私が高校生の頃、私達家族は橋本さんと一緒に住んでいた。ホームスティに来ている人ではない。橋本さんは毎晩、よく出かけていた。 しなやかで妖艶な歩き方、そのカラダから優しくふんわりと出るフェロモンがオトコたちを魅了するのであろう。 オンナの私から見ても、彼女はとてもチャーミングでセクシーだった。 彼女自身も抑えきれない欲望を持て余し、とっかえひっかえ一夜限りのアバンチュールを堪能していたのかもしれない。 ヒラヒラと可憐に舞う夜の蝶となり、花となった男たちを虜にする。 そんな橋本さんは、昼間はほとんど家で過ごしていた。 仕事はしてない。 ごくたまに夕食の時間に居ない日があった。 何も言わずに出て行ったから、ふらりと散歩でもしているのだろう。 玄関の外に出て 橋本さーーーん、橋本さーーーん!!! 少し大きな声で呼んでみた。 しばらくすると橋本さんが戻ってきた。 何事もなかったかのような顔で食事を始