ブックマーク / note.com/shinshinohara (9)

  • 「教える」の多くは幼児的欲求?|shinshinohara

    面白い体験を伺った。とある女性が初めてテレビゲームをやってみたら、普段からやってる息子が「そこはこうしたほうがいい」「次はこうなるから気をつけて」と教えてくれて、かなりうっとうしかった、と。他方、やったことのない夫は一緒にドキドキしながらうまくいくと驚いてくれて、嬉しかったという。 その経験から、人間には教えたがる能があるのではないか、という指摘がなされていた。これは大変面白い話だと思う。教えたくなる能、これについて考えてみたい。 私の考えでは、教えたいという気持ちは、「驚かしたい」という気持ちの変形なのでは?ということ。 テレビや雑誌、ネットなどで新しい情報を仕入れ、他の人にそれを教えると「へー!」と驚いてもらえた経験は、皆さんお持ちだと思う。教えるという行為は、人を驚かす行為でもあるのだと思う。それは恐らく、子どもの頃からの経験から生まれたもののように思う。 幼児はよく、「ねえ、見

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    mcddx30 2024/01/13
  • 体験欠乏症|shinshinohara

    お金もらうわけにいかないし、晩飯だけべさせて」という約束で家庭教師をしていたことがある。指導することになったその子の状況について、家族全員に説明していたところ、その子の妹が不思議そうに「なんで文章みたいに話せるの?」と聞いてきた。 その家族の会話は、ほとんど単語で終わっていた。「ねえ、○○は?」「おい、△△しろ」その場の状況から察することができるから、単語で事足りる生活をしていた。状況から察する能力があるのだから、頭は悪くない。ただし、言葉を鍛えられる環境にはなかった。 もちろん家族の誰も、を読む習慣がなかった。「文章」と出会うのは、学校の教科書くらい。そんな生活環境の中で、私のように「文章」のように論理を組み立ててしゃべる人と出会って、その妹は驚いたようだ。 そのような生活環境で言葉を鍛えることができるかというと、難しい。言葉を鍛えなければ、学校の勉強についていくのも難しくなる。何

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    mcddx30 2023/11/24
  • 先回りすると興味を失う、後回りして驚くと興味を示す|shinshinohara

    子どもが興味関心を失う大きな原因に「先回り」があるらしい。 自分が子どもの頃、大好きだった図鑑があって、「これ、お父さんが大好きでよく読んでいたんだ」というと、一つも読もうとしなかった。 ところが知人がくれた図鑑は擦り切れるほどに何度も読んで、私にその知識を披露してくれた。 私の勧めた図鑑を手にとろうとしなかったのは、私がその図鑑の内容について詳しいからだろう。ということは、その図鑑から知識を仕入れて親に披露しても、親は「ああ、知ってる知ってる」という反応しかしないだろう、それどころか追加の知識も披露して自慢するだろう、と嫌気がさしたのかも。 「名探偵コナン」が大好きな息子。そこにたびたび三国志エピソードが挟まるのに興味をもち、「三国志読んでみたい」と言い出した。三国志好きな私はそれで嬉しくなってしまい、熱く語ってしまった。そこから息子はマンガ三国志を読まなくなってしまった。私が詳しいこと

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    mcddx30 2023/07/13
  • 「勉強しないとどうなるか」という脅し|shinshinohara

    勉強しようとしない我が子を見て、「勉強しないとどうなってしまうか」という将来の話をし、なんとか勉強する気を起こさせよう、とする親は多い。気持ちは分かる。勉強しなければ損をする。我が子を思えばこそ、勉強しとけとアドバイスせずにはいられない、と。ただ。 「勉強しなければこうなってしまうぞ」という話は、子どもにとって脅しとなる。そうした脅しを聞いた子どもは勉強に対してどう思うかというと、「こんな脅しでもかけないと勉強しないと思われるくらい、勉強というのはつらくて面白くないんだ」という裏メッセージを受け取ってしまう。その結果。 ますます勉強するのが嫌になる。脅さなければ勉強するはずがない、という親の思いを感じ取って、ますます勉強に対して気が重くなる。ほとんどの子はこのためにますます勉強が嫌になり、なるべく逃げようとする。逃避しようとする。 ごくたまに例外がいる。もともと勉強ができる子。自分は良い成

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    mcddx30 2023/03/23
  • 人を見下す人が嫌いなのはなぜなのか|shinshinohara

    私は高校卒業時に「大学には行かしてやれんかもしれん」と父に告げられた。当時、母が大病し、死に病と宣告されていた。しかも借金だらけ、父は事情あって無職、アルバイトでくいつないでいる状態。経済的にも最悪で、進学どころではなかった。家賃も滞納、べるのがやっと。 たまたま母は手術してみると死に病ではなく(しかし2,3日手術せずに放置していたら危なかった状態)、助かった。それで大学に進学することを再び真剣に考えたのだけれど、その時以来、「もし大学にあのまま行けなかったら」を常に考えて生きている。 大学に行けず、高卒で勤め始めたらどうだったろう?高校卒業してしまってからだと、高校によるあっせんもないので条件が厳しい。きっと仕事探しも苦労していただろう。しかしそうであっても、私は私。どんな仕事をしているかは外側の話。今の私と高卒のままの私、どちらも私。 学歴のないことを理由に見下したり、社会的地位がな

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    mcddx30 2022/12/05
  • 謙虚に聞き、発見に驚き、楽しむこと・・・新天地に生きる知恵|shinshinohara

    京大に合格してすぐ、父の友人が先斗町の小料理屋に連れて行ってくれた。最初、店には私たち3人だけ。しばらくすると「京都のことならなんでも聞いてくれ」みたいなことをゲラゲラ笑いながら話す人が「お、ここにしよう」と戸を開けた。いかにもお金持ってそうな、高級スーツを着た男性二人。すると。 店の主人が「すみません、予約でいっぱいで」。やむなく二人の男性客は店を出た。私はいつ予約客が来るんだろう、と気になっていたけれど、一向に予約客が来る様子もなく。 やがて恐る恐るの様子で、二人の女性客が戸を開けた。「あのう、京都のお料理を勉強させていただきたいんですけど」すると。 「どうぞ」 店の主人は、予約客が来るはずの席に女性二人を招じ入れてしまった。え、でも、だって、予約客がって言っていたのに、と目を丸くする私に、父とその友人はニンマリ。 店を出た後、父とその友人は私に教えてくれた。 「京都人として認められる

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    mcddx30 2022/02/22
  • 会話を盛り上げるコツ|shinshinohara

    「ためしてガッテン」で面白い実験が。「出番があるまでこの部屋でお待ちください」と、数人の男性ばかり入れられた部屋、女性ばかり入れられた部屋。その中で何が起きるのかを観察。 男性ばかりの部屋では沈黙が続き「遅いですね」「そうですね」と二言がやり取りされたのみで、沈黙が続いた。 他方、女性ばかりの部屋では。「どちらからいらしたの?」とかの問いかけからはじまり、どんどん会話が膨らみ、実ににぎやかに話が盛り上がった。 この様子をモニターで観察したスタッフが、少しテコ入れしようと、ケーキとコーヒーを差し入れることに。「出番までもう少しお待ちください」。 沈黙が続いていた男性側の部屋では。「うまいですね」「そうですね」。その二言がつぶやかれた後、黙々とケーキをべ、コーヒーを飲み。そのあと、またしても沈黙が続いた。 他方、女性の部屋ではケーキとコーヒーでさらに大盛り上がり。お気に入りのケーキ店の話題と

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    mcddx30 2022/02/04
  • 小学校算数のアヤフヤを消す|shinshinohara

    公立中学で学年最下位水準だった子どもを4人みたけれど。みな、中学の内容を終えることができ、高校の授業にもついていけるようになった。それはなぜかと言うと、小学校の内容からやり直したから。中には分数どころか九九もあやしい子がいたけれど、やり直したら習得できた。 たぶんなんだけど、それを習った当時は、それを受けとめるだけの体験が不足していたのだと思う。九九を習った時には、足し算をさんざんやって、2を二回足したら4、三回足したら6、のような蓄積がないと、九九はなかなか身につかない。 分数を習う時には、ケーキを8人で分けたり、ピザを6人で分けたり、おやつを3人で分けたり、という体験が十分蓄積していないと、何を言ってるのか分からない。分数を習った時に「体験ネットワーク」の準備が整っていなければ、分数の内容を受けとめようがない。 しかし。九九や分数を小学校で習ったときには受けとめようがなかった子も、中学

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    mcddx30 2022/01/31
  • 「魂飛ばし」が能動性を取り戻すまで|shinshinohara

    その子は高校一年生だった。母親が「大学に行かせたい」といって連れてきたのだけど、学年最下位クラス。高校は偏差値最底辺のところで、どうやら中学でも学年最下位クラスだったらしい。大人しい性格なので内申点が悪くなく、なんとか高校に進学できたようだった。 どこでつまづいてるのか、過去にさかのぼっていった。分数は壊滅。1/2+1/3=2/5のように、分母と分子をそれぞれ足したりする。さらにさかのぼると、割り算がすでに怪しい。九九はできる。 よし、では割り算から足固めし、分数を完全にマスターさせよう。 しかし学習は初日からつまづいた。 公文式的なドリルを渡し、「このページをやってごらん」と言うと、「分かりました」とよい返事。さて、仕上がるまで他の子の指導を、と。 そろそろかな、と思って声をかけると、一問も進んでない。目はうつろで、魂が抜けたよう。「おい、どうした?分からないのか?」と声をかけるとハッと

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    mcddx30 2021/08/04
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