ブックマーク / cruel.hatenablog.com (20)

  • Tooze『CRASHED』: アメリカ一極が終わって……次がない…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Crashed: How a Decade of Financial Crises Changed the World (English Edition) 作者:Tooze, Adam発売日: 2018/08/07メディア: Kindle版 うーん。 まずは歴史認識の簡単なおさらい。世界が第一次世界大戦前は、金位制をもとにしたヨーロッパ覇権みたいなものの下にあり、その中でイギリスの産業貿易的な優位性から、ポンドスターリング位みたいなものの下にあった。でも特に第二次世界大戦を経てそれが完全に変わった。戦費のない欧州諸国に対してアメリカがばんばん物資を送ったことで、その支払いもあって世界はドル位制となり、ブレトンウッズ会議で、ドルをトップにしたヒエラルキーが確立しました、というのは揺るぎない事実だ。 アダム・トゥーズ『ナチス 破壊の経済』は、ナチスドイツをそのアメリカ/ドル覇権に対するヨ

    Tooze『CRASHED』: アメリカ一極が終わって……次がない…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2020/02/15
    "どこも、経済の弱さが国内の不満につながり、それがポピュリズムをもたらして、したがって国際的にときに要求されるでかい行動ができず、そのために経済の弱さが続き、という国内政治と経済の悪循環に陥っている"
  • 格差の拡大は本当だろうか?——経済学者、格差の数字を見直す(The Economist より) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    訳者口上:秋にピケティの新著が出たところで、The Economistの11/30号に格差についての議論を見直す研究についての話が出ていた。おもしろかったので勝手に翻訳。トップ層がすさまじく豊かになっているという見立ては、実はそんなに正しくないのではないか、という研究がどんどん出てきたというお話。ただし、どれも金持ちの豊かさ増大がピケティらの言うほどはすごくないかも、というだけで、金持ちが豊かになっていること自体を否定するものではないので念のため。なお、途中の見出しはオリジナル通りで、全部ある有名な曲の歌詞から。(山形浩生) www.economist.com 2011年にニューヨークのズコッティ公園での抗議デモに何千人もが集結する10年以上前、フランスのあまり有名でない経済学者が腰を据えて、所得格差についての新しい見方を扱った論文を書き始めた。「我々の研究の焦点は、トップ10%、トップ1

    格差の拡大は本当だろうか?——経済学者、格差の数字を見直す(The Economist より) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2019/11/30
    ああっ…内容にコメントしたいけどtypoがっ…!でも超速翻訳感謝!"年間いいくら"→年間に"移転語の所得"→移転後"鼓動健康保険プログラム(CHIP)"→子供健康保険"石、弁護士"→医師"文館"→敏感
  • ウルーソフ『遠い蟻たちの叫び』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    以下のに収録。 現代ロシア幻想小説 (1971年) 作者: 川端香男里出版社/メーカー: 白水社発売日: 1971メディア: ?この商品を含むブログ (2件) を見る 当時のソ連ならではのテーマを、当時のソ連において唯一可能だった文学という形式でしか書けないやり方で書いた異様な傑作。必然性もなしに社会問題にすり寄り、必然性もなくそれを小説化してみせて悦にいるいまのほとんどのブンガクに比べ、書かずにはいられないことを、小説にしかできないために小説にしたすごい作品。他にこの人の作品は知らないけれど、この一作だけでもぼくはペーター・ハントケの10倍は価値があるとは思う。 OCRしてみたが、昔の活字は機械可読性が低く、かなり打ち直す羽目になった。 アレクサンドル・ウルーソフ『遠い蟻たちの叫び』 誤字などお気づきの方はご一報いただければ幸い。OCRのありがちなまちがいは、濁点と半濁点、「こ」と「と

    ウルーソフ『遠い蟻たちの叫び』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2019/11/03
    OCRミスの修正もれかな?タイポみっけ。p.5下から1行目「その場所から接近して⽶た。」→「来」が「米」になるのね。
  • トルコ大統領が不敬にも捨てたという、トランプ大統領閣下のありがたきお手紙を植民地の下等民どもも味わってみたまえ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    もう多くの人が言っていることだけれど、ぼくは最近、フェイクニュースと現実のニュースの区別がつかなくなっていて、冗談ぬきで途方にくれている。このニュースが最初に出てきたときもそうだった。 www.asahi.com この手紙の実物が最初にでまわったとき、ぼくは絶対これはインチキだろうと思ったんだけど……ちがった。朝日新聞のこんな機械翻訳ではその真の味わいがかけらもわからないので、その文体も含め訳してあげました。 トランプ大統領閣下のありがたきお手紙 (ウソだと思う人(思うよねえ)、現物はこちら リークしたのがフォックスニュースだし、ホワイトハウスも認めてるそうです) ごめんね、ぼくはこういう格調高い文章の翻訳になれてないので、ちょっとまちがってるところもあるかもしれないけど…… 山形がまた超訳してるんだろうと思う人もいるかもしれないけど、ほぼこの通りです。これを口述筆記させられた人はその場で

    トルコ大統領が不敬にも捨てたという、トランプ大統領閣下のありがたきお手紙を植民地の下等民どもも味わってみたまえ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2019/10/22
    ひどい。"これを口述筆記させられた人はその場で辞職したくなったと思うし、伝達させられた外務省や在トルコのアメリカ大使館の人たちも、「これマジ?」と百回くらい聞き返して、泣きながら届けたと思う。"
  • キューバの経済 番外編: ノマドの夢と現実 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    キューバの話は書きかけがいくつかあるんだけれど、なんとなくまとめるところでモチベーションが落ちて放置してある。一つの理由は、コルナイ・ヤーノシュ『不足の政治経済学』を読んだら、ぼくが考えていたような話がすでにかなりきちんと考察されていて、ちょっと今さらかなあと思ってしまったことがある。コルナイ・ヤーノシュ*1、おもしろいから読んでねー。 「不足」の政治経済学 (1984年) (岩波現代選書〈90〉) 作者:コルナイ・ヤーノシュメディア: 単行 が、コルナイ・ヤーノシュとこの山形ごときを比べること自体不敬であるし、下々の俗人の考えとして今後少しずつまとめていこうとは思う。が、そういう気が向く前に、また余談となる。 モンゴルで、いろいろ常識が覆された話はすでにやったけれど、もう一つ大きかったのは、ノマド/遊牧民というものに対する理解が完全に変わったことだった。 ノマドとは何か? ノマド=遊牧

    キューバの経済 番外編: ノマドの夢と現実 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2019/07/15
    なるほど。考えてみりゃそうだ。自由気ままというよりも食うための遊牧だよな。"遊牧民VS定住民みたいな発想自体がまちがいだ。景気がよくなって、都市部の仕事が多くなれば、人は都市部にやってきて定住する"
  • キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめに:社会主義の「いいところ?」 前回の、憲法改正の話を書いたら、はてなブックマークに「社会主義のよいところも書くべき」というコメントがついて、ぼくは少し驚いた。えーと、どんなところが「いい」と思ってるんだろうか? 強いて言うなら、格差が公式にはあまりないのはいいことかもしれない。が、あらゆる社会主義経済の常として、その低い格差は、全体を抑え込むことで実現されているものだ。配給制により、衣住は一応だれにでも確保されることにはなっている。でも、特に住では、物件ごとにロケーションも質もちがう。いいところに住めるかどうか? それは平等ではありえない。結果として、土地利用とか変な無駄だらけ。都心国会議事堂の真向かいに、おんぼろの、ぼくたちから見ればスラムみたいな住宅があり、そしてキューバ最大の商業目抜き通りである、オビスボ通りのど真ん中に、こんな服飾の縫製工場が平気である。日で言えば、銀座

    キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2019/03/02
    日本の通信キャリアと牛丼福祉論じゃないですかヤダー。SF社会主義が日本で実現してた。"人々はここに配給手帳を持って、もらいに出かける。"そのうち配給アプリとかができれば"
  • キューバの経済 Part1: 憲法改正と市場経済 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    1. はじめに 最近、キューバでのプロジェクトが始まって、いま二回目の現地調査。キューバというと、みんなゲバラにカストロ、葉巻で、ついでにブエナビスタ・ソシアルクラブで町中が音楽に満ち……というような漠然としたイメージしか持っていない。このぼくもそうだった。その一方で、アメリカの経済制裁の影響や社会主義経済の常として元気がなく、停滞しているという話も聞いていた。 ブエナ★ビスタ★ソシアル★クラブ Film Telecine Version [DVD] ライ・クーダーAmazon で、行ってみたら……うーん。何と言おうか。いや、いいところなんだよ。いろいろおもしろいのは事実。でも、どこがいいのか、と言われると口ごもる。どうだった、と言われると、次から次へと悪い点ばかりが出てくるんだけれど、でもじゃあ、そんなひどいところかと追われると、それほどでもないどころか結構楽しい。うーん。 ということで

    キューバの経済 Part1: 憲法改正と市場経済 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2019/02/15
    "社会主義においては、(資本家が)人を雇用するのはすべて搾取だ"「搾取はいけない」というのは、「人を雇うのはダメ」"国民はみんな政府雇用で"結果として、経済としては外貨建ての部分の"非公式経済のほうが大きい"
  • セックス妖精、なぜ殺したがるの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    いま見ているすっげえ分厚いファンタジーがあって、そこで万能の主人公がセックス妖精と出会う場面がある。いやホント。セックス妖精。 そのセックス妖精、千年も前からどんな男でもそのあまりのよさに、身も心も虜になってしまい、彼女のもとから帰ってきた少数の男もになって気が狂って数ヶ月で死ぬという伝説の存在で、それに出会った主人公、ウハウハでついていくわけだ。 で、この主人公くんは童貞だったので、そのセックス妖精に筆おろしまでしてもらって、もう心身ともに奪われそうよー、あー二発目したくなっちゃったー、我を忘れそう、というところでなんだか急に自制心を発揮して、なんか自分のつらい過去を思い出しているうちに、いきなり「自分は自分だ」と悟りを拓いてしまい、それにより突然風の真の名を操れる力が覚醒する! そしてその覚醒した力で何をするかというと…… いきなり怒りが沸き起こって、そのセックス妖精を殺そうとする

    セックス妖精、なぜ殺したがるの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2018/05/20
    なんかタイムリーな話題。“インドとかサウジとか、あるいは欧米でも(かつてだけでなく、いまでも!)、女は男を誘惑するから邪悪だとか、強姦は女が悪いとかいうのは、まさにこの発想”
  • AI ハリー・ポッターの衝撃 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    『ハリー・ポッターと巨大な灰の山らしきものの肖像』 AIにハリポタ全巻喰わせて、新作を生成させたそうな。まあご覧あれ。 Botnik Studios こいつを見て、あまりに感動してしまいました。この支離滅裂、異常な構想力、唐突な破綻ぶり。デスイーターたちが何だか知らないけど無意味にやおいらしきものを始めるところ。人工知能には創造性がないとかいっている連中がいるけれど、これでも、あるいはアルファゼロの囲碁でもそうだけれど、むしろ人工知能が明らかにしているのは、ぼくたち人間の知能や創造性と称するものがいかに制約されていて、型にはまっているかということだと思う。ウィリアム・バロウズが人間の矮小な構成力とキャパシティでほんの片鱗だけやってみせたことを、人工知能は鼻くそほじりながら(比喩的に)一瞬でやってのけている。 追記:このプロセスについてもう少し詳しく見た人がいる。これは当にほぼカットアップ

    AI ハリー・ポッターの衝撃 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2018/01/09
    『ハリー・ポッターと巨大な灰の山らしきものの肖像』で既にやられた。ついでに『フィネガンズ・ウェイク』と『ドグラ・マグラ』も喰わせちまおう。
  • ブレードランナー2049を見てきて…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    なんだか先週で、東京ではいろんな劇場でブレードランナー2049が公開終了になってしまっているようで、うーん、残念きわまりない。とはいうものの、一方でまあ仕方ないか、という気もする。 ぼくは映画小説について、予備知識なしで見ようとは思わない。オチがとか、ネタバレとかいうので騒ぐのは愚かしいと思っている。事前の情報をなるべく遮断して白紙の状態で見たいという気持ちはわからないでもない一方で、まあ完全に白紙で見るのはどうしたって無理なんだし(そもそもその映画を見に行こうと能動的に思う時点で色はついてるよね)、いろんな人の見解で事前にあれこれ想像するのもきらいではない。 ということで、今回のやつについてはいろんな人の意見を事前に見た。で、ご存じの通り、ブレードランナー2049は、評論家ウケは大変よかった。長いけれどすばらしい、続編のプレッシャーを見事にはねかえし、独立した作品として云々、さすがビル

    ブレードランナー2049を見てきて…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2017/11/20
    ホログラム彼女棒ほしい。
  • 自分の翻訳をめぐるちょっとした愚痴。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    翻訳についての人の感想は様々だ。そして翻訳がちょっと面倒なのは、それが訳者だけのオリジナルではないからだ。原文があって、それをもとに翻訳は行われる。ある訳文があって、それがある読者にとっては読みにくいと思えた。それはだれのせいかといえば……訳者のせいかもしれない。でももう一つ、原文のせいかもしれない。 その昔、ウィリアム・バロウズを訳しはじめた頃(というのは前世紀末)、ちょうどネットが出てきた頃で、だれかに「翻訳がひどい、日語になっていない」という感想を書かれたおぼえがある。いやあ、それはですねえ、もとの文がまともな英語じゃないんですよ。カットアップですから。だからその翻訳が日語になってないのは、むしろ忠実な訳ということなんですよ、と思ったっけ。ぼくはかなり原文に忠実な翻訳者なのだ。だから翻訳文が読みにくいとしても、それは往々にして原文の反映だったりする。 そういうと、意外に思う人もい

    自分の翻訳をめぐるちょっとした愚痴。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2017/11/14
    "みんな、マルクスとかフロイトとかの、何を言ってんのかよくわからない文章を見て、それを自分が理解できないことで「うーん深い」とか悦に入っている"
  • ノーベル経済学賞2017年予想 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ノーベル賞メダル 昨年(2016年)、ノーベル経済学賞のときにニコニコ動画に呼ばれ、予想ごっこと、受賞後のコメントを田中秀臣と、反アベノミクスのあまりにお手軽なを書いている小幡績、そして電話参加の安田洋佑といっしょにやりましたよ。去年は、ハート&ホルストロームで、契約理論というマニアックな分野だったので、正直いってぼくは(そしてその他の来場者)はあまりコメントできず、電話での安田氏の独壇場みたいになったっけ。 さて今年もまたやってきましたノーベル賞シーズン。今年もまた、ニコ動で同じくノーベル経済学賞野次馬大会を開くとのこと、それとあわせて、ここでも山形の予想をアップしておいてくれ、とのこと(それも出演料の一部ということで)。 live.nicovideo.jp さてことしは契約理論とかはもうキャッシュがクリアされた。ゲーム理論とかもしばらく前にあった。だからもう少しわかりやすい分野にくる

    ノーベル経済学賞2017年予想 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • フランク『時間と宇宙のすべて』:科学的な時間のとらえ方と一般的な時間のとらえかたを並行させたがうまく融合していない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    時間と宇宙のすべて 作者:アダム・フランク,Adam Frank早川書房Amazon Time, Space, and Everything にかけた題名かと思ったら、原題は About Time なんだね。 さて、時間のすべてを書こうというで、開けると冒頭3ページ目に「ビッグバン理論は死にかけている」と書かれている。おおお、すごい、そうなんですか! ということでいそいそとページをめくると、序章が終わって第一章になるといきなり石器時代の話。石器時代の時間感覚とは、という話で、農耕が始まって循環する時間の概念がきて、都市化により時間概念が変化し、時計が発明され、電子メールが出てきて、アウトルックの時間管理が…… 分厚いの半分くらいまでは、人間社会における時間概念の変化。そしてそこからやっと、科学的な時間概念の話になってきて、ビッグバンとかインフレ宇宙論とかひも理論とかになってくるのはかな

    フランク『時間と宇宙のすべて』:科学的な時間のとらえ方と一般的な時間のとらえかたを並行させたがうまく融合していない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2012/05/13
    全宇宙の物理学的な「時間」の概念と、たかだか銀河系の太陽の1惑星にしか住んでないホモサピ猿にとっての「時間」の概念を一緒に論じるのは難しそう
  • 松岡正剛のケインズ評はかなーりデタラメ度お高め。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    他の人が何かおもしろいことを言っているかと思って、ウェブでケインズ関係の記述をあれこれ見ているけれど、ろくなものがなくてがっかり。むろんウェブ上でのケインズ関連の発言は、聞きかじりの人がだれかの請け売りやイメージだけで恥知らずなこと言ってる場合があまりに多いんだけれど。でも少しは知見や良心があると思っていた人まで同じ穴のムジナだと、なおさらがっかり。 その代表が松岡正剛。 松岡正剛は、例の「千夜千冊」でケインズ『貨幣論』を採り上げている(Webcite)。が、とにかく変なことばっかり言っている。 まず、冒頭のまとめ部分から疑問符が大量噴出。ここは画像になっていてあれなんだが…… しかしケインズ理論が「大きな政府」論で、公共投資を重視するバラマキ政策だなんてことは、そもそもケインズのどこを読んでも書いてはいないことなのだ。 おやそうですか? まず『一般理論』の24章で、これまでよりも政府の果

    mcgomez
    mcgomez 2011/10/04
    元々ザックリ把握してなんとなく行を埋めるお仕事でしょう。某知の巨人的な_φ(・_・
  • コーエン『大停滞』:し、しまった、これが出るなら…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    大停滞 作者: タイラー・コーエン,若田部昌澄,池村千秋出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2011/09/22メディア: 単行購入: 13人 クリック: 670回この商品を含むブログ (43件) を見る 厳密にはボツではない。書評ルールで、一年以内だかなんだかには同じ著者のものは採り上げないというので、そもそも候補にもあがってこないが、しまった、これが出るなら「創造的破壊」は見送るべきだったかもしれない。テーマとしてはこっちのほうがでかくておもしろく、見るべきものも多いように思うので。なんか別の手を考えよう。でも、薄くて読みやすいし含意たっぷり。おすすめ。 ところで、この書名を変換しようとしたら、変なものに変換されて一瞬ぎょっとしたよ。あ〜、だっかっらこんやだけわぁぁぁ〜♪ 山形浩生の「経済のトリセツ」 by 山形浩生 Hiroo Yamagata is licensed

    コーエン『大停滞』:し、しまった、これが出るなら…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2011/09/26
    抱いていたい~♪_φ(・_・
  • ケインズ「一般理論」山形浩生訳 全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    全訳完成。9/1に始めて、途中一週間休みがはいったけど、20日でゼロから仕上げた計算。もうちょっと集中できたら二週間くらいでできたかな。ぼくは翻訳は一発通しで、読み直すことさえあまりしないから、用語の不統一や誤変換はそこそこあるかと思う。でも大きな誤訳はないはず。各種まちがいに気がついたら教えて。 ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』山形浩生訳(全訳) (pdf 840kb) 訳していて気がついたこと。 ケインズは、ヒックスにも言われているけど、嫌みったらしくてやーなヤツ。 ケインズがわかりにくいのは名文家だからだ、と伊東光晴なんかがしつこく言うが、まったくのウソ。理解できないからありがたい名文にちがいないという変な宗教がかった愚かな信仰は、いい加減捨てていただきたいところ。以下のようないやらしい、関係代名詞に条件節がたくさんぶら下がった文を山ほど書くので、わかりにくいと言われるのはしか

    ケインズ「一般理論」山形浩生訳 全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2011/09/26
    地獄のミサワみたいな前書き書かなくても十分凄いのに_φ(・_・
  • ケインズ「一般理論」山形浩生訳(部分):新しい、英語知ってる、原文に忠実。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ホント、みんなケインズの英語が名文すぎるとか実に難解だとかなんとかいうけど、ふつうだよ。当時の人の多くはああいう書き方したんだよ。マーシャルとか読んでごらんよ。みんな、自分の英語力がないのをごまかそうとして、わかりもしないのに美文だとか言ってるだけ。 すでに要約は一通りあげたけど、そんなに難しいと思わなかったし、普通に訳してみたよ。古くてうだうだしい感じを吸収するために、ですます調にしてみた。関係代名詞で長くだらだらつなげる文章は、遠慮なくぶった切った。でも、ケインズなんてこんなもんだよ。 ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』山形浩生訳(全訳) (pdf 780kb) これまでの訳は、英語経済学もよくわかってないやつが、もったいつけてむずかしく訳そうとするから難しくなってただけの話なんだよ。 まあこの調子で全訳あげるかどうかもわからないけど(スミスとマルクスも途中なんだよなあ)……とい

    mcgomez
    mcgomez 2011/09/02
    これまでの訳は、英語も経済学もよくわかってないやつが、もったいつけてむずかしく訳そうとするから難しくなってただけの話なんだよ。_φ(・_・
  • 筒井泉「量子力学の反常識と素粒子の自由意志」(岩波科学ライブラリー):不意打ちの衝撃。とんでもない極論めいた話を、実に説得力ある形で紹介。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    量子力学の反常識と素粒子の自由意志 (岩波科学ライブラリー) 作者: 筒井泉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/04/28メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 39人 クリック: 1,089回この商品を含むブログ (12件) を見る おもしろい! たまたまいまグリーン『隠された宇宙』を読んでいて、だれも観察できなくても、数式が存在するといったらそれは存在するのだという議論を延々と読まされ、首をかしげていたところだけれど、書は観察されていないものは(それが月であっても)存在していないのだという話。さらにそこからあらわれるパラドックスについての説明のための仮説として、ぼくたち(そしてなんと、素粒子!)の自由意志が出てくるところは、まったくの不意打ちで驚愕。 観察したときには何があり、しないときにはない、というとパラドックスが生じるけれど、それは観察がランダムに、人の自由意志に

    筒井泉「量子力学の反常識と素粒子の自由意志」(岩波科学ライブラリー):不意打ちの衝撃。とんでもない極論めいた話を、実に説得力ある形で紹介。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2011/08/29
    観察行為が(量子的なあれこれで)すでに決まっていたら? あるいはその逆に、素粒子のほうにも自由意志があって完全にランダムでないとしたら?_φ(・_・ほぇ~、そうきたか
  • 宇沢弘文「ケインズ『一般理論』を読む」(岩波現代文庫) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ケインズ『一般理論』を読む (岩波現代文庫) 作者: 宇沢弘文出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/08/19メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 53回この商品を含むブログ (13件) を見る 『一般理論』の解説としてはまとも。でも、これ読んで『一般理論』がわかるのかなあ。 一般理論の個別の章に沿って、あれやこれやと説明していくんだけれど、個別の章の話にいきなり入ってしまう。その前に全体の構成と論旨についての説明があってしかるべきじゃない? とにかくすべての部分で、全体像が提示されないうちから細かい個別の話をしすぎて、実に見通しが悪い。 あと話が全体にとてもうだうだしい。ケインズ経済学は、iS-LMモデルが期待の役割をはっきり反映していないので、期待を重視しないと思われているし、それがその後のフリードマンに始まる批判の入り口になった。でも、ケインズ自身は期待をとても重視して

    宇沢弘文「ケインズ『一般理論』を読む」(岩波現代文庫) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2011/08/17
    グラフやら微分方程式やらは、こけおどし以上の意味があるとは思えない_φ(・_・
  • ブンガクって、要は自分語りなんだってさ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    〈文学〉の誕生とその終焉 作者: 新谷淳一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/05/25メディア: 単行 クリック: 117回この商品を含むブログ (1件) を見る文学の終焉とかいうは、たいがいが検屍解剖と葬式で文学を延命させようという姑息な試みであることが多いんだけど、書も例外ではない。あれこれ引用をちりばめて深遠そうな身振りはするんだけれど、序章で泊付けに脳科学を持ちだそうとして引用されるのが、養老孟司と茂木健一郎だというのが、このの高尚ぶった底の浅さを露呈している。で、最終章はポスコロ談義をこむずかしく言い直す。スピヴァクのですら、もう少し見通しもよかったし、社会問題へのすり寄りしか生き延びる道はないと明言していて潔かったが、こののウダウダぶりはちょっと耐え難いものがある。でもまあこういうのをありがたがる人も、ブンガク業界の中にはいるのかもね。結局文学は科学と

    ブンガクって、要は自分語りなんだってさ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    mcgomez
    mcgomez 2011/06/23
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