神奈川県藤沢市に住むアフリカ系カナダ人キノタ・ブレイスウェイトさんは、ある日、黒人のカナダ人で日本人でもある娘ミオから突然、もう学校に行きたくないと言われ、うろたえた。その日、ブレイスウェイトさんは日本での暮らしは安全で子どもにとっては素晴らしい環境である一方、おそろしい面もあり、相当の注意が必要であると知った。 学校で起きている度を越したいじめもそのひとつだ。9歳のミオは父親に、学校の友人からからかわれたり、侮辱されたりというひどい行為を受けてきた、と伝えた。いじめの一番の原因は、ミオが言うには、自分で変えられないことだという。つまり、彼女の肌の色だ。 「普通」から外れている子が標的になりやすい 日本のいじめ問題は周知の事実であり、今日に始まったことではない。文部科学省の2020年のデータによると、日本の83%の学校でいじめがあったという。日本の学校で起きたいじめの報告件数は61万249