今年5月、絶版となっていた1969年出版の名著が復刊した。「20カ国語ペラペラ――私の外国語学習法」(ちくま文庫)である。折しも10日から外国人観光客の受け入れが再開され、国際交流も進むだろう。復刊にあたって解説を書いた言語学者で神田外語大特任教授の黒田龍之助さん(57)と語り合った。 「実は、僕が仕掛け人です」。黒田さんは旧版を取り出しながら言った。「中古で何千円もするんです。読みたいという教え子に貸したくても貸せなかった。それなら復刻させようといろいろな出版社の編集者に『この本、いいよ』と勧めていたら、筑摩書房さんが興味を持ってくれました」。担当編集者によれば、売れ行きも好調で刊行後すぐに重版が決まったという。「復刊を待っていた人がいっぱいいたんだな」。驚きを隠そうとしない黒田さんである。 著者の種田輝豊さんは翻訳者、通訳者として活躍した。38年に広島県で生まれ、45年に北海道に移住。
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