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ブックマーク / sunaharay.hatenablog.com (12)

  • 民主主義を装う権威主義 - sunaharayのブログ

    東京大学の東島雅昌先生から、『民主主義を装う権威主義-世界化する選挙独裁とその論理』をいただきました。ありがとうございます。こちらは、東島さんが英語で書かれたThe Dictator's Dilemma at the Ballot Box: Electoral Manipulation, Economic Maneuvering, and Political Order in Autocracies をもとにしているものですが、日語では権威主義の歴史に関する説明なども加筆されているということです。東島さんは、権威主義体制の研究で国際的に活躍されている比較政治学者ですが、書は権威主義体制の分析でありつつも、現在世界的に「民主主義の後退」が叫ばれる中で、民主主義国の人々にとっても極めて示唆に富むものになっていると思います。 書で扱っているのは、権威主義体制における「選挙のジレンマ」、つま

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    maturi
    maturi 2023/04/13
    独裁者と民意
  • sunaharayのブログ

    宣伝ですが、『「戦後日」とは何だったのか-時期・境界・物語の政治経済史』に「戦後日政治における職業的な利益と地域の利益」という章を寄稿しました(配はもう少し先みたいですが)。書は、科研の基盤研究A「戦後体制(レジーム)とは何であったか――「戦後日政治経済史の検証」の成果の一つということになります。政治学に限らず多くの研究者が参加した大部なになっていまして、ちょっと値段も高いのですが、それぞれ読みどころのあるではないかと思います。冒頭で「戦後」とは何かについて考えるところから始まって(第I部)、戦争の延長としての戦後(第II部)、外交・貿易・安保における戦後(第III部)、統治制度の原理や運用から見た戦後(第IV部)、社会・家族・環境から見た戦後(第V部)と続きます。当にいろんな読み方ができると思うのですが、個人的には、第II部の議論、中でも前田健太郎さんの占領軍から見た「

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    maturi 2019/07/07
    砂原庸介・神戸大学教授
  • 経済教室への補足 - sunaharayのブログ

    7月2日付けの日経済新聞・経済教室に『参院選で何を問うのか(下)将来を巡る対立軸 意識せよ』というコラムを寄稿しました。選挙前の記事という「ナマモノ」で,来そういうのを書く能力に乏しいのですが,せっかくのお話なのでチャレンジしてみました。普段の地方政治住宅などに関するコラムの場合には論文・で言ってることをベースに書いてると思うのですが,今回は『二つの政権交代』以来細々と続けている研究がベースで,たまたま同じ日経新聞の2年前の経済教室や最近の記事*1でのアイディアを発展させて書いているような感じです。 まあ前半の参議院の選挙制度がもたらす個人投票の話や各政党のマニフェストの話はいいのですが,後半の生活保障-社会的投資の軸については,2年前の経済教室でも取り上げたHausermannさんらの研究をもとにしています。最近のヨーロッパの福祉国家研究の成果ということで,現在大学院のゼミでも勉

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    maturi 2019/07/07
    もちろんこの手のWise spendingについてはずっと主張されつつも政治過程でのゆがみが入るために難しいということは指摘されています。しかし政党の主張として,政治過程における個々政党の思惑を統制して賢い支出をする
  • 『経済学者 日本の最貧困地域に挑む』 - sunaharayのブログ

    紹介を読んですぐにKindleで買いました。非常に勉強になったし,何より読んでいて面白いと思えるところが優れただと思います。題名には煽りがあるし,力み過ぎてるところもあると思うし,また内容についても鈴木先生じゃない人が見たらそんなにいいもんじゃないと別のことをいう可能性はあるかもしれません。でも,鈴木先生は特別顧問を務められた間での行政や地域の政治過程というのをよくご覧になっていて,非常に体系的な形でまとめられているなあという印象を受けました。知らないことばかりで驚きも多かったですが,個人的に特に面白かったのは,警察の話が出てくる16章と,まちづくり会議をやっている18章です。あと,あいりん総合センターの移設検討のときに,初めての検討会の直前で毎日新聞がリーク記事を発表したという話(のちに訂正があったとか)。 一貫して当にすごいなあと思ったのは,関係者の信頼関係がなんとなく浮かんでくる

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  • 多数決を疑う - sunaharayのブログ

    慶應義塾大学の坂井豊貴先生に頂きました。自分でみてる限りAmazonだと拙著『民主主義の条件』と一緒におすすめされることが多いのですが、ぜひ一緒に読んでいただきたいだと思います。たぶん、坂井先生と僕は、重きを置いているところがちょっと違うと思うけど、最後の結論は今考えていることと実に近く、とても我が意を得たりという感じ。 内容は、まずはじめから4章まで、前著『社会的選択理論への招待』を、さまざまなエピソードを交えながらより分かりやすく説明した感じのものとなっている。エピソードは選挙制度の話が出てくるわけだが、取り上げられているナウルとかキリバスの選挙制度は詳しく知りませんでした。いやー、やっぱりいろいろな選挙制度があるものだ。また、前著同様に改憲ルールは、2/3というハードルを埋め込むべきではないか、という提案もされています。 書は、『社会的選択理論への招待』と比べると、より現実への含

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    maturi 2015/08/31
    ”権力のある種の自律性をどう評価するか”   「社会制度は天や自然から与えられるものではなく、人間が作るものだ。」
  • 『市民を雇わない国家』 - sunaharayのブログ

    東京大学の前田健太郎先生の博士論文。非常に勉強になった。基的には日を中心とした丁寧な事例研究を通じて、公務員の数がどのように決まっているのかという問題を議論するもの。最後のところでは、計量分析の成功研究についての再現を使った分析をしていて、これは良い試み。実際のデータを追いかけると、有意とされている「独立変数の効果」というのがまあそれほど大したことないこともわかるし、再現を通じて分析される方はドキドキするかもしれないけど、データを公開して広く分析してもらうというのはありがたいことだろう。 書の主要な主張をざっくり言うと、日公務員数が少ないのは早い時期から行政改革が行われたからだ、ということである。稲継裕昭先生や西村美香先生の公務員制度研究を踏まえて、それに続く研究として位置づけられることになるだろう。これまでの研究が、実態分析や歴史的経緯の跡付けをメインにしていたのに対して、

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    maturi 2014/10/16
    「なぜ少なくなったか」と、「なぜ少ないのにやっていけるのか」という2つの論点|60年代の改革によって抑制基調になる~なぜそれが維持できたのかというのはやや別の話のような気がする。もちろん、公益法人なんかに
  • 少子化論 - sunaharayのブログ

    最近ブログがいただきもの記録にしかなってないので月に二回くらいは書きたいと思いつつ6月は失敗。先月のいただきものは重くて整理できていないので、とりあえずちょっと前に読んだこの『少子化論』を紹介したい。 少子化関係の書籍は多いが、研究書としてはそんなにないような気がする。あっても少子化を正面から取り上げるというよりは、「子育て支援」の文脈で議論されることがほとんどで、保育施設をどのように増やすか、といったような議論に収斂することは少なくない。それに対して書では、「少子化」が問題であるとする立場からその問題について分析し、政策提言まで行っている貴重な書籍と言える。 書の主張は、少子化の原因が未婚化にあるというものであって、これ自体はそれほど珍しい議論ではないように思う。最近の良心的な(?)議論では、女性の社会進出とか、子どもの養育コストが大きいとかそういう議論より、書と同様に未婚化を問題

    少子化論 - sunaharayのブログ
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    maturi 2013/07/04
    )近年は都市の出生率は下げ止まっているが地方の出生率が下がっている地域はその低下が著しい(3)最近の「少子化対策」は「都市型」の傾向が強いため、地方の少子化対策には向いていない、地域ごとに独自の対策が
  • 2006-10-12

    普段読む研究書とはやや違う風合いのものを。 武器としての<言葉政治> (講談社選書メチエ) 作者: 高瀬淳一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/10/07メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見るこのは結構書評しにくい。が,たぶんよく安直に語られる「小泉政治」というものを出来合いの理論とは違うかたちで「政治学的に」分析しようとした一つ目の,というように評価することができるんじゃないだろうか。小泉政権の分析については,他にも『官邸主導』とかそういう優秀な研究があるわけですが,これまでの研究は,どちらかというと,ミクロなアクターの相互作用に焦点が置かれることが多かったと考えられる。それに対して,書ではもう少しマクロな視点に立って小泉政権の分析が行われることになる。そのときのキーワードが,「不利益分配」と<言葉政治>ということになる

    2006-10-12
    maturi
    maturi 2013/07/02
    haruhiwai18氏が興味もってそうなジャンルのような気もする
  • 不利益分配? - sunaharayのブログ

    普段読む研究書とはやや違う風合いのものを。 武器としての<言葉政治> (講談社選書メチエ) 作者: 高瀬淳一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/10/07メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見るこのは結構書評しにくい。が,たぶんよく安直に語られる「小泉政治」というものを出来合いの理論とは違うかたちで「政治学的に」分析しようとした一つ目の,というように評価することができるんじゃないだろうか。小泉政権の分析については,他にも『官邸主導』とかそういう優秀な研究があるわけですが,これまでの研究は,どちらかというと,ミクロなアクターの相互作用に焦点が置かれることが多かったと考えられる。それに対して,書ではもう少しマクロな視点に立って小泉政権の分析が行われることになる。そのときのキーワードが,「不利益分配」と<言葉政治>ということになる

    不利益分配? - sunaharayのブログ
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    maturi 2013/07/02
    高瀬淳一「,「小泉型」というのは,パレート基準で社会的な厚生が変わらないという状況で,ある「パレート最適点」から別の「パレート最適点」を目指す,つまり配分のあり方を変える政治ではないか,と。」
  • 多数決と法の支配 - sunaharayのブログ

    12月16日の選挙結果は、自民党と公明党が合計で320議席を超える大勝となった。自民党総裁が、以前から「戦後レジームからの脱却」と言ったり、改憲志向が強いということが指摘されていたが、今回はまず憲法96条の改正に意欲を示しているということで、この点について危機感を感じる人は少なくないと思われる。 僕自身も、怖いなあと思わないところがないけれども、ただこれは、日が1990年代から進めてきた多数決型の民主主義を重視するという発想からは、必ずしも不思議ではない。レイプハルトが議論した議会制における多数決型民主主義と合意型民主主義の比較は次に示すようなモデルが提示されていて*1、以前の中選挙区で派閥連合に基づく自民党政権が、合意型民主主義のひとつの典型と考えられてきたものを、多数決型民主主義に変更しようということになるわけだ。中央銀行を政府に引き寄せようとするところなんかも、ある意味で多数決型の

    多数決と法の支配 - sunaharayのブログ
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    maturi 2012/12/20
    俺の行動が違法なのは法の方が間違ってるという弁護士兼市長がどこかにいたような気がするが|
  • 議員定数削減 - sunaharayのブログ

    数日前に、橋下徹大阪市長が、現在480である衆議院の議員定数を、240に半減することを提案する考えを示したとのこと。朝日新聞の記事によると、以下のとおり。 「衆院定数を半減」 維新代表・橋下氏が表明 大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は26日、松山市での講演で、次期衆院選向けの政策集「維新八策」に絡み、480の衆院定数を「240まで落とす」と述べ、定数半減の目標を明記する考えを表明した。同会が近く結成する新党に国会議員が参加する場合は定数半減への賛同を条件にする考えも示した。 橋下氏は来月上旬に国会議員と意見交換会を開く意向も表明。維新の会関係者によると、意見交換会は同会がつくる新党への合流を検討する現職国会議員に参加を呼びかけ、9月9日に開く方向で調整している。 松山維新の会主催のフォーラムで橋下氏は「国全体の仕事に絞り込めば(衆院議員は)480もいらない」と強調。「(定数削減は)過半数を

    議員定数削減 - sunaharayのブログ
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    maturi 2012/09/09
    "議員定数を半減すれば、単純に考えると選挙区の大きさが二倍になる"維新の会が、現在の選挙制度のもとで議員定数削減を掲げるのはなかなか興味深い。効果のことは考えていない、ということもあるかもしれないけど"
  • 生活保護と入院 - sunaharayのブログ

    たまたまテレビでやっていた「かんさい熱視線」が非常に興味深い内容だった。なんかビデオとかないだろうか。これってNHKアーカイブスが使えたりするのだろうか。 疑惑の手術〜追跡・病院の貧困ビジネス〜 奈良県大和郡山市の山病院を舞台にした診療報酬詐欺事件。元ホームレスなど生活保護の患者を積極的に集め不正な診療報酬請求に利用していた疑いが高まっている。NHKは山病院の元医師や元患者などを取材。「他に行き場がない」「家族がいない」といった弱みにつけ込み、生活保護の患者に必要のない検査や手術を行っていた実態も浮かび上がってきた。山病院で何が行われていたのか。新たな貧困ビジネスを追跡する。 少し前に問題になった山病院の話をNHKが独自取材した内容。実は理事長が逮捕される前から中に入って、結構厳しい内容で聞き取りをしていたらしい。もっとも、10年前に病院ができてから内部告発も絶えなかったということ

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    maturi
    maturi 2009/11/05
    ちなみに生活保護は自治体毎(地方分権)なので、山本病院のようなモラルハザードに対して、自治体によっては管内で発生した行路病人に交通費を渡して他へ行っていただこうとするレベルのインセンティブは働くようだ
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