ブックマーク / topnotch.hatenablog.com (79)

  • 未来の美人の割合は、今の割合より多い?少ない? - 寝る前に読む小話

    - 100年後の日はいまより美人が多いと思うか 「どうだろう。ハーフの人はきれいだというから、美人になってるんじゃない。今後、外国の人と結婚することも増えてくるでしょうし」 - そういう話じゃないんだよ。 「どういう話なのよ。メイク技術があがるとか整形が増えるという話?」 - 違う。年数がたてばたつほど美人は増えていくんだよ 「どういうこと?美人の割合は、確率的には同じでしょ」 - 違う。美人の方が恋人を作りやすいだろ。ということは結婚しやすい。そして、子供を生みやすい。そうでない場合は美人の人よりは子供を生みにくい。 「なるほどね。ただ、それは美人に限らず男もでしょ」 - そうだな。ただ、男は結婚要因で他に重要なものとして財力もあるからな 「じゃあ、将来の人の方がお金もちってわけね。じゃあ私は未来の人と結婚しようかな」 - ただ、金持ちかどうでないかは相対的に決まるから、それこそ、「金

    未来の美人の割合は、今の割合より多い?少ない? - 寝る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2018/09/26
  • 夢で会えたら - 寝る前に読む小話

    「夢に会いに来て」というセリフや「夢みたい」という表現があるが、それは夢の良い面しか見ていない。夢が、目覚めない夢だとしたらどうだろう。それは、もはや悪夢でしかない。 それを体験したのは、旅行から帰ってきた直後のことだった。飛行機疲れもあり、また風邪も重なり体調を崩していた。いまから思い返せば、それらが原因なんだろう、と考えるしかない。しかし、実際のところは、そんな理由で説明つかないほどの不思議な体験をした。 旅行から帰ってきた翌日に、目覚めたら、そこは夢の中だったのだ。 自分は起きている。起きた場所も自分の部屋。しかし、そこは夢だ、という感覚が残り続けている。そして、微妙に少しだけ自分の知っている世界との違いがそこにはある。 しかし、起きた瞬間は、そこまで冷静に考えられなかった。まず思ったのはこうだ。 「これはなんだ」。 これはどのように説明すれば伝わるだろうか。プールから出たらプールだ

    夢で会えたら - 寝る前に読む小話
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    maxa55 2018/09/24
  • Spotify - 眠る前に読む小話

    「何を聞いているの」 私が勇気をもってきくと、彼がイヤホンを貸してくれた。耳にすると、なんだか軽快な音楽が流れてきた。 「AmPmって知ってる?」 知らないと答えると彼が言う。 「日人のアーティストだけど世界中で聞かれてるの。でも、覆面で、誰かわからないんだ」 へー、と思いながら、私はその音楽を聞く。日ぽくないな、と思いながら。 「こういう音楽好きなの?」 「んー。こういう音楽だけじゃないけど、いろんな音楽を聞くのが好きなんだ」 私は日の曲しか聞かないから、いろんな曲を聞いているミサキ君のことがすごいな、と思った。なんだか私の聞いている曲は恥ずかしいなと思った。だから、「どんな曲を聞いているの」と聞かれても「あんまり音楽聞かない。わからなくって」と答えた。 「そうだ。ササキさんってSpotifyつかってる?リスト共有するよ」 と、ミサキ君がいってくれた。Spotifyは、友達にすすめ

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    maxa55 2018/09/12
  • タクシーの中での電話 - 眠る前に読む小話

    地中海のある島を旅行していた。その国ではUberは使えない。だからタクシーを使う。 時差ボケの頭をしゃきっとさせるように水を飲んで部屋を出る。ホテルのフロントに頼んでタクシーを待つ。タクシーを待つ間、日で残してきた仕事のことを考える。距離が離れると思考も離れるというけれど、こんなに距離が離れても仕事のことが残っているなんて、仕事の粘着度が高いな、なんて思いながら。 数分でくるといったタクシーが10分ほど遅れてくる。でも気にしない。なぜならこのくには南国なのだから。 タクシーに行き先を伝える。片言の現地の言語で。タクシーはOKといって狭い道を走り出す。運転しながらタクシーの運転手がしゃべる。「何?」と聞くと、スマートホンに指を指す。 彼は僕と喋っているのではない。スマートホンを通じて誰かと喋っている。 - 喋りながらの運転か、危険だな と思いながらうとうとする。なんせ時差ボケで昨日はあまり

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    maxa55 2018/09/10
  • 嘘の代償 - 眠る前に読む小話

    「男ともだち」という小説でこのようなエピソードがある。嘘をついた日の帰りは果物を買いたくなる、という話だ。 人は生きていれば大なり小なり嘘をつく。「友達と飲んでた」「ごめん、いま起きた」「道が混んでて」「ごめん。明日リスケさせてもらえない?仕事入った」。 時には、相手が「嘘だ」とわかると思ったとしても嘘をつかないといけない場面もある。人は時にそれを必要な嘘、というし、あるいは、「良い嘘」とも言う。 しかし、嘘は気づかぬうちに人を蝕んでいく。嘘は、自分の体に1つ鍵をかけるということだ。そして、キーを忘れると嘘が体から出てしまう。 - あれ、先週は仕事っていってなかった? - その時間は、あなた、Facebookでオンラインになってたじゃん - お金、手術代にいるっていってたよね だから、1つ嘘をつく度に、あなたはキーを1つづつ増やしていく。どんどん重くなる鍵の重み。 女がキッチンでお茶を入れ

    嘘の代償 - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2018/08/25
  • hang in there - 眠る前に読む小話

    誰しも生きているとしょぼんとする時がある。 仕事で失敗した時や、好きな子からの約束が破られた時、あるいはお金をなくした時。あるいは、全部がいっせいに起こった時。 「なにやってんだろう」とつぶやく。「どうしてこんなことが起こるんだろう」と思う。「今は世界が敵だな」と思う ただ、行動経済学的には、それらは確率の話で整理できる。「悪いこと」というのが毎日10%の確率で起こり、「とても悪いこと」というのが5%の確率で起こる時、200日の1度は「悪いこと」と「とても悪いこと」が起こることになる。すなわち、1年に2度は、そんな日があるのだ。そして、人は「悪かったこと」を記憶するので「悪いことが重なった日」だけを記憶に残る。残りの「悪かったことが1回しか起こらなかったこと」は、日常に忘れてしまうのだ。だから、人は「悪いことが続くな」とだけ、記憶している。 だから、辛い時は、「ああ、確率的に今が、たまたま

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    maxa55 2018/03/18
  • 父の呪い - 眠る前に読む小話

    小学二年生頃のことだったように思う。 私はその年頃にふさわしく公園や街を駆け回っていた。いま思い返せばよく車などとの接触事故をしなかったな、と思うけれど、いずれにせよ駆け回っていたのだ。 そして案の定、怪我をした。あの頃の怪我なんて日常みたいなものだ。でもその時の怪我は普段の怪我よりも少し大きめの怪我で。 公園でつまずき、ガラスのようなもので足を切ってしまった。そして足から血が流れた。 僕にとってその怪我はなかなか大きな怪我で、特に流れる血が多かったから少し動転して。 慌てて家に帰った。その時は日曜日だったか、父が家にいて。その怪我を見た父は私に言った。 「そんな怪我たいしたことない。つばつけておけば治る」 それは父なりの優しさだったのかもしれない。気が動転して、慌てている私を不安にさせないための。 その後に母親が出てきてマキロンかなにかを塗ってくれて傷テープを貼ってくれた。 その父の言葉

    父の呪い - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/06/09
    このような感じ好きです☆
  • 野球部のマネージャーの彼氏は誰? - 眠る前に読む小話

    野球部のマネージャーで、アイコという女の子がいた。かわいい女の子だった。今の子たちには伝わらないかもしれないけれど、タッチのミナミのような、少し勝ち気のある女の子だった。 もう1人、タカコというマネージャーもいたけれど、彼女は男勝りなキャラだったので、アイドルという位置付けではなかった。だから、僕たちのアイドルはアイコだった。 みなはアイコに応援してもらうために頑張った。彼女に喜んでもらいたいために頑張った。 中学生よりは自分の心の正直だけど、大学生よりは素直になれない思春期の僕ら。ただ、その持て余した感情を抱えて、それを発散するがごとく走り込みを続けた。彼女の笑顔をガソリンに走るトラクターだった。雨の日も、真夏の日も、土日も走り続けた。 でも、幸いなことにアイコには彼氏がいなかった。だからこそ、みなのガソリンであり続けた。一歩間違えれば、今でいうサークルクラッシャーになっていたかもしれな

    野球部のマネージャーの彼氏は誰? - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/04/21
    おぉ!こういう落ちだったとは☆
  • 宮益御嶽神社にて - 眠る前に読む小話

    学校でなぜ手のつなぎ方を教えてくれないんだよ、と思った。微分やフランス革命よりも重要だろうよ。 今日は2回目のデート。渋谷のデート。電車で40分揺られて渋谷につく。 まずはセンター街を散歩。そして、そこから少しはずれたところにあるゲーセン。UFOキャッチャーとコインゲーム。そして、プリクラ。プリクラの時に少し手をつなげるかと思ったけど、駄目だった。「手をつないで」っていうポーズがあればよかったのに。 そこから、ぶらぶらと渋谷を歩く。おしゃれなカフェや喫茶店を眺めながら歩く。 僕はみっちゃんの手をつなぎたいけど、人が多くてダメだ。もっと人が少ないところじゃないと。 座りたいね、と彼女が言う。1時間以上も歩きっぱなしだ。事前に調べておいたカフェに向かう。 「コーヒーが美味しいカフェらしいよ」と僕は言う。 15分歩いて向かったそのカフェは満席で。 しょうがないから、他にカフェを探す。でもエクセル

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    maxa55 2017/04/16
    ステキです☆
  • 花屋の花は見るためだけに使うものではない - 眠る前に読む小話

    花咲く花屋は今日も忙しい。 16時頃、お店に訪れたのは20歳後半の女性だった。スーツ姿がかっこいい。 「すいません、お花を探しているんですが」 - はい、どういうお花でしょう 「あのー。いいずらいんですが、相手を殴るための花ってありますか。花をそんな風に使うのは申し訳ないんですが、どうしても花で殴りたくて」 大丈夫です、と私は笑顔で即答しながら言うべき言葉を探す。 花って、きれいに見るだけの存在でもないんです。あなたの思いを相手に伝える道具として使われるとしたら、それはそれで花の正しい使い方なんだと思います。たとえばハーブやオイルに使われる花だって、観賞用とは別の使い方だし、菊のようなべるお花もありますよね。時には、殴るためだって使われてもいいと思うんです。それがお客様の大切な思いを伝えるための手段なら。 「ありがとうございます。仲がいい男性がいたんですが、他の女性と結婚するってわかって

    花屋の花は見るためだけに使うものではない - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/04/07
    こういう感じ好きです☆
  • 世界に借りがある - 眠る前に読む小話

    「まじか」と思わず声に出る。その声と一緒にでた息が白く濁る。 この寒さの中、こんな何もないところで自転車がパンク。これは辛い。 すっかり空気が抜けている。何かを踏んだようだ。とはいえ乗れるかな、と自転車に乗ってみるが、とてもじゃないが危険で乗れない。ふらふらする。何より自転車のホイールを痛めることになる。 昼間ならば、近くの自転車修理のお店を探すのだけれど、今は夜中の1時。どこもやってないだろう。 どうしたものか。自転車を押しながら歩く。歩いて帰ると、多分3時間はかかるだろうな。トボトボと歩きながら考える。風が寒い。辛いな、と思いつつも他の選択肢がない。次のコンビニではココアを買おうと思いながら自転車を押す。 20分ほど歩いた頃だろうか。急に横に車が止まった。思わず身構える。 しかし、窓が空いて顔を出したのは気のいいおじさんだった。 「どうした?」 自転車がパンクしたことを話すると、車に自

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    maxa55 2017/04/03
    このような感じす好きです☆
  • SMSをLINEと教わった子供 - 眠る前に読む小話

    お母さんから「これがラインよ」と教わったものが、「ラインじゃない」と気づいたのは、中学生になってからだった。 それまでぼくは、ショートメッセージをラインと教わってきた。テレビで緑のラインの画面がでた時に、僕が「あれライン?」と聞くと「あれは新しいラインだね」と言っていた。「そうなんだ」と思いながら3年間をすごした。ぼくは自分のラインが古いラインだ、と思っていた。 お母さんがなぜ嘘をいったのかわからない。たぶん、他のひととラインをしてほしくなかったからかもしれない。でも心配いらないのに。ぼくは友達がいないから。 僕は人と話をするのが苦手だった。だから、友達はいなかった。だからラインを交換することはなかった。ラインをする相手なんていなかった。その前にケータイをもっている人も少なかったけど。 もしかするとお母さんもこれをラインだと思ってたのかな、と思うけれど、多分、そんなことはないだろう。だって

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    maxa55 2017/03/22
    このような感じ好きです☆
  • 「写ルンです」で撮ったもの - 眠る前に読む小話

    「写ルンです」が、いま改めて人気らしい。 あのフィルムの雰囲気が良いのだろう。当時、使っていた人間からすれば、手巻きや現像のメンドクサさは懲り懲りだが、若い者には、それ自体が新しく珍しいのだろう。 だから、温泉旅行に彼女が「写ルンです」を持ってきても、さほど驚かなかった。流行っているんだな、と。 僕はミラーレス一眼で写真を撮り、彼女は写ルンですで写真を撮る。出来上がりの違いは面白い。 旅行ではたくさんの写真を撮った。細くて高い滝やいきの良い海鮮料理、道端で売っていたみかん。湯気の香る温泉や道中で立ち寄った小さなカフェのドリップコーヒー。2人で構図を決めてワイワイ言いながら。 旅行が終わり家に帰る。彼女が言う。 「2枚だけ残っちゃった」 そうだった。「写ルンです」には枚数がある。現像に出すのは、それを撮りきってからの方がいい。 「じゃあ、撮ってあげるよ」と僕は写ルンですを手にとって、彼女を撮

    「写ルンです」で撮ったもの - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/03/05
    このような展開好きです☆
  • 歯ぁ食いしばって、寝る - 眠る前に読む小話

    先日、ナインティナインの岡村隆史氏がこのような話をしていた。 キングコングの西野さんがInstagramで、セフレを募集していた。 彼はそれに驚く。何か意図があるんじゃないかと推察する。ただ同時に、羨ましいと考える。もしそのようにして素敵な方と出会えたらうれしいと思うのは、当然だろう。 そうして、羨ましさと自重の葛藤の末、彼はこう言うのだ。 「歯ぁいしばって、寝るしかあらへん」と。 どれだけ自分がそれをしたくても我慢。歯をいしばり耐えて寝る。 これは芸人の坂田利夫さんのエピソードからきている。ストリップ劇場にいった坂田さん。魅力的なストリップを見た後輩が「たまりませんわ。どうします」と言ったところ、坂田氏が「歯、いしばって寝るだけや」と回答したことに由来する。いくら素敵な人がいても、手を出してはいけない相手ならば、我慢して寝るしかない、ということである。 ストリップ劇場にもよらず、人

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    maxa55 2017/02/19
    大切なことだと思います☆
  • 死にゆくための儀式 - 眠る前に読む小話

    「人は無くしてから、その価値に気づく」というのは事実だろう。 今回も北朝鮮の指導者の兄弟の死に関して、多くの評価がメディアに溢れ、彼の死を悲しむ声が聞こえた。死ぬまでは、ほとんど表に出てこないのに、死ぬと急に表に出てくる美談。 これは常に繰り返される光景だ。芸能人でも、あるいは、自分を盾にして子供を守ったおじいちゃんも。亡くなってから「惜しい人をなくした」と言われる。 これは、でも、そういうものなのだろう。人は無くすまではその価値を気づかないものなのだ。 もし死ぬ前に、人々の良いところをピックアップしていたら、メディアは扱うネタで溢れてしまう。あるいは、我々はあらゆるものに感謝し続けないといけない。それは、なんともいきづらい。 だから、我々は、それをなくすまでは、その価値は眠らせておく。 同時に、死者は美化されるのも事実なのだろう。良いところだけがピックアップされる。誰も死んだ人の悪口はあ

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    maxa55
    maxa55 2017/02/19
    確かに・・・。
  • ちょこっと - 眠る前に読む小話

    「14日、仕事帰りに家に寄るね」とミサは言う。 ああ、14日。バレンタインのチョコをくれるのか、と僕は思う。 14日、仕事から帰って、家でパソコンをしているとインターホンが鳴る。ミサだ。「チョコなんだろうけど、チョコチョコ言うのもあれだから、ちょっとだけチョコなのかな、という顔」で迎え入れる。 彼女が右手に持つ紙袋が気になる。ファッションブランドものの紙袋だ。すると手作りかな、と考える。 部屋にあがり、少し話をする。「チョコはまだかな。まだチョコかな」と少しそわそわしながら、話をする。そして、ミサは言う。 「いいものもってきたよ。あげるー。ハッピーバレンタイン」 袋を空けると、ボックスがあり、ボックスを明けると彼女の手作りが入っていた。ただ、それはチョコではなくアップルパイだった。 「あなた甘いものあまり好きじゃないでしょ。だからアップルパイにしたけどどうかな」 「気が効くね〜。ありがとう

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    maxa55
    maxa55 2017/02/15
    好きです☆
  • 親の死とクリーニングと - 眠る前に読む小話

    広島を離れたのは18の時だった。東京の大学に行くことになり地元を離れた。 東京行きの新幹線はとても心細かったのを覚えている。小雨が振る寒い3月だった。 それから10年経った。新幹線の寂しさはなくなったけれど、その分、地元の記憶も薄れた。 帰郷するのは、せいぜい年末くらい。1年で3日間だけだ。それも、おせちべていれば過ぎてしまう。 両親が平均寿命まで生きるとすると、あと30年。計算すると、両親と一緒に過ごせるのも1000日くしかない。一緒に暮らしていると考えるとたった3年。 そう考えると、もっとたくさん帰りたいと思うけれど、仕事をしているとなかなかそうは行かない。 電話や手紙をもっとしたいな、と思うけれど、日常という魔物に押しつぶされてなかなかうまくいかない。 それでも、週末にはクリーニングに服を出す。クリーニングに行く10分があれば、実家に電話すればいいのに、と思うけれど、ついつい電話

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    maxa55 2017/02/11
    確かにそうかもしれません。
  • 鬼のいない家 - 眠る前に読む小話

    節分の時期はいつも憂になる。うちには鬼をする夫がいないから。 私が鬼のお面をかぶってもいいけれど、そうすると娘が頼れる人がいなくなる。そんなトラウマになるようなことは経験させたくない。 クリスマスだとまだいい。サンタは姿をみせる必要がないから、私がプレゼントをおいても娘にはバレない。でも節分は姿を見せないといけない。うちには鬼になってくれるお父さんはいない。 ナマハゲみたいに、町内会のおじさんがうちにきてくれればいいのに。 でも今年はいつもと違う。タカシさんが「鬼をしてくれる」と言ってくれた。仕事帰りの疲れているところ、ありがたい。お陰様で、昨日の節分はうちに鬼がきた。 娘は泣きじゃくって私に飛びついてきたが、最後には一緒に豆を投げた。2人で鬼を退治することができた。 「これで福がくるね」と娘と言い合った。豆の掃除も2人でした。 そして、今日。 「今日は鬼がこないの?」と娘が言う。昨日、

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    maxa55
    maxa55 2017/02/05
    このような感じ好きです☆
  • 恵方巻きのノルマ - 眠る前に読む小話

    「コンビニ店員に恵方巻きのノルマ」というニュースを見た。バイトでも「今年は10予約をとってこい」と言われて、予約が取れないと給料からその分を年引きされてしまうって。 実は私もコンビニ店員なので、そのニュースは他人事ではなかった。「そうそう、うちも!」って。うちは、ニュースで言ってた10よりも少ないけれど、3を予約しないといけない。1300円だから、3だと900円だ。1時間のバイト代が消えてしまう。 どうしようかなーと思った。憂だ。 1は自分でべてもいい。お父さんもべるだろう。あと2。もう1はアキコにお願いできるだろう。このあいだ漫画も貸してあげたし。 あと1は誰に売ればいいんだろう。 この3日、考えたけれど、思いつかなかった。仲の良い友達は2人しかいない。アキコとアヤだ。でもアヤはお金がないから買ってくれないだろう。 あ、そうだ!ダイスケにあげよう。 ダイスケはいつ

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    maxa55
    maxa55 2017/02/03
    このような感じ好きです(≧∀≦)
  • ユートピア - 眠る前に読む小話

    この世の中に「ユートピア」ってあるのか、と思った。サウナの名前ではなく、「楽園」という意味のユートピアだ。 楽園でもエルドラドでも呼び名はなんでもいい。ザナドゥでも、理想郷でもいい。 昔、コロンブスが目指した新天地。あるいは、お釈迦様が目指した天竺のような、何か新しい世界を見せてくれる場所は、現代はどこかにあるんだろうか? 現代は、どこかに行きたくなければ飛行機でひょいっといける。インターネットで情報や写真も見ることができる。もうユートピアは残っていないんじゃないか。マイケル・ジャクソンのネバーランド以外は。 そんな思いを抱いたのは、いろんなユートピアと思われるところに行ってきたからだ。 沖縄の石垣島では青い空を見て「楽園ぽさ」は感じたが、ユートピアではなかった。10万円以上の風俗はユートピア感を感じたが、刹那であった。恵比寿の高級フレンチロブションも建物からしてユートピア感は溢れていたが

    ユートピア - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2017/02/02
    続きが読みたいです!ググったら本当に風の谷のようですね☆行ってみたいです!!