんのクラスには、片足と片目の悪い“I”という子どもがいた。秋の遠足で、Iさんの母親が「これみんなで」と風呂敷と古新聞に包んだ大量のゆで卵を向田さんに押しつけ、向田さんはひるんだが、断ることができず受けとった。母親は歩いていくIの背中を見守っていた。運動会の徒競走で

    ゆでたまごは、美しい人の美しい話なのか|岸田奈美|NamiKishida
  • ボルボを買った話が、とんでもねえ翻訳で希望に変わるまで|岸田奈美|NamiKishida

    2週間とちょっと前に「全財産を使って外車買ったら、えらいことになった」というnoteを書きました。タイトルで、話がほぼ終わっとる。 年の瀬のクッソ寒くて、クッソ忙しいなか、80万人が読んでくださいました。そして、サポートという応援のお金が1500人から届きました。 令和のクリスマスキャロルは、ここにあったんや……! 「おもしろいやんけ」と思ってくださった気持ちが、天にも届いたのでしょうか、普段はここぞというタイミングでありえない爆運をダメな方向へ炸裂させてしまうわたしのもとに、何ごともなくボルボが納車されました。 去年のわたしだったら、ストリートファイター2のボーナスステージ並にボルボがボッコボコに破壊されるなにかを発生させていました。みなさんのおかげです。 さて。 みなさんからいただいたお金ですが、ボルボの購入代、改造代、車検代に充てるのは、ちょっと違うなと思いました。 なぜならボルボは

    ボルボを買った話が、とんでもねえ翻訳で希望に変わるまで|岸田奈美|NamiKishida
    maturi
    maturi 2020/12/20
  • 24歳の弟は、字が書けない(はずだった、怪文書を読むまでは)|岸田奈美|NamiKishida

    わたしの弟・岸田良太には、生まれつき知的障害がある。ダウン症だ。(詳しくは「弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった」に書いた) 言葉がうまく伝わらない、発音もわかりづらい、みんなと同じことができない、いつもぼーっとしている。 でも、だめなところばかりじゃない。 玄関にを脱ぎ散らかし、母からいつも「あんたはムカデか」とお叱りを受けるわたしに比べ、よっぽど弟の方がきれい好きで、しっかりしてる。 難しい言葉はわからんが「ありがとう」「こんにちは」だけはハッキリ言えるので、すれ違う近所の人たちに挨拶と愛想を振りまきまくる弟は、愛されている。 先日もこのわたしを差し置き、内緒でからあげクンをオマケしてもらっていた。 わたしと弟で同じふるまいをしても、わたしは「アホ」で片づけられ、弟は「お調子者」と呼ばれる。後者がちょっと得をしている気がする。 かれこれ24年間、弟はずっとそんな感じで、楽しそ

    24歳の弟は、字が書けない(はずだった、怪文書を読むまでは)|岸田奈美|NamiKishida
  • 歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋知りませんか?」ってたずねられた|岸田奈美|NamiKishida

    これは、あなたのために書いている。 春から大学生や社会人になって、新しい環境にドキドキして。 大変なことが起こっている世の中で、将来や収入に不安を感じて。 家族や友人のいない都会で、漠然と寂しくなって。 そんなあなたのために、書いている。 ちなみにわたしは、このどれにも当てはまらないが「明日の運転免許試験の練習のために路上教習を受けに行ったら、縦列駐車に20回以上失敗して“もう勘でいきましょう”と教官から冷静に言われ、ヘトヘトに疲れきり、自由が丘の裏路地の階段でうなだれていた」せいか、そんなあなたに見えてしまったらしい。 はじまりのお姉さんたち 「すみません。いまから友だちの集まりっていうか、ちょっとしたホームパーティがあるんですけど、バースデーケーキ買えるところ探してるんです〜〜〜!このあたりで美味しいケーキ屋さん知りませんか?」 顔をあげたら、きれいなお姉さんが二人いた。 まず知らん人

    歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋知りませんか?」ってたずねられた|岸田奈美|NamiKishida
    maturi
    maturi 2020/06/03
    自由が丘ではてブ検索したら100件くらい連続で宣伝だった
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