「質より量」といった、本来ならネット媒体が取るべき戦略を紙媒体に持ち込んでいるのも秀逸だ。 600点もの大量の写真を掲載するには、カメラマンは、どう少なく見積もっても1万回はシャッターを押さねばならない計算となる。そのような気が遠くなる膨大な量の作業を、テクニックこそプロには劣るが、山本彩に対する想い入れだけはどんなカメラマンにも負けない“素人”に“分担”させたアイディアは、リーズナブルであるだけではなく、“プロならでは”のステレオタイプな“技術上のルール違反”に囚われることのない、“自由で見慣れない写真”のオンパレードとなるに違いない、と思われる。 あと、ファンを“カメラマン”として深く巻き込んでいる点も抜け目ない。 おそらく、3週間限定の「撮り放題イベント」に参加した何千、何万人ものファンの多くは、「オレの写真が載ってるかも?」と、この写真集を手に取るだけじゃなく、購入するだろう。それ