知的障害者でつくる楽団「ケ・セラ」(松本市)が今年秋に活動10周年を迎える。目標は「音楽で飯を食う」。道のりは険しいが、公演回数は少しずつ増えて年間30回ほどになった。 楽団を運営するのはNPO法人「ケ・セラ」。拠点となる松本市内の共同作業所に音楽の専用練習場があり、平日の午前9時から午後4時まで、エレキギターやドラムス、キーボード、シロフォンの音が響く。 メンバーは18〜28歳の男女9人。今は、6月2日の定期演奏会(塩尻市のレザンホール、無料)に向け、「太陽にほえろ!」「太陽がくれた季節」など披露する12曲の練習を繰り返す。 活動のきっかけは、NPO代表で、マンドリンやギターを愛好する中西博さん(64)が、ダウン症の次男が中学生のときに見よう見まねでギターを弾いたのを目にしたことだ。「知的障害のある人たちが将来、音楽で食べていけないか」と考え、楽団結成を呼び掛けたところ次男を含め5