1959年に実際に発生した殺人事件を作者が徹底的に取材し、加害者を含む事件の関係者にインタビュー[1]することによって、事件の発生から加害者逮捕、加害者の死刑執行に至る過程を再現した。インタビューを行った作者本人は物語の中に一切登場していないのも大きな特徴で、カポーティ自身はこのような手法によって制作された本作をノンフィクション・ノベルと名づけた。その後、ノンフィクション・ノベルの手法を使った作品が次々と他の作家によって発表された。1970年代はゲイ・タリーズ(『汝の父を敬え』)が、1990年代ではジョン・ベレント(『真夜中のサバナ』)などがノンフィクション・ノベルの書き手として著名である。日本では佐木隆三の『復讐するは我にあり』がこのカテゴリに含まれる。本作の手法はジャーナリズムの世界にも取り入れられ、ニュー・ジャーナリズムと呼ばれた。 なお、カポーティは自分と同じように悲惨な境遇に育っ