一般的には、企業収益が適正利潤を超えたときにその超過分を税収として吸収しようとして設けられるのが超過利潤税であるが、原油生産者については、二度にわたる石油危機に伴う原油価格高騰や、原油価格規制撤廃に伴う価格上昇などにより、原油生産者にとって予定外の超過利潤が発生したとして、それを税収として吸収するために設けられている。原油に関する超過利潤税の形態は各国で異なっているが、主要な国における形態は以下のとおりである。(1) 米国:国産原油価格の規制撤廃に伴って 1980 年に導入された。根拠法となる超過利潤税法(Windfall Profit Tax Act)によると、まず国産原油を課税原油と非課税原油に分け、非課税原油には、政府・慈善団体所有の資産あるいはインディアン、アラスカ・エスキモー所有の油田からの生産などが含まれる。課税原油は三分類され、1979 年 5 月の価格規制撤廃以前の生産井に