やけどやけがの痕を目立たなくする小林製薬の塗り薬「アットノン」が、3月の発売から7月までの4カ月間で年間売り上げ目標の6億5000万円を突破した。自転車で転倒してけがをした女性社員が開発のきっかけ。「夏らしく薄着のファッションを楽しみたい」という女性の願いをすくい取り、新市場の開拓に成功した。 傷痕が残るのは、傷の部位の血行が悪くなり、皮膚の細胞がコラーゲンを過剰に作るのが原因という。そこで、血行を良くして皮膚の新陳代謝を高める物質「ペパリン」を主要成分にした。べたつかない透明なジェル状で、希望小売価格は15グラム1365円(消費税込み)。 06年秋、ひざに軽傷を負った女性社員が同僚に「市販の軟こうだと痕が残る」と不満をもらしたのが研究員の耳に入り、商品化の検討に入った。07年2月にホームページでアンケートを行うと、傷痕対策に「何もしない」が64%と、「軟こうを塗る」(17%)、「ばんそう