ひきこもり 仲間と克服 真新しいスーツを着た新入生でにぎわうキャンパス。保健管理センターの一角にある「アミーゴの部屋」では、学生らが陣取りゲームに興じていた。「こんなのありえない!」。男子学生が声をあげると、室内に笑いが満ちる。4月5日、和歌山大学(和歌山市)での光景だ。 アミーゴは、スペイン語で「心を許せる仲間」の意味。同大の「アミーゴの部屋」は、ひきこもりを乗り越えて外出が可能になった学生の居場所のことだ。ゲームなどのレクリエーションだけでなく、対人スキルを磨く集団精神療法なども行われる。 30年前から不登校やひきこもりの学生の支援に力を入れてきた同大では2002年、それまでの蓄積を基に、「ひきこもり回復支援プログラム」を開発した。その中心にあるのが自助グループ「アミーゴの会」の活動で、当時、問題となり始めていた発達障害による学生生活への不適応にも有効とされた。 同じ悩みを乗り越えた先