兵庫県洲本市は、国際交流団体「兵庫県日本ロシア協会」から脱会した、と明らかにした。同市は、江戸時代の豪商高田屋嘉兵衛(1769~1827年)ゆかりの地。嘉兵衛がロシアとの軍事衝突の回避に尽くした功績に倣って相互交流に力を入れてきたが、脱会でウクライナ侵攻への抗議の意思を示すとしている。 嘉兵衛は旧五色町(現洲本市)出身で、北海道と上方を結ぶ北前船交易で活躍。幕府とロシアの間で起きた外交摩擦「ゴローニン事件」でロシア側に拘束されたが、信頼関係を築いて和解につなげた。 旧五色町は2001年、サンクトペテルブルク市クロンシュタット区と姉妹都市提携を締結。合併で洲本市となってからも、青年訪問団が互いに行き来するなど交流を重ねてきた。 メールや電話で現地とやりとりしてきたが、侵攻後は連絡していないという。また、今年8月の地域行事「高田屋嘉兵衛まつり」では、在大阪ロシア総領事館関係者の招待を見送った。