「公文書の重み」が、いま改めて問われている。公文書管理法の制定に取り組んだ福田康夫元首相に、その背景と現在の日本の状況をどうとらえているかを聞いた。 ――公文書に関心を持ったきっかけは 直接的なきっかけは、米国に国立公文書館(NARA)という大変立派なものがあるのを知ったことです。1980年代半ば、国会議員になる前、父(赳夫元首相)の秘書をしていた時だ。地元である群馬県の前橋市の学校が、終戦直後の航空写真が欲しいということで探していたが、なかなか見つからなかった。知り合いの新聞記者に頼んでNARAで調べてもらったら、「あるよ」と。それで米国に行ったときにNARAに寄って検索用カードで「MAEBASHI」を調べたら、数十枚の写真がすぐ出てきた。ワシントンDCに、日本の地方都市の、しかも戦争で焼かれた写真があるということにびっくりした。しかも、よく整理されていて誰もがアクセスできる。「あぁなる
